今の価値観を過去に適用する愚
タッチ&ゴー宣
週刊SPA!10月29日号
ゴーマニズム宣言 第62章
「今の価値観を過去に適用する愚」
カ : SPAゴー宣第62章「今の価値観を過去に適用する愚」を読んで、いかがでしたか?
た : ドラマの制作で時代考証を無視するような表現ばかりしていたら、過去の価値観そのものがなかったことにされてしまい、それは危険なことだと思いました。
カ : それは「作品のリアリティーが表現できない」ということだけではなく、政治的、思想的なところまで悪影響が広がる予感がしましたね。
た : たとえば今週のゴー宣で取り上げられていた「木枯し紋次郎」や「おしん」のように、昔は口減らしのために、子供が売られたり間引きされたり、その時代ではそのような状況があったというわけですよね。
カ : 近代国家になる前。もしくは、途上ですよね。
た : ドラマ制作も時代考証がしっかりしていれば「昔は貧困というどうしようもない現実があったんだなぁ」と自然に理解ができると思うんです。
カ : そもそも福祉というのも、豊かさがないと成立しないですからね。
た : はい。それが現実ですよね。
カ : そして人権という概念も、近代国家を前提としないと成り立たないです。
た : まったくその通りですね。
カ : 慰安婦問題に関しては「近代化する途上で貧しい時代があった」としか言いようが無いですよね。
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カ : 「人権」で思い出しましたが、今週のゴー宣で批判されていた玉川徹と青木理については、どう思いますか?
た : そうですね。僕は小林よしのり先生の『戦争論』を読む前は「戦争」という言葉自体に拒絶反応があったんです。
カ : それは分かるような気がします。
た : 戦争に関しては「見たくないモノ」「考えたくないモノ」というくらいの感覚がありました。
カ : それも分かります。
た : 「なぜ戦争が起きたのか?」「過去の状況はどうだったか?」とか知りたくもなかったです。
カ : なるほど。
た : だから玉川徹さんや青木理さんは、昔の僕と同じ感覚なんじゃないかなぁーと思います。
カ : だけどそれって「平和主義」じゃない気がしますね。
た : 僕もそう思います。戦争について見ようともしない、考えないように遠ざけておくことが、平和に繋がると信じ込んでしまっているんだと思います。
カ : それってまるで「ダチョウの頭隠して尻隠さず」ですよね。
た : そうですね(笑)だから「韓国併合は合法だった」と聞いても、頭に入らないというか、思考停止になるんだと思います。
カ : 「我こそは平和主義者である」と自覚するのなら、日韓関係悪化の原因として、日韓が歩んできた歴史や韓国の現状を誠実に分析しなきゃダメですよね。
た : 自分が思っていたものと違う現実は見たくないですよね。
カ : その結果が「韓国無謬論」とは、あまりに情けない!
た : 「自分が好きな女性が、他の男に貢いでいても、それは見て見ぬふりして考えないようにする」みたいな気持ちでしょうかね?(笑)
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た : たとえば、僕はカレーさんと仲良くしていますけど「カレーせんべい無謬論」にはならないんですよ。
カ : ほう!
た : 『カレーさんのやること何でもOK』とか『カレーさんの意見は間違っていると内心思うけど、カレーさんは変わりそうにないから、こちらが合わせておこう』とか、僕はそれが良い関係ではないと思うわけです。
カ : なるほどなぁ。僕らは「対等な関係こそ、お互いに利益がある」と自然と知ってますからね。
た : そうです。だから玉川徹さんや青木理さんの「韓国無謬論」って、そうやって「人と人との関係性」で考えてみても、オカシイと気づくわけです。
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カ : そもそも私は、韓国は日本にとって重要な国だと考えているんですよ。
た : はい。
カ : なぜかと言うと、北からはロシア、西からは北朝鮮、さらに中国と、日本にとっての緩衝地帯が韓国だと思うからです。
た : なるほど。
カ : 韓国は、それら野蛮な国々と日本との防波堤になっている。だから私は「日本にとって韓国は、利用価値の高い重要な国」だと考えています。
た : クールに国益のことを考えたらそうなりますね。
カ : 韓国には徴兵制もあって国防をしてますから、その点においては敬意も持っているわけです。
た : なるほど。
カ : 私は韓国の反日なところが嫌いです。だけど「世界地図から韓国がなくなったら困る」とも考えています。
た : 日本にとって重要な国だと認めているからこそ「韓国よ、頼むからちゃんとしてくれ!」と言いたいわけですね。
カ : はい、その通りです。そこが、ヘイトとも左翼とも違うところだと思っています。
た : 確かに。それは相手の国を対等に扱っていると言えると思います。
カ : それが、日本の利益につながると思っているからです。
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カ : 欄外には「今回は韓国論の序章」と書いてますね
た : そうですね。「次号から、よしりんがこの問題を深堀りしていきます」と編集部のコメントもあります。
カ : 「オドレら正気か?公開生放送in大阪」の質疑応答で「韓国論をかいてください」と言ってた人がいたけど、それが実現するかもしれないですね!
た : 同時に「描くこと、多すぎる」と欄外に書かれてましたよ(笑)
カ : 小林よしのり先生の創作活動は尽きないですね(苦笑)
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た : 今週のゴー宣は「韓国論」としても勉強になりましたね。
カ : 朝鮮半島の近代化する前の貧しさには同情しました。
た : 「ソウルを除くほとんど地域で道にころがる死体を見るのは日常的だった」って悲惨ですね。日本に置き換えて考えたら「東京を除くほとんどの地域で道に死体が転がっていた」としたら、それはとんでもないことだから。
カ : 結局、近代国家になるためのインフラ整備を日本の手で行ってしまったのは、今となっては韓国人のプライドを傷つけてしまったと思いました。
た : はい。
カ : 今の自分たちの国の基礎部分で「一番最初に道を切り拓いた先人が日本」というのは、どうしてもコンプレックスになってしまう。
た : いや、だけど、韓国の国内では日本がインフラを作ったというのは全く知られてないんですよね?
カ : 仮にそうだとしても『今の自分たちの豊かさの説明がつかない』わけじゃないですか?
た : 確かに。
カ : だからインフラの基礎を作った日本に対するコンプレックスが、そのまま国民を束ねるアイデンティティーになってしまうわけですよね。
た : うーーーん。なぜそうなるのかな?
カ : これは韓国人に限らず「現在の自分たちの存在を肯定する為に、先人の存在や行為を否定する」というのは、集団心理としてあるような気がします。
た : うわーーー。
カ : 『先人たちに感謝して、現在の自分たちを肯定する』が正しい歴史継承ですよね。ところがコンプレックスと自尊心が強い人たちは、どうしても逆になっちゃうんですよねー。
た : カレーさん、実感こめてしゃべってませんか?(笑)
カ : 伊達に男を40年もやってないということで(苦笑)