周庭を説く
タッチ&ゴー宣
《収録参加》
皿:皿うどん
え:えみりん
た:たっちゃん
カ:カレーせんべい
《収録》
2020年7月14日
《司会・編集》
皿うどん
FLASH7月28日・8月4日号
よしりん辻説法 説法43
周庭を説く
アグネスの爪の垢を煎じて飲む
え:今回のよしりん辻説法を読んで、初めて周庭(アグネス・チョウ)さんのことを知りました。
た:この周庭さんの名前、「周」に「庭」と書くじゃないですか。ということは「周」と書いて「アグネス」と読むんですか?
皿:いや、中国の読み方だと「周庭」は「チョウ・ティン」になるみたいです。「周」は「チョウ」だと思います。英語名は香港がずっとイギリス領だった時からの習わしというか、香港を中心に英語名を持っている中国の人というのがいるみたいですね。
た:そうなんですね。
え:中国共産党に対して、こんな若いのに戦っている人がいて驚きました。そして今週の辻説法は、コロナの話から「命」の話まで発展したのが凄いと思いました。
カ:今回のよしりん辻説法は、コロナ騒動で「命が大事と叫ぶ日本人」と、香港国家安全維持法で「命より大事なモノのために戦う香港人」という対比があったと感じました。
え:はい、そうですね。今の日本人は覚悟がないと感じました。
カ:今の日本人に「祖国の為に戦う」という意識は皆無だと思います。つまり「愛国心がない」ということになります。年寄り達が「コロナが怖いから、若者と子供は外に出るな」と言ってしまえることが、その証拠でしょう! 歳を重ねても祖国の未来など考えていない! ただ「自分の命が宝」という願望があるだけです!
え:確かに。今回の辻説法を読んだら、アグネス・チョウさんがすごいと思うと同時に「今の日本人は情けないな」と思いました。
◆◆◆
カ:私がアグネスさんがすごいと思うのは『顔と名前を出している』ことです。
皿:あー、なるほど。
カ:顔と名前を出して言葉を発信するのは「本気の人間」でなければできないことです。ましてや中国政府に楯突くとなると「命懸け」です。そんな状況において顔と名前を出すことはなかなかできないです。
た:それだけ真剣ということですね。
カ:本来私は、学生が運動することには大反対なんです。学生や、現場を確立していない人間が社会運動をやっている姿は、とても恥ずかしいと感じるんです。ただ、この香港の問題に関しては例外です。「今、戦うこと」がとても重要だからです。「今戦わないと、自由が全て死んでしまう」という瀬戸際において、「自分の命の使いどころはここだ」と覚悟を決め、顔と名前を出して本気で戦う彼女は英雄だと思うし、尊敬します。
皿:すごい覚悟ですよね。
カ:だけど私は本当は嫌なんですよ、まだ働いてもいない子供が命をかけるのは! よしりんがギャグっぽく描いていますが「パパはお前の花嫁姿がみたいんだ」という感覚は分かります。アグネスさんは、十分戦ったんだから、もう無理はしないで欲しいです。
◆◆◆
た:香港の問題について、正直、特に注目をして来なかったですが、アグネス・チョウさんという人がこういう活動をやっているということを、今日、よしりん辻説法を読んで初めて知りました。それで、似顔絵が可愛い人なので、実際はどんな人なんだろうと思ってネットで検索して調べてみたら、この似顔絵の雰囲気のまんまでした。
カ:めっちゃ可愛いですよね!
た:こういう人が、こんな命懸けの活動をしているというのは、本当に凄いことやなあとしか言いようがないです。日本は「人権を奪われるから命懸けで抵抗する」みたいなシチュエーションを実感することができないからか、「外出禁止や休業を強制できる法改正案」に賛成するという人が62%もいるんですよね。
カ:香港人と日本人で、自由や人権が侵害されることへの危機意識がまるで違う。
た:アグネスさんはこれまで命懸けで戦ってきたから、もう国外とかに脱出しても全然いいと思うんですけど、アグネスさんが今後どういう道を選んでいくのか、彼女の生き様はもう見守るしかないですね。
カ:アグネスさんはオタクを自称してて「Fate(フェイト)」が好きだって言ってました。私はスマホゲームのFateが大好きだから、もしかしたら気が合うかもしれんなあ、なーんてバカなことを考えましたね(笑)
皿:小学校6年の頃から日本のポップカルチャーやアニメが好きでオタクを自認し、って描かれてましたけど、つまりそういう普通の若者の一面があるということですよね。
た:そうですね。
皿:普通の若者としての一面もあるんだけど、中国共産党に呑み込まれようとしている香港に生きていて、巨大な権力に必死で抵抗しているという側面もあって、日本の若者と同じような一面も持っているんだけども、覚悟がそこで違うというのがありますよね。
カ:まったくその通りですね。日本に住む我々と同じカルチャーを好きになったりしてるのに、まったく違う生き方をしている。顔と名前を出して命懸けで戦える日本人なんて、ごく少数です。少なくとも私にはできません。
た:それにしても、日本に近い外国で、こんなことが起きているんだと恐ろしく感じました。
◆◆◆
皿:もしかしたら違うかもしれないんですが、よしりん先生は、僕らの前回の感想会でカレーさんがジャッキー・チェンのことに言及してたから、今回の章を描いたのかなあ?なんて思ったりしたんですが。ファンの勝手な思い込みですが(苦笑)
カ:さすがにそれは無いですよ(笑) だけどジャッキー・チェンに関してはアクションスターとしては大好きだけど、政治的な発言で中国共産党寄りだったり、チベット弾圧まで肯定したり、私自身「一体どのように考えたら良いだろう?」と悩んでいました。ところが、今週の辻説法で、よしりんは「あいつ中共に媚び売ってるから今は嫌いだ」とあっさり言ってて、なんだか気持ちがスッキリしました。
皿:僕もカレーさんと同じく、ジャッキー・チェンの主義主張は嫌いですね。でも映画スターとしてのジャッキー・チェンの作品で今までたくさん楽しんできたのは事実だし、その面では嫌いになれないというところもあるんですよね(苦笑)
カ:芸能面の好き嫌いと、政治面の好き嫌いは、分けて考えるべきなんだろうけど、ときに感情が交差しますね。
皿:あと、よしりん先生が20年以上前までは香港によく旅行していたとありましたが、確かに、過去の「ゴー宣」でも描いてましたよね。
カ:「おぼっちゃまくん」の単行本にも、よしりん企画で香港に行ったという話がありました。
皿:ゴー宣では、新ゴーマニズム宣言4巻の第46章「植民地・香港は中国のたまごっ地になる」ですね。今回の辻説法のコマの中にもありましたけど、サモ・ハン・キンポーとカンフーの真似事して遊んだとか、ブルース・リーやジャッキー・チェンを育てたレイモンド・チョウと対談したとか、これはたぶん「格闘お遊戯」の頃の話ですよね。僕は12歳くらいの頃に漫画を読んでました。
カ:流石! 皿うどんさんは、よしりん漫画の生き字ですね(笑)
皿:「格闘お遊戯」っていう漫画のタイトルがそもそも、ブルース・リーの「死亡遊戯」のパロディみたいなタイトルでしたからね。なので漫画を読んでた当時、子供心に「小林よしのり、ブルース・リー好きなんやなぁ」って思いながら読んでましたもん。あと昔は漫画の雑誌の最後の通販のコーナーで、ヌンチャク売ってましたね。
カ:通販でヌンチャクね(笑)少年ジャンプの広告であったかもしれない。
皿:友達にはそれでヌンチャク買っちゃったやつもいましたし、買えないやつは、家にあるもので「なんちゃってヌンチャク」とか作って遊んでましたね。
カ:うちの兄貴は後者の方ですね(笑) 近所の木材屋で円柱型の木ぃ買うてきてね。糸のこぎりで切断して、ドリルでフックを取り付けて、自作の木製ヌンチャクを作ってましたよ(笑)
皿:ブルース・リーのモノマネをみんなやってましたもんね。
カ:こればっかりは男子のサガなんですよ! 「ブルース・リーのモノマネ」をするのが男の子、しないのが女の子! ジェンダーフリーを実現したい人たちに教えてあげたいねぇ(笑)
た:いやいや、例外もあるでしょ(笑)
皿:ブルース・リーやジャッキー・チェンは子供の頃は憧れの対象であったんですけど、ジャッキー・チェンの方は残念なことになっちゃいましたからね。
カ:ジャッキー・チェンの中共寄り姿勢はホントに残念!
皿:同じアグネスでもアグネス・チャンの方も中共寄りみたいなのでそこは残念ですよね・・・。
◆◆◆
皿:改めて思うのは、日本人は戦後どんどん牙を抜かれているんですよね。それは自分達も含めて。自由を奪われたり蹂躙されたりするかもしれないという状況が実感として無いから、危機感がどんどん希薄になってしまうし、お上にすっかり身を預けて生きても何も困らないぐらいの意識になっちゃってる。
た:そうですねぇ・・・。
皿:「国家安全法」への反対ということで言うと、日本でも山尾志桜里議員などが頑張って訴えているみたいですけどね。そういうふうに主体性を持って動く人がいて、それを支持する人もいるにはいるんだけど、やっぱり日本人の多くは他人事みたいになっちゃうんですよね。
カ:今回のよしりん辻説法を通じて、関心を持ってくれるといいですよね。私たちだって、小林よしのり先生の作品を通じて関心を持ったというところがあるわけですから。
◆◆◆
皿:今回の辻説法のギャグに関してはどうでしたか?
た:「いっぱい、にはい、さんぱい、しんぱ~~い!」という新ギャグがありましたね! 何やかんやでギャグが随所にあって、そこが「よしりん辻説法」の楽しみですよね。
皿:「安堵ーナツ!」も定番化してきましたね。あとはよしりんのマスクが眼帯みたいなのも笑いました(笑)
た:最初はペットボトルのでっかいのみたいなのを被ってましたよね(笑)
皿:これはフェイスシールドをおちょくった描き方ですかね?(笑)
え:今回の「疑惑の惑星」は、特に気持ち悪い星やなあって思いました(笑)
カ:この惑星にだけは移住したくないね! 今まで登場してきた「疑惑の惑星」を並べて不人気コンテストを企画したいな(笑)
皿:「一番気持ち悪い疑惑の惑星コンテスト」ですね(笑)
皿うどん (金曜日, 24 7月 2020 01:46)
>和ナビィさん
私もヘタレで甘い現代の日本人ですが、
それでも、風邪でここまで自由を簡単に手放そうとする大衆の様を見て、
これはやっぱり声を挙げなければならないのか、と思っています。
現在の日本国民には学級民主主義が蔓延していて、
非常時とか緊急時も「ごっこ」感覚がどこか抜けきれないんでしょう。
それは実感がないから。
実感を伴って初めて、自分達が置かれた状況を把握するというか、
お上を信用し過ぎるあまり、お上に従順すぎるあまり、どうしても呑気に映ってしまいますね。
アグネス・チョウさん、私も若い彼女には未来があるのだから、それを忠告共産党ごときに絶たれてしまいたくないですね。
国外脱出でも何でもして、生き延びて欲しいです。今まで命懸けで戦ってきた彼女を含む有志には、その資格があると思います。
我々レベルではとても体験できないような切迫した状況を生き延びてきたのですから。
和ナビィ (木曜日, 23 7月 2020 22:54)
>日本は「人権を奪われるから命懸けで抵抗する」みたいなシチュエーションを実感することができないからか、「外出禁止や休業を強制できる法改正案」に賛成するという人が62%もいるんですよね。(たっちゃん)
仰る通り、本当にこの賛成多数には唖然!;;です。「法は権力を監視し縛るためにある」なんていう概念は「ポカーン゜゜゜何?それ」の世界が日本なのだと思います。
実は、これをようやく意識したのはゴー宣道場で重ねられてきた議論のおかげです;、自分も甘い日本人・・・。
ニュースなどで、“今日の感染者数”(検査数は伏せて分子のみの人数!)を挙げて街頭インタビューすれば、放送局のご期待通り?!の反応ばっかりでウンザリです。
曰く「えーっ、感染がそんなに増えてるんですねぇ、怖いです・・」「もっとちゃんと基準を出してもらわないとどうしたらいいのか分かりません」「今GOTOは早すぎるんじゃないでしょうか」。
-----「『みんなのきまり』を作ってみんなを縛ってくださーい」「私達の行動をお上が決めてくれないとどうしていいのかわかりませーん」という調子なのです。≪自らに由る≫ものが無い。
中国という自由も人権も無い大国が覆いかぶせた「国家安全法」という【法】の恐ろしさを心底体感している香港の人々。その先頭に立って力の限り戦った周庭。彼女に向かって
「もう香港は捨てて日本に移住しなさい! いっそのこと日本人になりなさい!」
と叫ぶよしりんの≪必死の形相≫の迫力が凄いです::。そしてその将来を心から案じる優しさが凄いです。中国の権力の規模、そのやり口のパターンを知れば、汗と涙を流しながら彼女にこう勧めるしかないと思います。