≪議論≫糞口感染をメインルートというには証拠が足らない?

投稿者:うっしーさん

  

井上正康先生はとても博学で論理的に話されると思います.ほとんどの意見に同意しますが,ただ,糞口感染をメインルートというには証拠が足らない.

(宮坂先生のように一言のもとに否定するのは論外で,けっして宮坂先生を弁護するわけではないです.むしろ全体的には私は井上派,小林よしのり派です)

 

便からコロナウイルスのRNAが検出されることは間違いないが,

WangらがJAMAに2020年に報告したletter (Detection of SARS-CoV-2 in different types of clinical specimens)では,便からコロナRNAが検出されたのは44/153例29%,喀痰は75/104例72%としている.

 

ご存知のように,RNAはウイルスの死骸みたいなもので感染性の証拠にはならない.

そこで,Wangらはウイルスが多そうな20例を調べて便から感染力のあるウイルスが検出されたのは2例のみであった.

 

これは考えてみれば当然のことで,コロナウイルスがACE受容体を介して感染するのはエンベロープという脂質の膜にあるスパイク蛋白を使う.

ところが,エンベロープというのは脂質であるが故に,アルコールや洗剤に弱く,すぐに感染性を失ってしまう.

腸管内には膵液や胆汁酸など強力に脂質を分解する酵消化液が存在するため,便中にコロナウイルスが出たとしてもそれは失活するのが普通なのである.

 

豚コロナウイルスは糞口感染すると言われているが,それは豚舎という極めて不衛生な環境にあるからである.

下水道の発達した近代国家で糞口感染がメインになるとは考えにくいと思います.

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

まずは、うっしーさんが「新型コロナの感染メインルートは糞口感染というのは考えにくい」という意見を「BECAUSE」を添えて投稿して頂いたことに感謝申し上げます。

 

そして教えてくださった、WangらがJAMAに2020年に報告したletter (Detection of SARS-CoV-2 in different types of clinical specimens)を読んでみました。

 

私は英語が読めないので、不完全な日本語自動翻訳を利用して読みました。

 

その翻訳では、「重要なことに、生ウイルスは糞便で検出され、SARS-CoV-2が糞便経路で感染する可能性があることを示唆してい(る)と書かれています。これはまさに糞口感染の可能性を示すものです。

 

 

うっしーさんは、

>Wangらはウイルスが多そうな20例を調べて便から感染力のあるウイルスが検出されたのは2例のみ

 

とおっしゃいますが、それは私が読んだレポートの解釈とはズレがあるようです。

以下の通り、そのまま引用します。

 

20人の患者が2〜6個の検体を同時に収集しました

ウイルスRNAは、6人の患者(呼吸器検体、糞便、または血液)の単一検体で検出されましたが、7人の患者は気道検体および糞便(n = 5)または血液(n = 2)でウイルスを排泄しました。

下痢を起こさなかった2人の患者からの便サンプルで生きたSARS-CoV-2が観察されました。

 

私は、このレポートの信ぴょう性については判断しようもないのですが、ただこのレポートを読む限りは、「糞口感染を示唆する内容」であっても「糞口感染を否定する内容」だとは読み取れませんでした。

 

 

・・・

 

 

ところで私には医学の論文を読み解く力はありません。

そんな私でもできることは「データを集めて事実を分析すること」です。

 

 

私は新型コロナの感染ルートが糞口感染ではないかと疑っています。

 

その根拠(BECAUSE)は「ダイヤモンド・プリンセス」の船内環境調査で、感染者が利用した部屋のトイレの床や枕、テレビのリモコンなどから高い頻度でウイルスの遺伝子が検出されたからです。

 

 

読売新聞の記事(2020年5月4日)

ウイルス検出多いのは「トイレ床」「枕や電話機」「TVリモコン」…クルーズ船感染者の室内

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200504-OYT1T50093/

 

 

一方、飛沫感染を否定する根拠としてはフィリピンパブで、男からコロナを感染させられたホステスのニュースをピックアップさせて頂きます。

 

がん患う中で感染し“外出”か…「ウイルスばらまく」50代男性が死亡 訪れた飲食店のオーナーも驚き

https://www.tokai-tv.com/newsone/corner/20200318-baramakishibou.html

 

 

横に座り接客に当たる女性店員。

肩に手をまわし、時には手を握り…。

この日、20分ほど男性を接客しましたが、感染したのはこの女性ではありませんでした。

 

 

店員に促され、男性は席へと向かいます。

その2分半後、ソファーに座った女性店員。

化粧などをしたあとソファーを離れました。実はこの女性店員に感染が確認されたのです。

 

 

もしコロナ感染のメインルートが飛沫感染と仮定した場合、20分も接客したホステスが感染せずに、すぐに男から離れた化粧をしていたホステスが感染するのは不自然な話です。

 

感染した女性とこの男は「トイレを利用した」のだと私は推理しています。

 

 

以上2点が、私が新型コロナ感染のメインルートが糞口感染ではないかと疑う根拠になります。

 


 

 

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コメント: 3
  • #3

    ペチカ (金曜日, 12 11月 2021 23:54)

    飛沫とか空気感染がメインルートなのか、或いは糞口等による接触感染なのか、、、個人的には井上先生の説を最初に聞いた時は、おぉ、その見方もあるか、と妙に納得しましたが、、、苦笑

    まぁ色々勉強したりしてきて思うのは、そもそもの大問題がPCR検査による新型コロナに感染していますよという確定診断方法なんですよね。

    ここが間違っているともうすべてが意味をなさない、それで相当程度意味をなさない公のデータに振り回されているのではないかと勘ぐっています。

    つまり、PCR検査の確定診断(サイクル数を含む)が間違っていて、本当はインフルエンザや別の感染症を発症している人からたまたま新型コロナとされるプライマーに合致する旧コロナ等のウィルスの断片を見つけてしまったりすると、この人は新型コロナ感染者です!となってしまうが、、、実は別の感染症だったり、、、

    だから今言われている感染ルートとか新型コロナとされる患者も実はいったい何の感染症なのか本当は分かっていないのではないか?と自分は勘ぐっています、、、

    なぜなら、新型コロナとされるものに感染して死亡した人の解剖は変死とか異常死でもないかぎり日本では行われていないようですし、実際イタリア?やドイツ?とか、ニューヨークもあったかな、、そのあたりで、一旦新型コロナで死亡しました、とされる人の遺体を解剖して改めて死因を調べたら実は全然違う病気だったって事がかなり高い割合で判明したという記事をどこかで見た記憶があって、、、

    それがどの記事だったのかは失念してしまったのですが、それで改めてざっと検索してみてドイツの記事は見つけました、まぁこの記事の概要は新型コロナ死とされるものが実は別だったという趣旨のようですが、、、有料会員のみ全文読める、、、苦笑

    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80853

    探せばきっと他にもあると思いますが、つまりそれだけ新型コロナですよと確定診断されたものがかなりずさんだったかという事だ、、、

    だから、インフルエンザが消滅した、、、等と言っている部分は自分は少々懐疑的で、、、ウィルス干渉というものも確かにありそうですが、、実のところは間違って診断されていたり、単に新型コロナだ!って思いこんで、インフルエンザを調べていないだけじゃないの?っていうのも結構あるのではないか?と見ています、、、

    だから、死亡した患者をキッチリ解剖すればいいんですよ、しかもちゃんと見分けられる能力のある解剖医が行う、これは必須(ここが怪しいんですが、、苦笑)、それで一発でわかる、まぁWHOがするなって言っているようですし(笑)費用も人員も限られている云々の言い訳でやらないでしょうけれど、、、

    つまり、PCR検査などと言う臨床現場に合わない検査方法は副次的に利用する程度で、もっと別の方法で確定診断するべきなんじゃないのか?と思っています、、もう殆ど手遅れでしょうけれど、、、苦笑

    それで、確実な方法で間違いなくこの人はまぁ所謂SARS_CoV_2に感染して発症していますよ、となったら、重傷者は無理でしょうけれど、症状が重くない患者に協力してもらって、その人からウィルスがどの様に伝搬していくのか等々徹底的に観察して調査してみれば分かるんじゃないですかね?、、、これは去年からずっと思ってたんですけどね、、、

    それを一定規模の人数でやれば一定程度の信頼性はあると思うんですけど、、、所詮素人考えなんですかね、、、

    という事で、正確なデータとか信頼性が怪しいもの(査読された論文!(笑)さえも信頼できないモノがある、、、)を元に色々議論してみても、不毛な気がしちゃうんですよねぇ、、、

  • #2

    うっしー (日曜日, 07 11月 2021 09:24)

    この論文は,
    糞口感染がありうることを示したものですが,メインルートになることは示していません.
    生きたウイルスは便中からは2例でしか検出されなかった.分母は20か40かわかりませんが,ウイルスRNAが検出されても90%以上は感染力はないということです.
    論文の筆者らは,あれ便からRNAが検出される?,感染力はあるかなということで,便中のウイルスを培養細胞にかけて調べたら2例では感染力はあったということです.喀痰や唾液は実験するまでもなく感染力のあることは自明なので行わなかったということです.推測ですが,おそらく50%以上で感染力はあるでしょう.
    プリンセス号の話ですが,便中にRNAは出るので,トイレからも検出されるでしょうがそれは生きたウイルスではありません.理由は最初の投稿に示した通り,便中のウイルスの大部分は胆汁や膵液で不活化されるからです.
    フィリピンパブの話は先のニコ生でも出ていましたが,糞口感染の証拠にはならないと思います.空気感染ではなかったかもとは示唆されますが,感染源の男性が使用したグラスを触ったり,テーブルを触ったりした飛沫感染の可能性の方が高いと思います.男性がその時たまたま便意を催してその店で大をしたのでしょうか?また,隣にいた女性は暴露されてもたまたま発症しなかったということも十分考えられます.(家庭内感染は20-30%ですから,暴露されても70%は発症しません)
    糞口感染がメインなら,ライブハウスのクラスターで感染した人は,皆,ライブ途中に便意を催して洋式トイレに入ったのでしょうか?そんな男性は少ないと思います.

    糞口感染メインに固執することは,井上氏や小林氏の大きな弱点になりうると思います.
    是非,井上先生の意見をお聞きしたいと思い投稿しました.
    採用いただきありがとうございました.

  • #1

    モコチ (日曜日, 07 11月 2021 06:46)

    科学としてウイルスを理解するために
    感染ルートを議論するのはとても有意義だと思います。

    この感染ルートの議論が導き出す答えというのは感染予防対策です。
    つまり、感染しないためにはどうすれば良いか、そのための議論です。
    つまり「マスクは意味があるのか?」という科学的根拠の一つになると思います。

    脇から色々言うのもアレなんですが…
    この感染ルートの話は「感染しないため」を前提に置いた議論です。
    感染したところでリスクが低い大部分の人達にはどれほどの意味のある議論なのか?
    ワクチン打つより自然に感染した方がリスクが低いのに感染ルートを把握することにどれほど意味があるのか?という疑問がどうしても浮かんでしまいます。

    メインルートとサブルートは単一の条件の下、それぞれにその順位が確定するでしょう。
    歯周病等口内環境が良好な方とそうでない方
    腸内環境が悪い方と良い方
    ウイルスの排出量とその後の環境
    紫外線に晒される環境か否か
    ウイルスが付着した箇所の材質は感染力の維持にどう影響するか
    ウイルスにとって感染力を維持できる温度か否か
    湿度は高いか低いか通気はあるか
    ウイルスが増殖しやすい宿主が頻繁に出現する環境か
    全ての条件を揃えた上で個々にメインルートかサブルートかが確定し、その割合をもって総合的に判断する問題だと考えます。

    その事にどれほど意味があるのか私には分かりません。
    健康な人にはマスクもワクチンも要らない。
    ただその一つの明確な答えがあるだけです。

    議論の本旨とはズレた書き込みをしているのは百も承知です。
    不都合がありましたら視界から外して下さい。