第3話 いいなケツぶぁい!
アニメおぼっちゃまくんの「第3話 いいなケツぶぁい!」の感想対談です。
え:えみりん(女性・茶魔のイラストを描くのが得意)
カ:カレーせんべい(男性・茶魔語を創作するのが趣味)
第3話
【いいなケツぶぁい!】
え:御嬢沙麻代ちゃんの初登場回でした。
カ:沙麻代ちゃんって、アメリカに留学をしていた帰国子女だったんですね。
え:話し方も英語混じりで、日本語はちょっとなまってましたね。
出典:小林よしのり「おぼっちゃまくん文庫本第1巻」
「いいなケツが来たぶぁい」
カ:沙麻代ちゃんは、はじめから茶魔が苦手で、柿野くんのことがタイプで、好きだったんですね。
え:そうですね。いきなり柿野くんのほっぺにキスしてましたもんね。
出典:小林よしのり「おぼっちゃまくん文庫本第1巻」
「いいなケツが来たぶぁい」
カ:最初に柿野くんのことを「許嫁の茶魔」だと勘違いしたんですよね。はじめて「本物の茶魔」を見た時の、沙麻代ちゃんの失望はすさまじかった〜(笑)
え:自分の許嫁だからカッコいい人を想像してたんでしょうね。
カ:確かにね。御坊コンツェルンは日本一のお金持ちだし、「日本一のお坊ちゃま」というイメージがあったんでしょうね。
え:想像の茶魔と本物の茶魔は、あまりにかけ離れていたわけですね。
カ:それは「おぼっちゃまくん第1話」を見た時の読者と同じように、ショックだったことでしょうね(笑)
え:しかも沙麻代ちゃんはお金持ちだから、「お金目当て」で結婚するタイプでもないしね。
カ:なるほど。
え:「お金持ち」以外の魅力を持っている人が良いですよね。
カ:そう考えると、お金持ちの人ほど、お金にこだわらずに結婚相手を選ぶのかもしれませんね。
◆◆◆
カ:えみりんさんは沙麻代ちゃんについて、どんな印象を受けましたか?
え:自分の意思をハッキリ伝える子だなと思いました。それはアメリカから帰ってきたということもあるかもしれないけど。
カ:確かに。僕も沙麻代ちゃんは「自立している女性」という印象を受けます。
え:みんなの前で柿野くんのこと好きって言ってるしね。
カ:好きな人を堂々と言えるのは、すごいなぁ。
え:茶魔との許嫁解消宣言もしました。
カ:これは茶魔がかわいそう!みんなの前で振られてね。
え:ホントだね!それで泣きながら家に帰って、お父ちゃまに赤ちゃんみたいにあやされていたのは笑った。
出典:小林よしのり「おぼっちゃまくん文庫本第1巻」
「いいなケツが来たぶぁい」
カ:あはははは。これは爆笑しましたね!「お~~かわいそう。」「お~~つらかろう。」「お~~悲しかろう。」って、すごい甘やかしだ。
え:だけど、その後、割と厳しく命令してたね。
カ:そうなんです!!「よし、茶魔。もう泣くのはやめろ!」「お前も男なら、自分の力で沙麻代ちゃんをふりむかせてみろ!」と言ってる。表情も口調も別人ですね。
出典:小林よしのり「おぼっちゃまくん文庫本第1巻」
「いいなケツが来たぶぁい」
え:「アメとムチ」だ。
カ:そうですね! 冷静に考えてみれば、お父ちゃまは、結構、スパルタ教育なんですよね。
え:確かに、小学生に対して、厳しいですよね。
カ:実はお父ちゃまは、茶魔のことを一人前の男として扱っているんです。
え:なるほど〜!赤ちゃん扱いから、一人前の男扱いと、振り幅がすごいですね!
カ:アメとムチ。赤ちゃん扱いと一人前の男扱い。それがお父ちゃま・御坊亀光の教育論なんですね!!
◆◆◆
え:茶魔は沙麻代ちゃんの気を引くために高価な物をプレゼントするわけですけど、沙麻代ちゃんはお金持ちのお嬢様なんだから、ありきたりのプレゼントは全部持ってるんですね。
カ:「なんでもカネで解決」が通用しない相手だ。
え:プレゼントを渡す時の茶魔のセリフに笑いました。
カ:「美しい愛、けがれない愛、清らかな愛、その証ぶぁい」って、全部、物じゃねーーかよ(笑)
え:物で釣ろうとしてる!(笑)
カ:プレゼントの渡し方も、ショベルカーで教室の窓をぶち破って、プレゼントの山をなだれ込ませたのも無茶苦茶だよ(笑)
え:どうせ渡すにしても。普通に渡してよ(笑)
◆◆◆
カ:茶魔の次なる作戦が「チンピラの役者を雇って沙麻代ちゃんを襲わせて助ける」という自作自演だもんなぁ。
え:前金で100万円渡してる!お金でチンピラ雇うなんてお父ちゃまが泣くよ。
カ:いや、あのお父ちゃまなら許すだろうな。それもまた「自分の力」なのかもしれない。
え:え~~~!
カ:そして雇ったチンピラが、これ、どう見ても「北斗の拳」なんだよね(笑)
え:北斗の拳に出てくる雑魚キャラにそっくり! 思ってたチンピラと違った。
カ:なんかモヒカンまでいたしね(笑)
え:なんで茶魔は弓矢なんて持ってたんだろう?
カ:茶魔が思い描く「救世主像」なんだろうね。上半身ハダカ、背中に弓矢(笑)
え:結局、弓矢使ってなかったような・・・。
カ:そもそも茶魔は弓矢の使い方を分かっていなかったんです。
え:茶魔の攻撃が「つねる」ってのがおもしろかった!
カ:自作自演で好きにできるはずなのに、攻撃がいちいち弱々しい。助太刀の柿野くんの方が、激しい攻撃だったね。
え:これじゃあ沙麻代ちゃんは、ますます柿野くんを好きになるんじゃないのかな?
カ:ところが、沙麻代ちゃんは「もう一度許嫁になることを考え直す」と言ったわけだから、この自作自演は功を奏したわけです。ここがちょっと不思議なんですよね。
え:やっぱり女の子は、自分を守ってくれる強い男の人が好きなんだろうね。
カ:なるほど!結局アメリカ帰りで、意思の強い女性の沙麻代ちゃんでも、守ってくれる男が好きなのかー。
え:どんなに気の強い女の子でも「守ってくれる男の人が好き」という感情は持っていると思うよ。
カ:やはり男たるもの「頼りがい」を女性に見せなきゃいけないわけだ!
え:茶魔もそれがわかってたんでしょうね。
カ:手段が姑息で卑怯だけどね(笑)
え:どんな手を使ってでも、好きな人を振り向かせたかったのなら、好きだと言う気持ちは本物ということですよね。
カ:それはすごい意見だな!
え:そうかな?
カ:いやでも確かに。現実世界の男も、リッチなレストランや高級ホテルを使って女性を口説き落としますね。それは「演出」という意味において、茶魔がやった「自作自演」と全く同じ意味かもしれないです。
え:そうそう。「自分のためにここまでしてくれる」って言うのが嬉しいんです。
カ:な、なるほど!勉強になります。
え:きっと、その気持ちが、少しだけ沙麻代ちゃんに伝わったんだね。
カ:そのように解説されると納得だなぁ。
◆◆◆
カ:柿野くんが弓矢を使ったけど、アニメ版ではチンピラの髪の毛を削ってたけど、漫画版ではデコに突き刺さってました(笑)
え:えーー、死んじゃう!(笑)
カ:弓矢が頭に刺さるのは、アニメでは自主規制したわけなんです。
え:残酷すぎる!
カ:いやいやデコに矢が突き刺さっても死ななかったです(笑)
え:ギャグなんですね(笑)
カ:デコに矢が刺さったから、チンピラは割に合わないと主張して、茶魔はもう100万円上乗せしたわけです。
え:なんか安く感じる~。
出典:小林よしのり「おぼっちゃまくん文庫本第1巻」
「いいなケツが来たぶぁい」
カ:実際にデコに矢が刺さったら、100万円でも安いか(笑)
え:茶魔の依頼は命懸けやね(笑)
カ:とまぁ、アニメ版の「矢が髪の毛を削る描写」と比べると、「漫画版のデコに矢が突き刺さる方が面白い」ことは明らかです!!
え:力強く断言しましたね!
カ:私も大阪人の端くれとして【笑いの価値の序列】を見誤ることはしません!
え:すごい自信(苦笑)
カ:この世の中、権威や忖度が事実を捻じ曲げるという八つ墓村的なアンフェアだらけなんです! 本当に一人残らずインチキなヤツらばっかりですよ! しかし笑いに関しては「面白い」か「面白くないか」という真実がハッキリしている! あえて言えば、もはや笑いだけがフェアな世界なんです。
え:そう考えると、アニメ版の自主規制はもったいないですね。
カ:そうなんです。残念ながら、これがテレビの限界なんでしょうね。
◆◆◆
カ:考えてみれば「いいなけつ」もすごいギャグですよね!
え:いきなりお尻スリスリされるなんて。しかもわざわざズボンぬいでね。
カ:許嫁なんだからそれくらいOKなんです。
え:それもすごい言い分ですけどね(笑)
カ:たった今、気づきました! 西洋人があみ出したとされる結婚前に純潔を守るための禁欲として「ペッティング」。これを暗示したギャグこそが「いいなケツ」なんですよ!!
え:違うと思います。
カ:私の力説、一刀両断やな。君はもう少し私に忖度して、事実を捻じ曲げてもいいじゃないかなぁ?(苦笑)
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