卑弥呼こそ天照大神である
タッチ&ゴー宣
《収録参加》
え:えみりん
シ:シュウ
た:たっちゃん
カ:カレーせんべい
《収録》
2020年1月8日 20時30分~21時00分
週刊SPA!1月14・21日合併号
ゴーマニズム宣言 第70章
「卑弥呼こそ天照大神である」
カ:SPA!ゴー宣第70章「卑弥呼こそ天照大神である」 について、私から感想を述べていいですか?
た:めずらしいですね。どうぞ、どうぞ。
カ:今週号から日本建国の謎に挑む新シリーズが始まりましたね!ケネス・ルオフ氏との対談本【天皇論 日米激突】の中で、小林よしのり先生が予告していた通りです!
た:え、何か予告されていましたか?
カ:31ページ目です。「ひょっとしたら神話にも一片の事実が含まれているかもしれないんです。日本は歴史が古くてわからない部分が多いから、神話を完全に否定してしまうと、国が歴史的にどうやって成り立ったかを探るためのヒントがなくなってしまうんです。」そして、次のセリフです!
シ:はい。
カ:「だからわしはいずれ、自分の作品で神話の中の何が事実なのかを考古学も含めて検証して、なぜ日本という国ができあがったのかを明らかにしたいと思っているんです。ものすごい挑戦ですけど、それこそ、神武天皇も、完全なフィクションではないでしょう。」と書いてるんですね。だから新シリーズが始まってゾクッとしました!
た:僕は、カレーさんの記憶力にゾクッとしましたけどね(笑)
カ:今週号のゴー宣の中でも「実は神話は、全くの作り話ではないとする説があり、わしもそのように思い始めた」と述べていました。その結論として「卑弥呼こそ天照大神である」という仮説を堂々と打ち出したのはすごいです!
シ:確かに驚きました。
カ:『魏志倭人伝』の中には「卑弥呼が女王になったことで、争いが落ち着いた。その後、男性の王が即位してまた争いが起こったが、 卑弥呼の一族の娘を王にすることで落ち着いた」という記述があるんです。
た:おぉー。
カ:つまり「卑弥呼こそ天照大神である」という仮説を解き明かすことで、日本という国は、成り立ちからして、女性がトップに立つ方が望ましいという歴史の教訓が得られるかもしれないわけです!
え:わぁ、すごいです!
カ:どうですか?やばいね、興奮するね。面白いやん!この新シリーズも期待しています。
◆◆◆
カ:シュウさんは感想はいかがでしたか?
シ:実は自分は九州出身なので、好きなテーマ、気になるテーマなんです。
カ:そうなんですね。
シ:今週のゴー宣を読んで、興味がわいたので、作中に紹介されていた【邪馬台国は福岡県朝倉市にあった】という本を、昨日注文しまして、今日の夕方届いたんです。
カ:すごいなあ、すぐ注文されたんですね!
シ:この本の表紙には「これは、もはや『研究不正』だ」と書いてありました。『畿内派』というのは研究不正で、失敗からなにも学んでいないと痛烈に批判していました。
カ:その「失敗」というのは、何を指しているのでしょう?
シ:『旧石器捏造事件』というのがあったらしいんですよ。
カ:はいはい、ありましたね!事前に自分で埋めた石器を掘り出したことが発覚した考古学のスキャンダル事件。確か20年くらい前の出来事でした。
シ:「慎重に検討せずに、マスコミが発表すれば勝ちという方法は、旧石器捏造事件で失敗した方法のはずである」と批判されていました。
カ:そうか、なるほどね。
シ:邪馬台国が奈良にあった確率は0%って書いてありますね。衝撃ですけど。
カ:えーーーー。私は「畿内派」なんだけどなぁ。
シ:剣や矛や鏡などの出土数が、圧倒的に福岡の方が多いらしいです。それぞれの出土数から、邪馬台国があった確率を算出すると奈良に関しては限りなく0%になってしまうらしいです。
カ:そのパーセンテージのことは、ゴー宣にも書いてました。
シ:確率としては九州にあったということらしいですね。
◆◆◆
た:僕は「邪馬台国はどこにあったのか」という議論をあんまり知らなかったですけど、今回のゴー宣を読んで、出土してるモノの数とか、地政学的な状況から見れば、やっぱり九州の方にあったんかなと思いました。
カ:そうか・・・(ガックリ)
た:むしろ、カレーさんが「畿内説」を支持してるのはなぜなんですか?
カ:私が小学生の頃、歴史の授業で「邪馬台国はどこにあるのか?」をみんなで推理していました。九州説と畿内説がありましたが、当然のことのように、みんな「関西にあった」となったんです。そこに根拠なんかなくても暗黙の了解かつ全員一致の見解でした。
た:一種の「身内びいき」じゃないですか?
カ:そうですよ。関西人がプロ野球で「今年は阪神が優勝やで!」って毎年断言するのと同じ感覚ですよ。
た:なるほど、分かる気がする(笑)
カ:ええやんか、別に。誰も傷つけないんやからさ(笑)
◆◆◆
カ:えみりんさんは、今週のゴー宣を読んで、感想はいかがでしたか?
え:古代史のことまで取り上げるようになって、難しかったけど、卑弥呼こそが天照大神という断言がすごいなと思いました。
カ:同感です。
え:天照大神は神話で、実在したか架空か分からなかったけど、今回の作品を読んだら本当にいたのかなと思いました。それが卑弥呼とはっきり書いてあったから、ここは驚きましたね。
カ:今まで全く頭によぎらなかったわけじゃないけど、それでも驚きました!
え:神話って、実在の人物について書かれていたのかなと思っちゃいました。
シ:わざと強く言い切って議論を起こそうという意図じゃないかなと僕は思いましたけどね。
え:日本のことを知るには、そこまで遡らないと、分からないというか。ここまでしないとあかんのかなと思って、歴史を知ることも大事やけど、こういう古代とか神話を知るのも日本を知ることなのかなと思いました。
カ:なるほど。うん。本当にそうですね。
え:神話を読んでいたら昔の人の想像力のすごさが分かります。
シ:ゴー宣の中にヤマタノオロチの姿が描いてあって「神話は非現実な描写であっても、そこには何らかの史実が反映されており、それを読み解いて考古学と照合することで、初めて古代史は見えてくるのではないか?」と書いてありますけど、ヤマタノオロチにもいろいろ説があって、「水害の譬え」じゃないかとか。そうやって考えていくとそれぞれ、伝承というものは何かを譬えたものかもしれないと考えることもできますね。
◆◆◆
カ:今週から始まったゴー宣の新シリーズですが、その「歴史的意義」について、みなさんはどのように考えますか?
シ:神話だけでなく、史実としても「日本の成り立ちは女性がトップだった」ということを徹底的に検証することで、現代日本においても女性の地位を向上するべきだ、という思想に繋がっていくと思いました。
た:やっぱり女性が天皇になれない現状はオカシイと感じます。それを変えていくには、女性の地位を向上させることが必要だと思います。そのためにも「日本はどういう国だったのか」をさかのぼって考える必要があるのだと感じました。
え:日本に生まれて、育っているけど、「日本がどうやってできたのか?」ということは全然知らずに暮らしていると感じました。「自分が生まれた国は、一体どういったことで作られてきたか」ということに興味があるし、それを知ることで日本に対してもっと愛着を持てる気がするし、それが自分自身を知ることにも繋がっていくのかなぁと感じました。
◆◆◆
た:こういうシリーズは読んでいて面白いですね。小林よしのり先生は資料を読み込んで分かりやすく描いてくださるので、すごいなと思います。
シ:ほんと、そうですね。
た:シュウさんが早速買ったという本、僕も買って読みたいな。
シ:1800円します。
カ:ラーメン2杯食べられるやん(笑)
シ:ものすごい、ほんとに検証っていう感じのデータがいっぱいあります。
た:ゴー宣の中で、畿内の「纏向遺跡がマスコミに取り上げられ、地元・桜井市が『ひみこの里』として観光PRして有名になっているのに対して、平原遺跡はほとんど知られていない。」というコマの後ろに新聞記事があって、「奈良・纏向遺跡出土の桃の種」って書いてあるんですが、【桃の種】で何か分かるんですか?
シ:【桃の種】についても、この本で論破されていました。
カ:す、すげえ。
シ:桃の種について。この本では「奈良の纏向遺跡から桃の種が出土してるから、奈良県に邪馬台国があったという根拠になると奈良県は言ってるけれど、その桃の種は奈良よりも岡山県の遺跡からもっと大量に出てるから、もし桃の種が邪馬台国があった証拠になるのなら岡山にあったということの方がより言えてしまうということになるからその論理はおかしい」と述べています。
カ:私は「邪馬台国が関西にあって欲しい」と願ってるのにヤバイやんかぁ~(笑)
た:カレーさん、もう九州ですよ、こりゃあ。
カ:あー、よっしゃ、分かった!「邪馬台国が関西にあった」という【衝撃のカレーせんべい説】を発表します!!
シ:はい、どうぞ(笑)
カ:「大和政権」ってありますよね?歴史で習いました。いわゆる古墳時代で、奈良盆地で形成された政権です。これは確実にあったんですよ。「大和政権と邪馬台国」と声に出してみてください。どうです?なんか似てるでしょう、響きが。つまり「大和政権の前は邪馬台国」だったんですよ!!
え:名前・・・。響き・・・。
シ:別にカレーさん以外にも沢山の人が言ってそうな・・・。
た:正直、それほどオリジナリティは感じなかったです・・・。
カ:・・・。ちきしょーー!!!(号泣)