雅子皇后への眼差しの変化
タッチ&ゴー宣
森:森のくまさん(ゴー宣読者ではない29歳男性)
コ:コシヒカリ(ゴー宣読者ではない23歳男性)
ド:ドルジェ(ネパール在住)
え:えみりん(創作茶魔語画伯)
シ:シュウ(KATTENA!編集長)
カ:カレーせんべい(ホームページ管理人)
た:たっちゃん(パイセン)
週刊SPA!12月24日号
ゴーマニズム宣言 第68章
「雅子皇后への眼差しの変化」
カ:今週はSPAゴー宣第68章「雅子皇后への眼差しの変化」 について語り合いますが、今回は「ゴー宣読者ではない人」が2名参加されています!
た:僕の方から紹介しますね。彼は「森のくまさん」は29歳。こちらの彼は「コシヒカリ」君で23歳です。
カ:お二人とも「ゴー宣読者ではない」とのことですが、今日の収録はどうして参加されることになったんですか?
森:たっちゃん大先輩のご依頼とあらば!
コ:それから、あとでラーメンをおごってくださるということで。
カ:そうか、この出演はノーギャラではないわけですね(笑)
◆◆◆
カ:さっそくですが、森のくまさんとコシヒカリさんに、今週のゴー宣を読んだ感想をお聞きしたいです。
森:こういった皇室の問題には、興味がどうというより全く無知だったんですけども、たっちゃん大先輩からいろいろと聞いたり、自分で調べたりしていたんです。
え:えー、すごい。
森:天皇陛下が雅子さんにプロポーズされた時の言葉の重みとか、色々想像しながら読ませてもらいました。
シ:なるほど。
森:雅子さんも大変だったろうし、天皇陛下も一緒に苦しまれたのかなと感じました。そして皇位継承問題を考えると、男系女子も継承できるように宮内庁の方々は考えたほうが、ここまで苦しませなくてもよかったのかなと。それは強く思いました。
カ:私も皇室の問題とか無知だったんです。このゴーマニズム宣言という漫画を通じて、勉強して興味を持ったというのが正直なところです。
森:僕は、たっちゃんさんの影響が大きいです。職場で色々と話してくださるんです。それがきっかけでニュースを意識して見たりとか、自分でも気になって調べたりとかしています。
シ:たっちゃんはすばらしいですね!
た:確かにそういう真面目な話題もしましたけど、木蘭さんの面白い記事をずっと紹介してましたけどね(笑)
◆◆◆
た:次はコシヒカリ君。感想を聞かせてもらっていいですか?
コ:僕は正直、政治とかこういった皇室の話っていうのは今まで全然考えたこともなかったんですが、よしのり先生の鋭い視点というのは、ニュースで出てくる情報よりも、すごく裏側まで見ているなというのを、たっちゃんさんの紹介で知りました。よしのり先生は、すごく面白い人だなっていう印象があります。
シ:なるほどー。
コ:今回の作品の感想なんですけど、やっぱり我々からするとあまり天皇の生活とかは想像はできないんですが、こういった男尊女卑というのは日本の古くから続く悪しき習慣みたいなもので。やっぱり天皇、皇室の方々も同じ人間として扱うべきだなと思いました。
カ:いやー、まったく同感ですよ。
◆◆◆
森:この作品を読んだ感想と、自分で調べた事をすり合わせていく中で、男系で続いた皇族というのが世界で最古なので、それが続いてほしい気持ちと、でも違う考え方を持たないといけないっていう気持ちが今半々なんです。
カ:今、すごく重要なテーマが出たと思います。まず、そのお気持ち自体、私はよく分かります。私も以前は「今までずっと男で続いてきたんだから、今、我々が、これを変えていいのかな?」という気持ちだったんです。
森:はい。
カ:だけど、今週のゴー宣で描いていた通り「男に固執することが原因でお后様が病気になっちゃった」というのがあるんですね。お二人は結婚されてますか?
コ:僕はしていません。
森:僕は結婚しています。
カ:お子さんは?
森:2さいの娘がいます。
カ:それなら実感していただけるでしょうけど、生まれてくる子供が「男の子だから喜ぶ」とか「女の子だからガッカリ」ってことありますか?
森:いや、ないですね。
カ:これから先も「二千年続いてきた男系」にこだわるのであれば、皇室の方々にそういうことを強いなければならないということです。私は「そんなことはダメだ!」ということに気づくのに時間がかかりました。ゴー宣という漫画を読んで、しばらく勉強してようやく気付いたというレベルです。
森:僕は今はもうホンマに「半々」な感じなんですよね。
カ:私は「元・男系固執派」だったから気持ちは分かります。けれども今の「50対50」という気持ちを、今回の座談会が終わる頃には「100対0」に説得してみたいです(笑)
◆◆◆
カ:えみりんさんは、今週のゴー宣を読んで、どんな感想を抱かれましたか?
え:読んでてすごい怖いなと思いました。
た:怖い?
え:一人の女の人に対して、こんなに寄ってたかってすごいバッシングして。なんでこんなに攻撃できるのかなと思って。
カ:そうですね。
え:流産しても気遣いも一切されなくて。
シ:うん。
え:すぐに次の妊娠を期待されて。
た:ええ。
え:本当に「産む機械」みたいな、「物」みたいにしか見てないんだなと。
カ:うわー。
え:1人の人間としても見てもらえてないなというのが伝わってきて・・・、読んでてすごく怖かったです。
カ:「物扱い」というのが正確なのかもしれない。最後のコマに「皇族女性を競走馬の種付けのようにあてがうとはなにごとか!」とありましたが、ブリーダーのような感覚ですよね。
え:病気になって当たり前だなと思った。
カ:「病気になって当たり前」ですか!?たしかにそうですね!
え:むしろ「病気にならないほうがおかしい」と、読んでてそう思いました。
◆◆◆
カ:皇太子殿下のプロポーズ「外交という分野では、外交官として仕事をするのも、皇族として仕事をするのも、国を思う気持ちに変わりはないはず」という言葉に雅子さまは心を打たれてプロポーズを受けたのに、「宮内庁が雅子さまに求めたことはただ一つ、『男の子を生むこと』だけだったのだ!」ってね、これじゃあ本当に『産む機械』なんですよ。
た:そうですね。
カ:我々が考えなければならないのは、「病気になって当たり前の制度を、これからも続けていいのか?」という問題への決着です。
シ:今の状況を見てる人たちが、将来の皇室のお后になってくれるかどうかもわからないですよね。つまり、現状を続けられるかどうかすら分からないわけです。
カ:今の制度のままでは、将来皇室には悠仁様しかいなくなっちゃうんです。あの広い皇居の中に、悠仁様が一人しかいない状況が必ず来ます!
コ:そうなんですね。
カ:その未来がハッキリしてしまった時点で、悠仁様のお嫁さんを探そうとしても「必ず男の子産まないといけない」ということが分かっておきながら、お嫁さんになる人がはたしているんでしょうか?
た:男の子を産まなければ、その時点で皇室は終わり。
カ:リアルな話として、お嫁にきてくれますか?そもそも子供が生まれるかどうかも分からないのです。
た:もし子供が生まれなかったら、雅子様へのバッシングぐらいではすまないでしょうね。
カ:プロポーズされたんで結婚しますっていう女の人が出てくるのでしょうか?さらには、その両親や家族は反対せずに娘を送り出せるのでしょうか?
◆◆◆
カ:ネパールから繋がっているドルジェさんは、今週のゴー宣の感想はいかがですか?
ド:全体的に怒りの回やったです。前回は、小林先生の心の中での葛藤が見れたんですけど、今回は雅子様に対する圧力への怒りの章やったなと。
シ:なるほど。
ド:僕が海外に出てイスラム教とか接したなかで、根本的な問題として、「男系で2000年続いた」っていうのが信じられなくなって。
カ:それは、なぜですか?
ド:男系でつなごうと思ったら必要なのがハーレム、後宮ですね。本当の男系社会では処女をめちゃくちゃ気にするんですよ。平安時代、日本は源氏物語とか読めば、奥さんが他の家に住んでることが多い。平治の乱とか、平家が出てくるときとかも、天皇陛下の息子やけども、ほんとはおじいちゃんの子供やったみたいなね、そういうのが原因で戦とか起きるんですけども、本当の男系社会でそんなことはまずありえないです。だから日本で男系社会を唯一作ったのは徳川将軍家のみになるんです。
カ:今の時代に「大奥」みないなことできるわけがない。
ド:将軍の大奥なんて男子禁制だったじゃないですか。中国の後宮も男性は宦官のみなんですよね。去勢した人のみが入れるんですよね。側室でも、不特定多数の男性に出会えればそれは後宮とは呼ばないんで。だから根拠が不確かな「男系で繋いできた」というものが皇室の方々を苦しめているのであれば、それはやっちゃいけないなというのが僕の中であります。
◆◆◆
カ:たっちゃんは、今週のゴー宣はいかがでしたか?
た:僕は今でこそ皇室問題のことを「森のくまさん」や「コシヒカリ君」に話してますけども、ちょっと前までは何の関心もなくて、雅子様がいろんなバッシングを受けているのも、報道とかで耳にしていたはずなのに、なんの感情も湧かず、無関心だったことを反省する気持ちです。
カ:それは私も同じです。雅子さまがこんなに苦しんでたときに、自分は生きてたはずやのに・・・全然気づこうとしなかったです。
森:一つ質問なんですけど。平成16年に皇太子殿下が発言(※いわゆる人格否定発言)をされてるじゃないですか。そのとき皆さんは、何か思われたんですか?
カ:私はね・・、これ正直に言いますけど、皇太子と雅子妃をバッシングする側に回りました。
え:え?
カ:「皇室というのは公の存在で、受け身にならないといけないはずなのに、自分の奥さんが大事だと愛をうったえておられる」と。「さすが戦後民主主義で育った皇太子さまだなあ」っていうふうに。
森:そうなんですか?
カ:「お前は一体何様やねん!!」っていう話ですよね・・・。当時、私は25歳だったかな?クソ保守派が偉そうな上から目線でバッシングしてるのに極めて近い感覚でした。そもそも皇室のことなんて、なんも考えてないし、知らなかったんですよ。
森:他の皆さんはどう思われましたか?
シ:皇太子のそういう発言があったことすら知らなかった。
た:僕も、そういう発言があったのも知らなかったぐらいのレベル。
ド:記憶にないです。
え:私もあんまり記憶にないですね。
た:どうやら、カレーさんしか記憶にないみたいですね。
カ:質問されたのに「記憶にない」とか「知らなかった」とか、お前らは政治家か!!
一同:(笑)
◆◆◆
カ:シュウさんは、今週のゴー宣を読んでどのように感じましたか?
シ:読んでてすごい怒りを感じましたね。バッシングされてるというのは過去のゴー宣でも描かれていましたが、こうやって全部を一連の流れにすると、雅子さまがどれほどお辛かったのかを考えます。子づくりに専念するために閉じ込められるって、人間扱いしてないですよ!
カ:そうですね!
シ:あと「宮内庁長官がすごい剣幕で雅子妃のもとへ押しかけて来た」というのを読んだときに、この人たちは自分の責任問題になることが嫌だから、こういう態度に出たんだろうなと。どこかからどうにかしろみたいに言われて慌ててこういう行動に出てるんじゃないかなと読みながら思いました。
た:つまり自分たちの保身のためですね。
シ:あと、この11月10日のパレードのことは知らなくて、雅子様がそのとき涙ぐまれていたというのは漫画ではじめて知ったんですけど、11月の後半の伊勢神宮のほうに天皇陛下と皇后様が来られたときに、自分も伊勢神宮に行ったんですよ。
え:へー。
シ:天皇陛下と雅子様が一瞬で通り過ぎられたんですが、笑顔で手を振られている雅子様を拝見したとき、涙が出そうになったんです。何かが込み上げてきて。今回のゴー宣にも描いてありましたけど「いろいろ苦労をされてきたけど、それをお二人で乗り越えられてこられたんだなぁと勝手に想像したらこちらまで涙が出てきた」という声があったと。そのときに、ああ苦労されたんだなと思ったわけじゃないんですけどね、見たときに目頭が熱くなって。あれはなんだったんだろう?神聖な人を見たっていう感覚だったのかもしれないと思ってます。
◆◆◆
た:ではカレーさんも何か感想を。
カ:私は感想ではなくて、森のくまさんとコシヒカリさんに質問をしたいです。
コ:はい。
カ:「皇室は続いた方がいいですか?なくした方がいいですか?」
コ:僕はそうですね、そういった知識もあまりないんですけど・・・。皇室は、日本の政治やすべての一番上の存在だとして、内閣で決めたこととかも最終的には天皇が決めるわけじゃないですか。
カ:そうですね、最終的な決裁をなさいますね。
コ:そこで皇室をなくすとすると、誰が、国のあらゆる動きとかを舵をとっていくのか?もちろん、舵をとるのは政治家がしてるんでしょうけども、最終的な判断というか、日本のあり方が変わるんじゃないかと思います。
カ:なるほど、今までの国の形が変わってしまうということですね。
コ:あと「国の象徴」って言われてるんで、海外からの日本を見る目というか、天皇という象徴がなくなるっていうのはどういう影響が出るのかなっていう不安はあります。
シ:なるほどね。
カ:外国の人から見たら、日本の元首は天皇なんですよね。元首というのは「顔」ですよ。あのトランプが来日したって天皇に会ったらすごいかしこまって挨拶しますもんね。日本を象徴する顔は総理大臣ではないんです。
コ:そうですね。海外から見た天皇という人は、一体どう映ってるのかが気になりますね。
ド:よく言われるのがローマ教皇と同等な存在らしいです。国家元首以上の。
カ:「祭祀王」という意味で言えば、最高権威ですね。
◆◆◆
カ:森のくまさんのご意見も聞きたい。
森:僕はもう、なくすのはあり得ないですね。日本ではなくなるような気がします。
シ:そうだよね。
森:だから、女系であっても象徴としてあり続けるべきかなと思ってます。
カ:私が「皇室はなくすべき」という意見で議論するとしたら・・・、雅子様のこの20年を見てたら、閉じこもって子作りさせられて、バッシングされて、人格否定されて、これは「人身御供」じゃねえかって思うんです。
シ:生け贄。
カ:「生け贄を捧げることで、ようやく続く国の形であるのならば、もう皇室なんて要らない!!」という気持ちになってしまうんです。それはきっと間違った考えであり、悪い感情なのかもしれない。そうだとしても、私の心は、どうしてもそういう気持ちになってしまっているんです。
シ:なるほど。
カ:私は、今のお二人のご意見には全て納得しますし、そうあるべきだと思います。けれどもその一方で、「誰かが犠牲になるのであればこれは制度としてダメなんじゃないか?」と考えざるを得ません。「生け贄を差し出して良いのか?」という根本的な疑問があるんですよ。これはまだ私の中で答えが出ていないことですから、皆様の意見を聞いて、これから自分の考えを変えたり、あるいはやっぱり皇室はなくした方がいいって考えを固めていくのだと思います。
シ:女性、女系天皇を認めたとしても、子供を産むっていうプレッシャーに少なくとも悩まされるのは間違いないですからね。今より楽にはなるでしょうけど。
カ:だから私が皇室が続いて欲しいと心から願えるようになるには、「男だろうが女だろうが差別をしないという制度」と「産むプレッシャーを一人の女性に与えない」ということが必須です。仮に、子供が一人も生まれなかったとしても、それは自然のこととして受け入れるっていう国民の土壌があるならば、自然のままに皇室が続けばいいなって思います。心から・・。
◆◆◆
ド:僕としては皇室は続けてもらいたいですね、国の分断というのを防ぐためにも。
た:分断を防ぐためにですか?
ド:アメリカのトランプ大統領が出てきてからのアメリカの分断とか、イギリスでもジョンソン首相が出てきて今スコットランドとイングランド、EU残留派、離脱派で揉めてますけども、国の分断を防ぐためには「選挙で選んでない存在」が必要なんです。だって選挙で選んだ大統領って、誰かが疎外感を抱かざるを得ないじゃないですか?「私は選んでない」っていう。そういう意味でも分断を防ぐためにも、実質皇室さえ存続していれば、この国の国体が民主主義から次のもっといい政治体系に変わったとしても、国としての流れに続くので、存続して欲しいと思うわけです。
た:なるほど。
ド:そうは思うんですけど、じゃあ天皇陛下はじめとする皇族が続けたくない、もしくは続かなかった場合には、それはそれで僕らはそれを受け入れざるを得ないのかなと思います。無理矢理体外受精したりとか、それこそ卵子や精子をを温存してまで存続させるとか、そういうようなことはして欲しくないです。
カ:私は国の分断を防ぐ象徴だからこそ人身御供は良くないと思うわけなんです。「人間扱いをされない女性の犠牲で成り立つ国の象徴」っていうのは私はあり得ないと思う。当然「側室を持つ」というのもあり得ない!つまり「国民の感覚からズレた象徴」というのはもう無理なんだと思います。
ド:皇室をやっていただくに際して、僕らは国民として、できる限り状況を整えないとね。もし天皇陛下をはじめとする皇族の方々か嫌だと言えば、それはもうしょうがないです。でも、何の努力もせずに、ただただ苦しめて皇族をやめたいと思わせるのは全然違うと思うんですよ。
カ:小林よしのり先生が何度か言われてた「やっていただいてる」という感覚が大前提ですね。
◆◆◆
た:ではそろそろ僕たちはラーメンに行きますんで。ラーメンをごちそうするってことで来てくれた二人なんで(笑)
カ:今日はお二人にはすごく良い意見を聞かせて頂き、ありがとうございました。すごく勉強になりました。
森:あ、最後に一ついいですか?
カ:はい!どうぞ、どうぞ。
森:最初は、男系で続けるのがいいか女系も認めるのがいいのか「半分半分」だったんですが、今日の話を聞きながら、自分も父親の立場で考えたときに、愛子様が誕生された後に、祝福のページが1枚も無いのはかわいそうやなと思いました。やっぱり女性天皇を迎える方が僕はすっきりすると思いました!
カ:すごいすごい!今日、座談会してよかったよ!
森:愛子様を祝福しないと。新しい命が生まれたことを祝福できるようにしないと。
カ:全く同感です。それが自然なことやと思います。大変有意義な回になりました。またお二人来てくださいね。
コ:ありがとうございました。
た:じゃあラーメン食べに行ってきまーーす。
🍜おまけ🍜
たっちゃん先輩のおごりラーメン