≪考察≫ 砂川裁判と国家主権

 

投稿者:ひとかけらさん  

 

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」、前泊博盛[編著]という本を読了したので、その中の事件の1つをピックアップして考察したいと思います。

 

1959年、在日米軍が日本国憲法第九条二項の規定に照らして違憲かどうかを争った砂川裁判が行われました。

 

1957年7月米軍立川基地(東京)の拡張工事を巡って反対派のデモ隊が米軍基地の敷地内に数メートル入ったことを理由に刑事特別法違反で7人が逮捕。

 

一審裁判で東京地裁の伊達秋雄裁判長は在日米軍は憲法九条二項で戦力不保持を定めているので駐留を認めることは違憲であるとし、刑事特別法の適用は不合理として被告人全員を無罪とした(伊達判決)。

 

ところがその後アメリカの工作によって判決は最高裁で覆される。

 

工作の実態は2008年頃アメリカの公文書から発見される。

 

伊達判決が出たのは1959年3月30日。判決の翌日マッカーサー駐日大使が日本の外務大臣と会談し、閣議について具体的な指示を与えた。

 

マッカーサー駐日大使が藤山外相に勧めていたのは東京高裁を飛ばし直接、最高裁に上告する跳躍上告だった。

 

藤山外相は岸信介内閣が憲法解釈に完全な確信を持ってるとアメリカに知ってもらいたいと述べた。

 

そして法務省は先に述べた跳躍上告する方法と措置について検討中。最高裁はこの事件について最高裁のどの案件よりも優先権を与えることを日本政府は確信してるとマッカーサー駐日大使がアメリカのハーター国務長官への電報を打った。

 

そして安保条約が違憲であるか否かの法的判断は裁判所の司法審査権の範囲外。

 

在日米軍の駐留は日本国憲法には反しないとされた。

 

この本を読んで思ったのは日本の最高裁も検察官も政府もアメリカの指示がないと何も出来ないという事実。

 

日本は主権国家ではない感じます。

 

日米地位協定は米軍の治外法権を認めたもので、これまでに日本で米兵による犯罪は多くありますが、逮捕すらされてません。

 

日米地位協定を改定し米軍基地の縮小し日本の軍備増強を計らなければ将来起こる戦争で多大な犠牲が生まれると考えます。

 

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

三権分立が他国に犯されている国家は、独立国とは言えないです!!

 

砂川判決はアメリカに従属するために作り上げた、まさに『戦後レジーム』を具現化したもの

 

そんな売国を決定した首相が、安倍晋三の祖父にあたる岸信介。

 

売国保守の家系と言いたい。


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コメント: 6
  • #6

    あしたのジョージ (月曜日, 03 10月 2022 12:23)

    私は砂川闘争の現場近くに24年前ぐらいから住んでいますが、そんな所だとは最初知らずに、過ごしていましたが、何年か経って後から知りました。歴史的な所だったんですね、無知だなぁ~

  • #5

    ひとかけら (日曜日, 02 10月 2022 23:49)

    天然資源が欲しいがために日本を利用してるということですね。

    日米安保条約五条に自国の憲法や手続きに従って共通の危険に対処するとありますがメリットがないのに米軍は尖閣諸島を守るために兵は出さないという可能性が大きいと思います。

    だとしたら米軍には完全に撤退してもらい自衛隊に国防費を集中させるのが良いのか悩みます。私は自衛隊だけで中国、北朝鮮、ロシアと戦えるとは思えません。

  • #4

    うっちー (日曜日, 02 10月 2022 23:21)

    米軍は日本人を守る気があると聞かれたら、答えは「NO」と答えるでしょう。

    尖閣諸島には現在使用されていない米軍の射撃演習場(久場島・大正島)がありますが、意外にも米国は口を挟んで「尖閣諸島は日本の領土である」と米中首脳会談等で直接主張したことはありません。

    では、尖閣諸島についてアメリカはどう見ているのかと私なりの考察を考えますと、沖縄が日本に復帰する前の1969年ごろに国連の調査機関が尖閣周辺に天然資源があると報告。何の領有権の主張をしてこなかった中国が急に領有権を主張するようになった。
    表は「歴史的固有の領土」と言いますが、真の目的は資源が欲しいからです。

    アメリカもここ数年、尖閣諸島は日米同盟の範疇であると公言していますが、「日本国」を守るのではなく、アメリカ企業が尖閣諸島の天然資源を獲得して利権を得るためだと分析しています。

    アメリカにしてみれば、民主主義国だろうが独裁国家だろうが、自国の国益になる者とは表面で握手を交わす。こういう風に捉えれば、日本国民を守ることは一切ないと考えられます。

  • #3

    ひとかけら (日曜日, 02 10月 2022 22:15)

    うっちーさん初めまして。
    在日米軍の非人道的行為は凄まじいものがありますね。何しろ殺人をしても日本の法律が適用出来ないのですから。憲法よりも日米地位協定のほうが上ということですから。
    ところで先日終わったNHKの朝ドラちむどんどんに出てきたヤンバル地域ではベトナム戦争当時、在日米軍の軍事演習にそこの住民を標的に銃をぶっ放すという訓練がありました。在日米軍を維持するために年間8000億円もの日本の金が使われ、さらに沖縄の人々の安全ばかりか日本人全体の安全も脅かされてる現実を見ると米軍は日本人を守る気があるのか疑問です。統一協会の問題といい自民党までも上位の権力であるアメリカに尻尾を振るという状況に溜息しか出ません。

  • #2

    うっちー (日曜日, 02 10月 2022 21:50)

    すみません。誤字がありました。

    (誤)自国民の生命を軍隊を保持して
    (正)自国民の生命を守る軍隊を保持して

  • #1

    うっちー (日曜日, 02 10月 2022 21:48)

    はじめまして。沖縄在住のうっちーです。
    前泊先生は琉球新報で基地問題について論評されている方です。

    ひとかけらさんはご存じだと思いますが、サンフランシスコ講和条約は1952年4月28日に締結されました。沖縄では「屈辱の日」と呼んでいます。沖縄地域のみならず、北緯27度の地域(奄美大島・小笠原諸島も含む)もアメリカの信託統治下に置かれました。

    信託統治下とは名ばかりで、沖縄では米軍による凶悪事件が多発していました。日本国の法律は到底及ばない地域で、女性や子供を殺害した米兵は例え軍事裁判で有罪になったとしても、アメリカ本国で強制送還され事実上無罪のなるのが現状でした。この状況は沖縄が復帰する1972年5月15日まで続きました。

    2004年に沖国に米軍ヘリが墜落した時も、捜査権は日本政府になく米軍にありました。
    いわば「日米地位協定」というものです。
    もし、他国で米兵が長年に至って犯罪を犯し、本国政府が調査できない事態であれば、多くの国民は黙ってはおられず、暴動や反政府デモが勃発してもおかしくないですよ。

    もし、私の家族が米兵に殺されたら「米兵に何人殺されれば気が済むのか!憲法改正をして自国民の生命を軍隊を保持して、国の主権を侵害されないように独立しろ!!」と訴えます。

    沖縄側にも問題があって、自民党系の基地推進派の首長が辺野古推進派でありながら、あえて「辺野古へ移転」と言わず「安全な場所へ移転」とすり替え有権者を誘導する姿勢は、日本政府のやり方と類似していますね。
    正直、私は一部のウチナーンチュ(沖縄人)が事大主義になり、アメリカに追従する姿を見ると、本当に情けないばかりです。