投稿者:グッビオのオオカミさん
カルトの花嫁 - 合同出版(2022年11月10日)
統一協会の元信者、冠木結心(かぶらぎ けいこ)さんが自身の体験談を本にまとめられたものです。
冠木さんがまだ高校生だった頃、最初はあまり夫婦仲が良くない母親が、仏教の講座に行き始めたと思ったら、実は母親が行っていたのは「統一協会」だった事から始まり、母親に何度もビデオセンターに行く事を勧められ「一度行けば納得するだろう」と思いビデオセンターに行きます。
そこからだんだんと勉強会に行き、住居施設に行き、遂には「合同結婚式」に参加します。
韓国の統一協会は「結婚出来る事」が強調されており、冠木さんは韓国人と結婚し、破綻する事を2回も経験します。
2回共、命がけとも言える経験で、子供と共に日本に脱出します。
この本では冠木さんが命がけで日本に帰り、国籍や教義や母親との葛藤を通して、統一協会の目標とされる「祝福結婚」のいびつさが描かれています。
また、「不幸になる」という言葉とイメージが恐怖心を植え付ける事で人の意思決定をどれだけ奪うのか、そこもよく描かれていました。
また、脱会した後の人生、失われた時間に対して再出発する事の難しさを考えさせられます。
現在、文化庁によって質問書を統一協会に送っており、解散命令請求を検討する動きになっています。
確かに日本社会にとって、統一協会の解散命令は必要です。
しかし、その後の被害者の救済とケアがいかに困難かを考えさせる一冊でした。
章立て
第1章カルトにはまる
第2章幸せが約束されたはずの「祝福結婚」
第3章いよいよ家庭生活
第4章再出発
第5章思わぬ災難
第6章極貧生活
第7章メシア文鮮明の死と脱会
第8章借金、宗教、学校、仕事、母との葛藤
第9章自己破産して生き延びる
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ただし (土曜日, 04 2月 2023 09:35)
私は、統一協会の元信者の“日本人”には同情してしまいます。それも女性には特に。
理由は、入信=詐欺に会ったと思うこと。教義による救い=詐欺師になること・不幸になることだと思うこと。結婚=韓国に連れ去られ、奴隷のようになること。などからです。
読んでみたいです。
グッビオのオオカミ (土曜日, 28 1月 2023 23:05)
カレーせんべいさん、掲載ありがとうございます。
購入しなくても、親が信者で娘も信者(信仰2世)の体験をつづった内容です。お近くの書店で手に取って頂いて関心を持って頂くだけでも違うと思います。
2回目の結婚は信じた教団の「教義」の話で「離婚したものは天国に行けない」という教えから再婚をしなければと考える様になったと言います。また母親が娘の離婚を嘆いていた事も原因の様ですね。
作者の冠木結心さんはツイッターをしておられましたが、最近は現役信者の誹謗中傷がひどく、精神的に疲れツイッターを休んでおられる様子です。
今度、小林よしのり先生と有田芳生氏との対談新書が出ると言います。統一協会は政治利権とカルト宗教と各個人の被害者の理解と救済の話になると思います。一見別々の話が、同じ動機で進められています。
小林先生の新書を読む前の参考図書としても最適だろうと思いました。
リカオン (土曜日, 28 1月 2023 12:25)
章立てを見ただけでも人間の人生を壊してしまうのが伝わってきます。
あの合同結婚式の幸せそうな笑顔が理解できなかったのですが、過酷な運命が待ち受けていたのですね。
sparky (土曜日, 28 1月 2023 09:06)
本書を読まずこの紹介記事を読むだけで無責任にも「一度で懲りなかったのか⁈」と呆れてしまったが、親子の関係はそれだけ強固で抗い難いのだと思い直した。(初めから解れよ俺orz)
これも読んでいないが(読めよ)サマセット・モームの「人間の 絆」(新潮文庫の題名)が光文社古典新訳文庫から「人間の しがらみ」として出たのを思い出した。(年内には何とか読みたい(-_-;))
所謂カルトに限らず、宗教には人間関係の根幹となる親と子のつながりを狂わせ破壊してしまう力があるが、統一協会は国民と政府のつながりにまで影響を及ぼしているのが特に悪質だと思う。
ひとかけら (土曜日, 28 1月 2023 07:40)
この本は読んだことありませんが、統一協会に逆らうと不幸になる。日本の世間に逆らうと不幸になる。日本はカルトと親和性がえるなと文を読んで思いました。