投稿者:グッビオのオオカミさん
セルゲイ・ロズニツァ監督から目が離せません。
「ドンバス」を秋口に観ましたが、昨日、「ミスター・ランズベルギス」を観に行きました。
時間は4時間9分(そのせいか料金¥2.500とやや割高でした)。
ちょうどSPAのゴーマニズム宣言ウクライナ戦争論がフィンランドとスウェーデンのNATO加盟の話題で、バルト三国も描いていたので、予備知識はあまり無いなりに観に行きたくなりました。
映画「ミスター・ランズベルギス」は、俳優を一切使わず"記録映像"とランズベルギス氏への"インタビュー"のみで全て成り立っています。
リトアニアがソビエト連邦から独立した際の国家元首がランズベルギス氏。
当時、リトアニアを支配していたソビエト連邦のゴルバチョフ書記長との外交と法案を巡る駆け引きから始まり、経済封鎖などの妨害に遭いつつも独立を勝ち取ります。
しかし、その後ソビエト連邦の戦車部隊がリトアニアに威嚇し、侵攻します。
次々に死者が出るリトアニア国民。
しかし、リトアニア国民は700年に渡り抑圧され、その怒りより決起したリトアニア国民は"独立"の悲願を手放しません。
戦車部隊や歩兵を前に、全民衆が死を覚悟して連呼し続けます。
「独立!リトアニア!」
ゴルバチョフ書記長の時期、ペレストロイカ等の気運とは裏腹にソビエト連邦は内部崩壊し、リトアニアは独立を勝ち取ります。
詳しくは下記の公式サイトをご覧下さい。
https://www.sunny-film.com/mrlandsbergis
予告動画の2:10から来月公開(関西は1/21〜)の
「新生ロシア1991」
の予告動画になります。
下記は参考までに記事を貼ります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/352c0fe1fbc6a036eba040dac42e6bbbdbf7b5ee
私はこの映画を観て、独立とは何か、民主主義とは何か、外交と軍事力とは何か、様々な論点を突きつけられた気がします。
ウクライナがロシアにより軍事侵攻を受け、戦う精神は正に侵略者への怒りであり、民衆の独立への覚悟の強さなのでしょう。
映画ではリトアニアが軍事攻撃でソビエト連邦軍を退ける事はしていませんしソビエト連邦の自滅に救われますが、覚悟は同じだと思います。
また、リトアニア始めバルト三国がその後NATOに加盟した事は必然だったのでしょう。
次もロシアが自滅するとは限らない。リトアニアの国力でロシアの実力にどう対抗し続けるか。
日本がリトアニアなら?本当にここまで戦えるでしょうか?
民衆の意思の強さに私は一番驚きます。
ランズベルギス氏がいかなる人物であろうと民衆の意思無くして、ソビエト連邦と対決出来なかったでしょう。
民衆の意思、覚悟、悲願。
現在の日本にこれがあるかどうか…?
いずれにせよ、お時間が許す方は映画「ミスター・ランズベルギス」をご覧になって下さい。
また、次回公開の「新生ロシア1991」も期待大です。
セルゲイ・ロズニツァ監督、恐るべしです。
今後も、注目すべき監督でしょう。
以上、感想文でした。
(管理人カレーせんべいのコメント)
映画感想文や読書感想文の投稿は大歓迎です\(^o^)/
グッビオのオオカミさん、いつもありがとうございます♪♪
ゴー宣に関連する内容であれば為になりますが、必ずしもゴー宣に関係無くても構いません。
それは単に私が「人の感想文」が好きなだけですが・・、ここは「管理人特権を乱用」させて頂きます(笑)
「トップガン」の感想でも別に良かったんだよなぁ(笑)
≪映画・読書感想文 関係≫
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おてんば (金曜日, 30 12月 2022 22:27)
グッビオのおおかみさん
ご紹介ありがとうございました。
以下、映画の感想です。
映画を観て、リトアニア人と日本人の違いは、祖先を敬う気持ちの有無だと思います。
リトアニア国民がソ連軍に立ち向かいながら、「祖先が闘い国を護ってくれたのは無駄ではなかった」と声を揃えて前進していたのが印象的でした。
祖先に感謝し、子孫に自由に生きる国を残してあげたいという伝統が引き継がれているから、侵略者から国を護ろうという気概が沸き上がるのでしょう。
それに対して日本人は、祖先が日本のために闘ってくれたのに、無謀な戦争をしたとばかにしているのですから、情けないです。
また、リトアニア国民としての自身の尊厳を護るため、一歩も引かない群衆と、自国民を必死で護ろうとする、ランズベルギス氏の、国民と政治家の理想的な関係が羨ましいです。
日本人も見習って、子供を大事にする国にならないといけないですね。映画に勇気をもらいました。私もまずは、黙食マスク廃止活動を頑張ります。
最後に、この映画の凄いところは、実際の迫力ある映像です。動画撮影も命懸け、ランズベルギス氏も、群衆も命懸け、闘う息子を心配してソ連兵に駆け寄り抗議する母親も命懸け。
感動しました。
「新生ロシア1991」も観に行きたいです。
グッビオのオオカミ (日曜日, 25 12月 2022 22:31)
枯れ尾花さんへ
北欧の推理小説は読んだ事がありませんが…戦後はアメリカと違い、ヨーロッパの映画などは確かに湿っぽい雰囲気があります。
そこにかつての勝者のプライドと悲哀を感じるのは、うがち過ぎでしょうか。
スウェーデンもリトアニアもかつては大国だったとは聞いた事があります。
大国に脅かされるからこそ、問い直す自国の文化という感覚が強そうですね。
ご紹介の著者を少し調べて見ます。
枯れ尾花 (日曜日, 25 12月 2022 12:53)
#6苦悩する男下→苦悩する男です。
枯れ尾花 (日曜日, 25 12月 2022 10:57)
あと捜査官エーレンデュルの「 緑衣の女 」ですかね。これはアメリカの存在がストーリーの要になっているわけではありませんが。
一つグッビオさんに。北欧推理小説はあの気候のせいでしょうかね、とにかく陰鬱な空気が漂ってますよ。( 私はそういうの結構好きなんです )
枯れ尾花 (日曜日, 25 12月 2022 10:34)
グッビオのオオカミさんへ
私が今も覚えているのは、冷戦後スウェーデンの推理作家ヘニング・マンケル著の
「 苦悩する男下 」( 刑事バランダーという主人公のシリーズものです )内容は確かスウェーデンの元海軍だった男の失踪が事件として捜査される内容だったかな。
それと、これも戦後アイスランドの推理作家アーナルデュル・インドリダソン著の
「 湖の男 」( 捜査官エーレンデュルのシリーズもの )内容は、あ、これは東ドイツが関係してるのだったかな。
他にもあったと思いますが、とりあえずお伝えします。
グッビオのオオカミ (土曜日, 24 12月 2022 23:27)
枯れ尾花さんへ
北欧のミステリー小説、戦後のものですか?
アメリカとソビエト2つの大国の影響を前に、小国のバルト三国と北欧諸国は常に葛藤を覚えていただろうとは、想像出来ます。
ちなみに誰の作品でしょうか?
私は枯れ尾花さんの話を聞いて、フィンランドの
作曲家シベリウスの交響詩"フィンランディア"を思い出します。
http://www.kmatsum.info/suomi/essays/finlandia.html
リカオンさんへ
チャールズブロンソンがそういう生い立ちとは初めて知りました。
ロシア革命が1917か1918辺りなので、ソビエト連邦成立以降の話ですね。リトアニアはロシアの支配を受けて貧しくなったのかと、想像しています。
グッビオのオオカミ (土曜日, 24 12月 2022 22:56)
カレーせんべいさん、掲載ありがとうございます。バルト三国のリトアニアは馴染みが無かったのですが、12月20日発売SPAのゴー宣と話がかぶり、私には有意義な体験でした。
次回公開の「新生ロシア1991」は70分ほどの記録映像だといいます。また、観に行こうと思いますした。
リカオン (土曜日, 24 12月 2022 09:06)
アメリカへ渡ったリトアニア移民の子で有名な俳優さんにチャールズ・ブロンソンがいますね。本名はチャールズ・ブチンスキーで、アメリカでの共産主義者弾圧にあってブロンソンに改名した。
リトアニアは1920年独立したが貧しくてアメリカに家族が移民し、ブロンソンは1921年生まれ。15人兄弟の11番目だったそう。
映画繋がりで思い出しました、
枯れ尾花 (金曜日, 23 12月 2022 14:35)
北欧八ヵ国→バルト八ヵ国ですね。
枯れ尾花 (金曜日, 23 12月 2022 13:46)
バルト三国を含めた北欧八ヵ国( スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、フィンランド )のミステリー小説は、冷戦時代当時や現在に至る北欧諸国のソ連やアメリカに対する心情が作者の目を通して垣間見られ、作品の面白さも勿論のこと、私なんか映画を観たくらいの満足感に浸れます。