投稿者:ひとかけらさん
グレンコ・アンドリー氏の「NATOの教訓」を読んだので、日本に関わる部分の要約と聞きたい事があり投稿します。
まず65ページ第1章5節で日本について書かれてます。
日本を国際関係の中で弱者小国として位置付けたのは吉田ドクトリンと書いてます。
吉田ドクトリンとは安全保障をアメリカに依存し経済発展を最優先した日本外交の基本です。
アメリカは朝鮮戦争の発生のため、日本に軍事費増加を要求したが、憲法九条を盾に拒否されました。
憲法九条を押し付けたのはアメリカ、という経緯をアメリカの要求を拒否するために使った。
要求を拒否してる時点で日本は親米ではないとし、日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争には参加せず、米ソ対立でもソ連を追い詰めずアメリカの側にも立たず、中露ともケンカせず上手い具合にのらりくらりとし中立を保ち双方から甘い汁を吸おうとしてる事の危険性をグレンコ氏は指摘してます。
確かに私も憲法九条を念仏のように唱えた所で平和は守れないし、近い将来、権威主義国家は攻めてくると感じてます。
何故かと言うと、1946年まで有効の日ソ中立条約を破り、1945年8月18日に千島列島に攻め込んできたロシアの蛮行や機関砲を積んだ中国の公船が尖閣諸島を巡回、そして今年8月6日に中国が日本のEEZ内にミサイルを打ち込んだ事を知ってるからです。
日本は弱小国のフリをするのではなく防衛費を増やし、自ら戦う意志を示さなければアメリカは日本の代わりに戦うことはないとグレンコ氏は言ってますが、私もそのとおりだと思います。
しかしそれは現実的に可能なのかとも感じてます。
新型コロナに怯え、日本にとって最も大事な皇室の存続が男系男子という変なプライドと意地で破壊されようとしてる現状に日本の精神性の高さは戦後無くなってしまったと絶望感を私は持ってますが諦めるわけにはいきません。
本の内容について殆ど納得出来ますが1点疑問があります。
NATOは北大西洋条約機構と呼ばれています。
グレンコ氏は中国、ロシア、北朝鮮に対抗するために太平洋地域の集団防衛体制の確立が必要で日本、台湾、オーストラリア等の国で軍事同盟を築きNATOと合併するという構想を言い、TPPをベースにしアメリカに戻るよう働きかけるべきとしてますが、これによって日本にどんなメリットとデメリットがあるかゴー宣読者の皆さんに聞きたいです。
長文失礼しました。
(管理人カレーせんべいのコメント)
吉田ドクトリン。かつて田原総一朗は「弱者の恫喝」と表現していましたね。
田原が言うには、日本はアメリカには「共産主義勢力に取り込まれるぞ」と恫喝しながら、戦争に関わらず、軍事に力を入れず、経済発展のみに邁進するという”戦略”を採ったらしいですね。
もし仮にそれが1つの戦略だったとしても「冷戦時代だったから採り得た選択肢」だと思います。
というか、国家ではなく個人として考えた場合でも「弱者の恫喝」って、こんな情けないことはないですよ!
あまりに恥ずかしい!
苦々しい顔で述べるならともかく、「日本って、賢いでしょ」みたいな調子で、堂々と公共の電波で言ってのけた田原総一朗に愕然とした記憶があります。
さて、それを踏まえて質問に対する回答をしますが、「太平洋地域の集団防衛体制として日本、台湾、オーストラリア等の国で軍事同盟を築く」という意見には私は賛成ですが、しかしどうしてそこに「TPP」が出てくるのでしょうか?
TPPとは、Trans Pacific Partnership の頭文字を取ったもので、日本語訳で「環太平洋パートナーシップ協定」。 これは経済連携協定のことです。
今は、軍事の話をしているのに、どうして「TPP」を出してくるのでしょうね・・・?
しかもこれ、軍事面でお願いする代わりにアメリカにTPPに戻ってきてもらうって話ですよね??
軍事で借りつくり、経済で狩りつくされても、弱者の恫喝だから、仮尽くし~♪
韻踏んどこ(笑)
グレンコさんも「自ら戦う意志を示さなければアメリカは日本の代わりに戦うことはない」と自分で言ってるじゃん!!
だったら、いきなりアメリカに依存する案を出してどうするよ!
しかも、今度は「経済」を差し出す案なのだから、冷戦時代より劣化してる!
「吉田ドクトリン」を否定するならば、「TPPをベースにした軍事同盟」も否定しなければ、思想的一貫性がないじゃないですかね、グレンコさん?
おそらくグレンコさんには「日本の立場から見たTPPの危険性」が分かっていないだけだとは思いますが・・・。
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ひとかけら (水曜日, 07 9月 2022 05:35)
アイスランドの弱者の恫喝はまず米ソ冷戦でソ連の影響力が高まる事をアメリカが恐れ介入した事に始まります。冷戦が無ければイギリスはアイスランドの主張を無視して漁業を続ける。
そして相手が英米だったので国家主権を尊重する国だった事もアイスランドにとっては運が良かった。
アイスランドが恫喝を実際に使い英米がやるならやれと言った場合に恫喝の効果は無くなります。アイスランドは西洋から嫌われソ連に寝返った場合NATOは大事な戦略的拠点を失うが冷戦全体の力関係には変化が無いとしています。
軍隊を持ってないアイスランドにおいて漁業の停止は死活問題ですが、日本は自衛隊を持ちGDPは世界3位で弱小国ではありません。やはり自主防衛の考えを持ち日本人が奮い立たなければ滅びる可能性があると感じます。面倒くさがりや楽をしたいから米軍を頼るという考えでは日米安保条約も形骸化します。アメリカは武器や弾薬や医薬品は日米安保条約の適用で提供してくれるでしょうが日本の代わりに戦うことはないので防衛費を2倍に増やすなど戦時の準備を日本はしなくてはいけないと感じます。
ひとかけら (水曜日, 07 9月 2022 05:08)
弱者の恫喝の実例。第一章4節にアイスランドがタラ戦争においてアメリカに弱者の恫喝を使った事が書いてます。
弱者の恫喝とは弱い国が国際情勢を上手に利用し、強い国の企図を諦めさせる作戦で、敵国には効果がないが利害が対立する同盟国には有効としています。
1901年、イギリスとデンマーク(当時のアイスランドの宗主国)がアイスランドの領海を海岸線から3海里に定め海域の外でイギリスが自由に漁業が出来るようにしました。アイスランドは1901年条約を破棄し、1952年に自国の領海を3海里から4海里にし海域内の他国の漁業を禁止。イギリスは対抗措置でアイスランド船の自国への入港を禁止した。
アイスランドの漁業は大打撃。そこでアイスランドのタラをソ連が買うことにした。創設間もないNATOの加盟国のアイスランド。ソ連の影響力を恐れたアメリカはソ連に対抗してタラの輸入を開始した。アイスランドはイギリスの漁船の物理的な妨害をしたがイギリスは海軍の護衛をつけるという対抗措置をとった。アイスランドはNATOの施設を国内から撤退させるとかNATOから脱退する、ソ連に近づくという脅しをアメリカに行い、アメリカはイギリスにアイスランドに譲歩するよう圧力をかけイギリスは譲歩した。
ひとかけら (月曜日, 05 9月 2022 17:46)
the_kさん:#7
アジアを新たな武器の市場にすべくアメリカが画策したということでしょうか?中露朝によって日本の安全保障は風前の灯と感じます。実際アメリカの武器輸出は世界一でロシアの3倍あると聞いたことがあります。確かにこのままの日本では武器や弾薬を持っていないので権威主義国家との戦争に勝つのは難しいと思いますがTPPにアメリカが加入しなくても日米同盟によってアメリカが武器や弾薬を提供してくれる可能性はあると思いますか?
the_k (月曜日, 05 9月 2022 10:06)
一つ書き忘れてました。
アメリカの再加入については、さほど心配する必要は無いと思います。
以前にアメリカが入ってた時に問題になったのは、ルール検討中に毒素条項を入れて来たからです。一度決まってしまった条項は取り出せないので、アレを入れられてしまったら逃げるしか無いという事で反対論が盛り上がったわけですね。
今回は既に決まった条項に対して、同意して入るかどうか、を決めることしかアメリカには出来ません。
そういう意味で、危険性は全く違うと思います。
尤も、現時点ではそのTPPの有用性は見えにくいでしょうから、グレンゴリー氏の言い分は「まだ早い」と思いますが。
もうちょっとギスって来ると、ブロック経済が現実みを帯びてきてアメリカが素直に加わる状況も見えてくるんじゃ無いかと思いますね。
晃明 (月曜日, 05 9月 2022 09:44)
日本や台湾やオーストラリアで親中政権が誕生してしまったら軍事同盟など意味がなくなってしまうし、そもそも日本は自分で自分の国を守れないので、(民進党政権の)台湾以外の国からは信用されていないと思います。
the_k (月曜日, 05 9月 2022 09:42)
なんじゃこの誤字はw
> 今でこそ軽視されてる関西ですが、
↓
> 今でこそ軽視されてる関税ですが、
the_k (月曜日, 05 9月 2022 09:40)
TPPに関しては、あながち出鱈目とは言い切れないと思います。
アレはアメリカがいつものように毒素条項を持ち込んだせいでややこしくなりましたが、元々は環太平洋の国家間でWTO基準の普通の経済協定を結ぼうという集まりだったはずです。
そして、そういう経済協定による関税の撤廃は、今の国際社会では無意味なものですが、
僕は実は、将来的にはそうとも言えなくなると予想しています。
と言うのも、その経済圏、そのままブロック経済圏に適用できるからです。
今でこそ軽視されてる関西ですが、軍事的軋轢を前提とした世界情勢ではブロック経済圏の壁として強く機能すると思われます。
ブロック経済圏は経済協定でありながらも、軍事物資の補給ルートとなり、軍事同盟とも切っても切れない要素のはずです。
特に今はロシア問題や、コロナがらみで中国への非難など、情勢が二分しやすい状況にあると思われます。この状況なら、地理的にもロシア・中国・欧州の入らない「TPPを軸とした軍事同盟圏の確立」はあり得る話ではないでしょうか?
殉教@中立派 (日曜日, 04 9月 2022 22:47)
・経済依存をしているからといって、戦争を止められるわけではない(歴史の教訓)。
・TPPは、事実上の不平等条約に近いため「軍事的な意味では守られたが、経済面では亡国した」という本末転倒を招くだろう。
・「同盟」とは、お互いが戦う準備万端のもとで相互協力し、初めて意味を持つもの。これではトランプ大統領の「アメリカの船が攻撃されても、日本は助けない。ソニーのTVでそれを眺めているだけだ」という誹りを免れないだろう。
・ニューズウィーク誌を読んでいた時にも思ったが・・なぜ外国人の論客は、日本の現状を正しく把握していない事が多いのだろう(感覚的には、9割以上が頓珍漢)。ただ、当の日本人の方が(自国の現状を)理解できていないし、客観的な視座があるだけ、(外国の論客が)かなりマシだとは思う。
グッビオのオオカミ (日曜日, 04 9月 2022 22:30)
連投すいません。
カレーせんべいさんの言いたい事は、自主防衛の主体性があるから、初めて国家間相互の「軍事同盟」が成り立つ。
自主防衛の主体性のない軍事同盟は、依存関係に過ぎない。他国にただ依存してるだけの軍事同盟は機能しない。そう言いたいのかな、と私は文面から、そう推測しています。
ひとかけら (日曜日, 04 9月 2022 21:58)
田原総一朗が吉田ドクトリンを批判してたのは知りませんでした。カレーせんべいさんの考え方はこの本に出てきた反米保守に「近い」のかと考えます。反米保守は日本はアメリカの世界戦略に全く付き合わないで日米同盟も解消し自国だけで国内を守るという考え方です。
そして反米保守はアメリカが憎いあまりにアメリカと対立するロシアが好きという倒錯した思考だと指摘し、さらに日本が世界有数の軍事大国にならない限りアメリカから離れた分だけ中露に近づくことになるとグレンコ氏は言ってます。私は中立など国際法を平気で破るロシアには役に立たないと思ってますし日米同盟を解消すれば中露朝の脅威と自衛隊と日本国民だけで戦うのは不可能です。ある程度アメリカの世界戦略に付き合い権威主義国家と決別し日本の国益を守るという上手い方法はないかもっと本を読んでみます。
なお弱者の恫喝はアイスランドも使ったと本の中で紹介してます。いずれにせよ私が深く読まないと駄目ですね。明日またここに来ます。
グッビオのオオカミ (日曜日, 04 9月 2022 21:32)
私もその「NATOの教訓」は気になる本です。
ウクライナを見ても分かる様に、アメリカもEU諸国も代わりに戦ってくれたりはしません。
あくまでも、ウクライナ人の主体性、自主性があるから、支援という形が取れるだけでしょう。
ひとかけらさんが懸念する、いつまでもコロナに怯え、プライドへの執着心から必要に応じた皇室典範改正に踏み切れない…そういう日本人の劣化現象には、私も危機感を覚えます。
TPPの話は、アメリカも本当に乗り気かどうかがよく分からない所があるし、そもそも日本にとっては不平等条約を締結する様なものでしょう。私もそこは疑問が残ります。また、グレンコ氏は原発推進論者でもある様なので、自由主義経済に対する考え方ではやや温度差を感じる事があります(国民性かな?ん〜…分かりません)。
グレンコ・アンドリー氏はウクライナ情勢や、ロシアの動向の分析は一流だと思うので、グレンコ氏の見識は今後、さらに重要になるのは間違いないと思います。
やなちゃん (日曜日, 04 9月 2022 20:41)
アメリカの要求を拒否できた時もあったんですね。弱小といいつつ、今よりはプライドがあったんだなと苦々しく読みました。
日本と台湾はわかるけど、オーストラリアは声かけたら連携できるのかな…、ましてやNATOとも連携は地理的に遠すぎですし、うまく機能するのかな…日独伊の頃も結局手を結んだものの意味なさなかった印象ですし…。TPPにアメリカを引き戻したとこで、結局さらに日本はポチ化して弱小貧困の道を歩みそうだし。現実的ではないし、理想的な展開でもないと思いました。
横やりで拙い感想文をごめんなさい。難しい話はパスが懸命とわかりつつ、敢えて投稿したくなりました。今後読解力深め語彙増やす努力します。失礼しました。
パワーホール (日曜日, 04 9月 2022)
TPPと軍事同盟は別物でしょ。NATOとEUも同じじゃないし。