人を喰う魚達
ゴー宣読者のニッチ日常
第8弾
人を喰う魚達
投稿者:ハックスレーさん
天気の良い昼間、ある女性と一緒に門司港レトロを散策しておりました。
立ち寄った海峡プラザで目に入ったのが、魚によるスキンケアで、興味が湧いて飛び込みました。
10年前に一役有名になった、「ドクターフィッシュ」こと、Garra rufaによる角質除去のスキンケア。
学名は面倒なので、ここでは仮和名で「ヒトナメウオ」にしておきます。
ヒトナメウオはコイ科のグループに属し、故郷はトルコ、イラン、イラク、シリアです。
中でも有名なのは、トルコ中央東部の高地都市カンガルの郊外にある、バルクル・カプルジャという温泉です。
温泉は療養のためでもあり、トルコは温泉大国ですが、バルクル・カプルジャは世界中から慢性皮膚疾患者が療養に訪れるそうで、温泉の水温は37℃と低く、長時間入浴できますが、そこに棲むヒトナメウオが、患部をつついて少しずつ齧りとり、同時に細かくマッサージしてくれるそうです。
長期逗留して皮膚をきれいにしていく客のために、温泉療養地の宿泊費は安いらしいです。
何故、この習性を持つのか?と思って調べると、高地で涼しいのに、川も水温が高いらしく、水は透明で貧栄養で、その割に魚影は濃いみたいで、餌が必然的に少ない為、人の皮膚を栄養源にしているのでしょう。
どうやら温泉プールだけでなく、人間が入浴していない川でも、手足を浸けたりするとたちまちにわらわらと魚が寄ってきて皮膚をつつくそうです。
ここらの魚の、いわゆる「文化」でしょう。
野生の魚で、ヒトにたかってくるという習性を先天的に持つ種がいるとは思えないからです。
さて、解説はここまでとして、靴と靴下を脱ぎ、足を洗って、水槽に浸かります。
すると、魚がたちまちにして集まってきて皮膚をつつきます。
コイ科魚類の本種は、タイやヒラメみたいな顎歯を持ちません。
なので、舐められても痛くはなく、皮膚表面をツツツツ‥‥と舐めるように齧りとっていきます。
終了後、肌がツルツルになった感が確かにありました。
お店の女主人によると、コロナ自粛で大変な思いをしておりました。
女主人はコロナ脳ではなく、京都大学の上久保教授の話を口にしてくれて、びっくりポンでした。
余談ですが、自粛期間中に、魚が繁殖していたらしく、小型個体も目に付きました。
※参考資料
月刊アクアライフ2005年9月号(マリン企画)
〜トルコの文化と動物〜モザイック・トルコP172
※アクセス
門司港レトロ 海峡プラザ
フィッシュスパ【ドクター・キッスフィッシュ】
〒801-0852 福岡県北九州市門司区港町5-1
15分で1080円。
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和ナビィ (土曜日, 06 3月 2021 19:05)
お湯の中で?生きている魚がいるんですね(@o@)!。
写真を拝見して、そのおみ足をツンツン舐める感触を想像するとウヒャヒャッ;;となりそうです。くすぐったくてつい足をバタつかせたらかわいいお魚をビックリさせちゃうでしょうね。
「人を喰う魚」と仰るから、ピラニアなんかを連想してしまいました。水槽にもしもソレが泳いでいたら・・・なんて骨体;。