伊藤詩織さんの裁判で見えた
週刊SPA!8月27日号
ゴーマニズム宣言 第56章
「伊藤詩織さんの裁判で見えた」
カ:SPAゴーマニズム宣言。今回は第56章「伊藤詩織さんの裁判で見えた」というタイトルでしたけど・・・、正直《見えた》ですよね。
た:はい、もう、見えましたね。
カ:いくらなんでも、この裁判の内容で、伊藤詩織さんが負けることはないでしょう。
た:それこそ、政治的な圧力でも無い限り、負けないと思います!
カ:もし自分がこの裁判の陪審員だったら、常識に基づいて、Yを有罪と判断できると思います。
た:そうですよね。
カ:仮にYの言い分が真実だとしたら、『就職相談に来た女性が泥酔したので、ホテルの部屋に連れてきたら、険悪な雰囲気になり、女性がそれを和らげよう手握ってきた、と思ったら「私は不合格ですか」と泣き出したので、なだめるつもりで、恋人でもないがセックスした』ってことなりますが・・・(苦笑)
た:そんなの、絶対にあり得ないですって!
カ:仮に私がYの親友だったとしても、これはかばえないです(苦笑)
た:それでも弁護士はいるんですよね。いや、もちろん仕事ですけど。
カ:弁護士はプロの仕事をするのだと理解はできるんですけど・・・、それでも、伊藤詩織さんにあのようなセカンドレイプのような詰問をするのは問題あると思いました!
た:レイプ被害者は、法廷でも、その時の状況を思い出さないといけないというのが、辛いですよね・・・。
カ:弁護士からしたら、相手の矛盾した証言を引き出すのが仕事なのかもしれませんが、あれは・・・あまりにも。
た:これでは、被害者がセカンドレイプを恐れて、泣き寝入りしてしまう世の中になってしまいますよね。
カ:そうですね。だから「裁判のやり方」自体を根本的に考え直さないといけないかもしれないですね。
◆◆◆
カ:その一方で、「冤罪」というのもあるから、被告側についた弁護士は、あらゆる手段を講じて冤罪を晴らすというも、役割としてあるとは思います。
た:確かにそうですね。
カ:これは裁判の話ではないですが、《従軍慰安婦問題》が登場した頃なんかは「日本軍に強姦された」という一方的な証言のみで、既成事実化された冤罪もありました。
た:なるほど。
カ:証言には裏付けとなる証拠が必要。真偽を確かめることが重要。それは分かることは分かるんです。
た:だからこそ、女性が二次被害を受けないような裁判の進め方を考えなきゃいけないということではないでしょうか?
カ:そうですね。レイプについて、僕らは「男だから関係ない」という考えを絶対にしちゃいけないですよね。「自分の知り合いや家族がレイプ被害にあったらどうするのか?」を考えなきゃダメだと思います。
た:その通りですね。
カ:井上達夫先生が言うリベラリズムの要諦である「反転可能性」を考えるということ、フェアネスの精神が必要ですね。
た:僕は、伊藤詩織さんの「ブラックボックス」を読んだんです。それで初めて分かったことも多かったです。
カ:たとえばどんなことですか?
た:色々あるんですけど。たとえば、今までレイプ被害というのは「草むらから見ず知らずの男が現れて襲われる」というイメージを漠然と持っていたんです。けれども実際には顔見知りからの被害が多いらしいです。
カ:そうか。そうなんですね・・。
た:顔見知りからの被害だからこそ、よけいに一人で抱え込んでしまうのだと感じました。
◆◆◆
カ:今週のゴー宣を読んで、ちょっとワクワクする感覚にもなりました。
た:どんなところでですか?
カ:Yの証言が矛盾だらけだと、漫画で詳細に描いてしまっているところです(笑)
た:これこそが『ゴー宣の威力』ですね(笑)
カ:裁判は膨大なやり取りがあるのでしょうけど、その核心部分を漫画でわかりやすく表現されていて、すごいと思いました!
た:この裁判に関して、伊藤詩織さんが負ける要素はないですよね。
カ:ところで、Yが菅官房長官のコネクションを通じて、月1回の会合で月42万円の収入を得ていたこと。たっちゃんはどう思います?
た:許せないですね!42万円稼ごうと思ったら、どれだけ汗水たらさないといけないかっ!!
カ:そんな不労所得がなくなったことが損害だとして、伊藤さんに賠償を求めているわけですよね。
た:『あなた、本当に日本人ですか?』と言いたくなります。
カ:しかも、その損害を訴える為に、『菅官房長官とつながりのある会社から月42万円の顧問料をもらっていたこと』を自らバラしている!
た:それ、自らバラしているんですよね(苦笑)
カ:相当のバカです!
た:そういえば、Yは、お仲間の内閣情報官宛に助けを求めるメールを送ろうとして、焦ってしまって、スキャンダルを暴かれている最中の週刊新潮宛にメールを誤送信したことがありました(笑)
カ:ここまでの『墓穴掘るキャラ』なんて、ドラマの世界にしかいないですよ(笑)
◆◆◆
カ:この裁判は、年内に判決が下る見込みのようです。
た:伊藤詩織さんが勝てば、よしりん先生がYに訴えられている裁判にも影響があるかもしれないですね。
カ:正当な判決が出て、表現の自由が脅かされることのない社会であって欲しいです。
た:そして、レイプ被害者が泣き寝入りするような野蛮な時代は終わりにしたいですね。
カ:そうですね!保守だろうが、リベラルだろうが、レイプに対しては怒りを持たねばならないですよ!!
ひばりFANの孫 (土曜日, 27 6月 2020 18:14)
私、この時、勝てると思っていませんでした。
またおかしな圧力かかって、負けると思っていて、判決出る前、憂鬱で憂鬱で。勝訴と聞いて、ホッとしました。
少し話がズレると思うのですが、世の中、もっと変わらないといけないと思います。
阿川佐和子さんが、お父様の大物作家から「文句があるなら女郎屋でも行け」みたいなことを言われていたと雑誌に載っていても何も思わないらしいし、『サザエさん』のワカメちゃんがスカートからパンツがはみ出ていても、おとなしく疑問を持たず見ている人も多いらしいですし。