フェミニズムとは何か?
タッチ&ゴー宣
《収録参加》
え:えみりん
た:たっちゃん
カ:カレーせんべい
《収録》
2020年4月21日20時30分から21時
週刊SPA!4月28日号
ゴーマニズム宣言 第82章
「フェミニズムとは何か?」
た:ボーヴォワールという人のことを知らなかったのですが、『生物学的な性』と『社会的な性』に分けて女性論を考えたんですね。
カ:この考え方は、勉強になります。
た:このように考えるのは、男が中心の社会構造が当たり前である状況においては、必要なことだと思いました。
え:「女性たちが男を立ててくれて、家事は女のものと主張してくれ、男の精神にマッチョイムズや男尊女卑を育ててくれていたのだ」という部分を読んで、私自身「女だから家事はできないとアカン」と疑いもなく受け入れていたと思いました。
た:そうなんですね。
え:だけど「家事は女がやらないといけない」という決まりがあるわけじゃないですよね?そういう無意識の感覚が、男の人の男尊女卑の感覚を女の人が育てているのかな?って思いました。
た:僕は九州男児ではないけれど、そういう感覚は昔からあった気がします。
え:そして、最後のコマで『果たして「男らしさ」「女らしさ」という感覚は不要なのだろうか?』とありましたが、私はそれは必要だと思うんです。
カ:それには私も同感です。なぜなら「男女交際をする意味が無くなってしまう」と思うからです。
た:なんとなく分かる気がします(笑)
カ:男らしさ、女らしさを磨いた方が、お互いに無い部分を補い合えるし、感性を磨き合えるのだと私は思います。
え:だけど『料理することや掃除することが「女らしい」こと』とは違うんじゃないかなと思うんです。
カ:あ!そうか、そうですね。
え:では、「女らしい」とか「男らしい」って一体何なんだろう、って思いました。
カ:なるほどね。「家事イコール女らしい」というのは『生物学的な性』とはまったく関係が無いだろうし、『社会的な性』として後付けで認知されているに過ぎないじゃないかな。
え:家事や介護を、女の人が自主的に引き受ける場合はあると思います。
た:それはたとえばよしりん先生の奥様ですね。
え:そうです。ところが女の人が主体性で引き受けるのではなくて「女がやるものだ」と押し付けるのはダメなことなのかなぁと思いました。
た:それだと抑圧というか、強制になりますね。
え:ボーヴォワールさんの「男は人間として定義され、女は女性として定義される。女が人間として振る舞うと、男のまねをしているといわれる」という言葉を見て、私も職場でバリバリ働いている女性を見ると「男らしいなぁ」と感じてしまっていると、ハッと気付きました。
カ:今の話について私の意見を言えば、日本が女性の地位向上が進んでいないのは「管理職に就く女性が極端に少ない」ことに集約されていると思っています。
え:はい。
カ:管理職というのは要するに責任者のことですが、その役割は「指導すること」と「切腹すること」だと思います。
た:なるほど。
カ:この2つの役割を今まで男が独占していました。だからこそ社会的な尊敬は、男が独占していたのだと思います。
た:これからは女の人がどんどん管理職に就いていった方が良いとお考えですか?
カ:私はそう思います。「指導と切腹」を男が独占する状態はやめた方がいいです。そして女性の出産や乳幼児の育児によるハンデは社会的な制度によってカバーすることを義務付け、管理職の比率は「男女比50%50%」にならないと、今の社会は変わらないと考えます。
た:男女雇用機会均等法の施行が1986年で、いわばつい最近まで、就職において女性は男性のおまけ扱いが普通だったというのは、驚きました。つまり女性の地位向上はまだまだ発展途上ということですね。
◆◆◆
え:よしりん先生が昔、テレビで田嶋陽子が「男もパンツ洗え」と言っているのを聞いて、「わしがそんなことしたら妻から離婚されるわい!」と叫んでいたとありましたが、女の人が自主的に一手に引き受けていたら、男尊女卑にはならないと思いました。
た:そうですね。
カ:うーーーん、「男もパンツを洗え」は絶妙に微妙なところを突いてて笑えますね。
た:パンツ洗う洗わないで「離婚」の話まで出てきたら、これは「男尊女卑」でしょうか?
カ:それはつまり男が「俺様がパンツなんか洗えるか」と思い込み、女は「主人にパンツを洗わせるわけにはいかない」と思い込んでいるとしたら、それは男尊女卑と言えるのかもしれないです。
た:うーーーん、どうなんでしょうね?
カ:パンツを「単なる洗濯物」として見れば「別に男も洗ったらええやん」と私は思いますけど・・・、しかし女性には「乙女心」というものもあるだろうし・・・、男ばかりの家庭で育ったガサツな私にはいささか難問です、田嶋先生(笑)
◆◆◆
た:フェミニズムは「男らしさ」や「女らしさ」という感覚を否定しているのでしょうか?
カ:性差は無くすべきと考えるのがジェンダーフリーの基本ですよね。
え:でも、ジェンダーというのは『社会的な性』って書いていませんか?
カ:あ!そうなのか。それなら『生物学的な性』まで無くせとは、本来のフェミニズムであれば言わないはずですね。
た:そうなんでしょうか。
カ:はい。仮に『生物学的な性』を否定するのであれば、たとえばトイレを男女別に分けることすら否定しなければならなくなります。
え:そうですね(苦笑)
カ:フェミニズムは「男らしさ」「女らしさ」というは認めるんじゃないかな?だから「ジェンダーフリーはフェミニズムでは無い」と私は先に予想しておきますね。
た:なるほどです。
カ:『生物学的な性』には当然違いがあります。けれども『社会的な性』といわれている中に、形骸化した、因習めいたモノが無いかどうかを点検する思想こそがフェミニズムではないでしょうか?今の時点ではそのように考えておきますね。
◆◆◆
た:よしりん先生のお父さんが、自分の子供や妻を平手打ちしていたという場面がありました。これは昔の父権が強い時代だったからでしょうか?
カ:私は、男が女を殴るのは絶対にイヤですね。そもそも男の方が力があるのだからフェアじゃないです。
た:僕は実際に男が女性に手をあげている場面を見たことが無いです。
カ:少年漫画でよくある描写ですが、私は「女が男を叩く」のは好きだなぁ。
た:なんなんですか、それは!?(笑)
カ:それは、女が「この男は暴力では反撃してこない」という信頼があるから男を平手打ちするわけでしょう?それって「何だかいいなぁ」と思ってしまうんです(笑)
た:ただ、現実に女性に暴力をふるう男はいるわけですよね?
カ:それはもちろん、DVはありますからね。女に媚びうる男はきしょいけど、女に暴力ふるう男は殺意を覚えます。
◆◆◆
カ:ゴー宣道場は女性リーダーばかりなのがすごいですね。
た:女性の方が人数が多いんですね。半分以上ですね。
カ:私は「世界のゴー宣ファンサイト」でコンテンツを担当してくれているメンバーを紹介する『ゴー宣ファン同盟』というコーナーを始めましたが、男女比は今ちょうど50%50%です。
え:ホームページをご覧になっている人は、男女比半々ですか?
カ:いや掲示板から推測すると、6:4で男性の方が多いみたいです。
た:昔、関西地方のゴー宣読者さん達と飲み会を開いたら、半分以上が女性だった気がします。
カ:そうでしたね。女性がパワフルで、人数も多くて個性が豊かでしたね。懐かしい。
◆◆◆
た:小林よしのり先生が女性の地位向上を目指す動機は「女性が子供を産み育てやすい社会を作ることで、少子化で国家が滅ぶのを防ぐため」とありますが、僕も全面的に賛成です。
カ:はい。
た:だからこれから始まるフェミニズム論を読んで、勉強していきたいと思います。
え:これからの展開が楽しみですね。
カ:しかし、ゴー宣は色んなシリーズが同時進行ですよ。『韓国論』『建国論』『レイプ論』『皇位継承問題』『立憲的改憲』、そして『コロナ論』まで始まりそうです!
た:べ、勉強していきたいと思います(汗)