世界の蝶と蛾

 

ハックスレーの

ゴー宣いきもの図鑑⑧

 

「世界の蝶と蛾」

 

【解説文】

左上から下に向かって解説

 

 

オオルリアゲハPapilio ulysses。

雄個体。ニューギニア産。ニューギニア島、モルッカ諸島、オーストラリア北部までの範囲に分布します。島によって翅の模様が違い、翅の表面が金属のような青い光沢を持っているのが特徴です。かなりの高速で飛ぶらしく、故に「見ると幸運になる」という伝説があります。

 

アオタイヨウモルフォMorpho cisseis cisseis。

雄個体。ペルー産。南米最大級の大きさを誇り、翅中心の色が明るくなっています。タイヨウモルフォは赤く光らないですが、アオタイヨウモルフォは青く銀のように鈍く光ります。この手のモルフォは大型で羽が薄く、よって完璧な野外品が少ないです。

 

ホソオナガヤママユActias dubernardi。

雄個体。中国雲南省武夷山産。中国産のヤママユガの一種で、雄の後翅の尾状突起が異常に長くなります。中国では「月の蛾」とも呼ばれ、その名に恥じぬ妖しい雰囲気を持ち主です。口が退化しているので成虫の寿命は短く、10〜12日ほどです。

 

イザベラミズアオGraellsia isabellae。

雌個体。スペイン産。ヨーロッパに生息する蛾の中では最も美しい種類です。翅の脈をペンでなぞった様な印象を与えます。スペイン中部の山地やピレネー山脈の松林に生息しており、標高1,800mまでの高地で昼も夜も活動します。幼虫はマツの葉を食べます。

 

ソエムバヌスヨナグニサンAttacus soembanus。

雄個体。ヨナグニサンの仲間は世界最大級の蛾として知られ、与那国島で初めて発見されたことから「ヨナグニサン」という和名が付けられました。ヨナグニサンには近縁種がいくつか存在し、本種はインドネシアのスンバ島産のソエヌムバヌス種です。これも口が退化した生き物です。成虫になってからは餌を摂取せず、体内に溜め込まれた栄養分のみで生き延びます。なので寿命は一週間ほどです。

 

テセウスモルフォMorpho theseus。

雄個体。ペルー産。テセウスモルフォは、モルフォの特徴である光沢がない珍しい種です。後翅の周縁部に突起があるので歯型とみなし「ハガタモルフォ」と呼ばれた過去もあります。

 

テセウスモルフォMorpho theseus。

雄個体。メキシコ南部サンマラン火山帯産。このメキシコ南部サンマラン火山帯での個体は得難いです。ペルー産の個体と違い、翅の中心部が青味を帯びます。

 

ミズアオモルフォMorpho catenarius。

雄個体。アルゼンチン産。本種はモルフォの特徴である青色の輝きがなく、うっすら水色がかった色味をしています。名前の通り羽が白く、羽のふちには茶色の模様。腐った果実によく集まる習性があります。

 

ユーゲニアモルフォMorpho eugenia。

雄個体。フレンチギアナ産。朝の6時頃から15~20分程度しか飛ばない習性を持つモルフォです。20世紀初頭、このモルフォは珍品として扱われ、世界でも標本の少ない種類でしたが、世界一の昆虫標本商であった、フランス人のユージェニー・ル・ムールトが習性を解明し、普通種であるのが判明しました。彼はこの蝶をコレクターに高く売るべく、現地の採集人に指示を出しますが、あまりにも多く採れ過ぎて、価格が暴落するという憂き目にあっています。

 

《ピックアップ》

イザベラミズアオ

 

ハックスレー博士の集中講義

 

《質問:蝶と蛾の違いは何ですか?》

 

蝶と蛾を区別⋯便宜的にいくつかあります。

下に列挙してみます。

 

1.昼に飛ぶのが蝶、夜に飛ぶのが蛾

2.蝶は派手で、蛾は地味

3.蝶はとまるとき翅をたたむが、蛾は広げる

4.蝶は触角の先がこん棒状、蛾は櫛状、或いは先が尖っている。

 

以上になるんですが、例外は多いです。

 

この中で最も確実なのが4の触角です。

蝶の触角は、セセリチョウの仲間を除いて、ほぼ全種が先が膨らんだこん棒状です。

蛾は先が尖っているものが殆どで、中には櫛状であったりもします。

櫛状の触角を持つ蛾はオスです。

 

ソエヌバヌスヨナグニサンの触角を注目してみましょう。

同じ種類のメスは尖った触角をしてます。

 

これはイザベラミズアオの触角に注目です。

オスの触角はメスのフェロモンを探しながら夜飛ぶので、特殊化されたものなんです。

 

私がここでお答えするのは、実は「日本の場合」での区別の方法になります。

 

何せ蝶と蛾は同じ「鱗翅目」で、本当は区別できるわけではないのです。




コメント: 2
  • #2

    metalすらいむ塩ムスビ (月曜日, 14 9月 2020 22:59)

    蝶と蛾の線引きは難しいのですか......
    ところで蝶を採取した筈が蛾で、
    ガチョーン!?
    なんてことは最近でもありますか?
    その反対は?
    ネットで蝶に見える蛾でのアゲハモドキの画像は.......お見事! でした。
    ここに無いと言うことは実際には、そうでもないし見分けやすいのでしょうか?
    ホソナガママユですが、手塚治虫先生の作品に.......
    幼い頃の記憶ですが、本来の黄金色が純白ならジュディ・オング 黒曜石色なら松坂慶子でしょうか?今や昔ですが、
    手がとどいてはいけない存在でした。

    あと、フランス、ドイツは、蝶と蛾の区別せず?
    昼の蝶、夜の蝶な感じなのでしょうか?
    夜の蝶.......泉美木蘭さん?
    泉美木蘭さんのマイブームはスウェーデンですが、蝶と蛾の区別ないようなら、蛾と呼ばれる日本よりスウェーデンに......
    あの顔立ち出で立ち酒場で何を注文しても純白ミルク........
    泉美木蘭、どこなら咲けるのでしょう?

  • #1

    metalすらいむ塩ムスビ (日曜日, 13 9月 2020 00:50)

    ガチョーン!……蝶々ちょうちょ♪…でんでん♪おでんでん♪ま~い♪ 蛾?蛾ちょーん!???そいつどいつdeパリピ~▪ガチョーン!▪▪▪.▪ 月が綺麗ですナ~イトパピオン!パシャパシャ!