手料理47●ドウマンガニ

ドウマンガニ


ゴー宣レストラン

 

第47

ドウマンガニ

(投稿者:ハックスレーさん

 

浜名湖産のノコギリガザミです。

遠州地方では、ノコギリガザミの事をドウマンガニと呼びます。

本種の生息北限は浜名湖で、味が最も芳醇と言われています。

 

浜名湖のドウマンガニは2018年から国の地理的表示保護制度により、静岡県で3番目の農林水産物のブランドに登録されており、500g以上を超える個体には、浜名湖ドウマンのタグが付けられ、それ以下はトゲノコギリガザミと呼ばれるようになります。

 

本種は世界最大のワタリガニとして知られ、世界的にも有名な高級食材です。

 

この個体は587gの雄、価格は7800円。

中には重さ3キロの記録があります。

 

ノコギリガザミは漁獲量が少なく、地元の高級料亭や高級居酒屋では高級ガニとして提供されていて、地元の人でも存在は知ってるけど、食べた事が無いと言う人が居る程、高級で希少なカニです。

 

雄個体は巨大な鋏脚を持っており、大型個体になると、その握力は最大で800キロになります。

 

挟まれると指の骨が粉砕されるのは間違いないでしょう。

人によっては挟まれた時のショックによって、めまいや激しい嘔吐を引き起こす場合もあります。

実際、フロリダには淡水性の毒ガザミが生息してるらしく、挟まれた人によれば、挟まれた箇所がぶんぶん腫れてきたそうです。

 

本種に竹の棒と金属パイプを差し出して、鋏でのパワーを試したことがありますが、前者はバキッと粉砕。

後者もへし曲げられました。

恐怖すら感じる結果でした。

 

背中から持つと可動域が狭く、鋏脚が届かないのですが、興奮した時の鋏脚の繰り出しはボクサーのジャブ並みに速く、非常に危険で侮れません。

 

浜名湖の市場に水揚げされるドウマンガニは漁師さんにより、鋏脚を甲羅に押しつけるように縛る事が市場以降の流通での安全の為に義務づけられています。

この巨大な鋏脚で二枚貝や巻貝を破砕して捕食する際に役立ちます。

泥の中に巣を作り、巣の周りには餌として貝を貯蔵し、寿命は満2年。

 

大型になる本種にしては成長は著しく早いです。

殻が非常に硬く、鋏脚に至ってはハンマーで殻を割って食べる必要がありますが、その味は他のカニよりも濃く、磯の香りが強いです。

鋏脚には肉がぎっしり詰まっており、食べ応え抜群でした。

 

《調理の過程》

 

《台北市で食べた炒め料理》




コメント: 4
  • #4

    和ナビィ (月曜日, 14 9月 2020 09:50)

    赤くなるのはその色素のせいなのですね。
    「アスタキサンチン」、どこかで聞いたなぁ・・と思ったら化粧品でした。年配になられた有名女性歌手や女優さんのCM、赤い容器に赤いジェル。「年齢を重ねた肌に引きおこされる悩みをしっかりケア」だそうな。カニやエビから抽出したんですかね。
     ツルツルピーンと美しくなるとのことですが、もしかして材料がヘイケガニだったら・・・こわ;。

     それから以前テレビでだったか、バイオリンを作る時、カニ由来の成分を含んだ塗料を使うととても響きのよい楽器になると聞いたことがあります。やっぱりハリのある音色が得られるということでしょうかね。

     カニやエビの色素、---いカニもパリッとハリを持たせる効能がありそうな感じがしますが、いかなる“エビ”デンスによるものでしょうか。

  • #3

    ハックスレー (土曜日, 12 9月 2020 19:40)

    ぷーさんへ。
    コメントありがとうございます。
    そうですね、カニは蒸すのが最高の調理法、背中を下にして蒸すのがポイントです。
    個体の大きさにもよりますが、約30分蒸すと完成です。
    実はノコギリガザミは本土でも房総半島以南の暖流に面した地域に分布してます。

    和ナビィさんへ。
    実はエビやカニは全体を見渡すと鮮やかな赤色をした種は意外に少ないのです。
    エビやカニは茹でるとほとんどの種が赤くなります。
    これはアスタキサンチンと呼ばれる色素が関係してます。
    アスタキサンチンは加熱される前にはたんぱく質と結合した状態です。
    その時は緑色で、熱を加えられるとタンパク質とアスタキサンチンが分離されると赤色に変化します。
    それが赤くなるメカニズムです。
    ゴーマンガニ‥‥すみません。
    爆笑してしまいました。
    世界最強最大のワタリガニには、ぴったりな呼び名と思いました、笑。

  • #2

    和ナビィ (土曜日, 12 9月 2020 09:39)

    カニ、タコ、エビなどは、茹でたり蒸したりすると鮮やかに色を変えるのですね。「ドウマンガニ」も元々はこういう色と知りました。
     イカはいかに?!。---海の近くの鮮魚屋さんにあったプリプリなのは生で赤かったです(翌日は白っぽくなってました)。こういうものたちの色って不思議ですね。

    「ドウマンガニ」と聞いたら音から「ゴーマンガニ」って思い付きましたよ(^-^)b☆。ガシッと挟んだら容赦せぬ。その力は物凄く骨をも砕く。そして“たしカニ”味わい深い。

  • #1

    ぷー (木曜日, 10 9月 2020 23:05)

    ノコギリガザミって沖縄(って言うか、八重山?)のイメージですが、
    本州にも居るんですね。初めて知りました。
    それにしても、贅沢な食べ方ですねー 笑