投稿者:亜門さん
「ひきこもり51歳男性」業者の強引な連れ出し 被害寮費10万引かれ、手取りがマイナスになる月も
https://toyokeizai.net/articles/-/650873
ゴー宣で取り上げられている話題ではありませんが、多くの方々に知って欲しい話題だと思ったので投稿させて頂きます。
「引きこもりの自立支援」をビジネスとして行う業者、いわゆる"引き出し屋"の被害にあった男性への取材記事です。
にわかには、信じがたい被害の実態が紹介されています。
例えば、保険証や通帳を没収され、強制的に施設へ入所させられたこと。自立支援と称して労働基準法を無視した劣悪な労働を課せられ、更には高額な"寮費"を天引きされる実態。常に業者に監視され、一切の自由が無い状態。本人の意思を無視して行われるコロナワクチンの接種。・・・etc.
実際に経験した、見た人でなければ本当に今の日本で起こったことなのだろうか?と疑問に思うことでしょう。
ですが、多く取り上げられないだけで実際に今の日本で頻発している問題です。
この取材記事を読み、中には『引きこもり本人の自業自得』『結果として引きこもりじゃなくなっているのだから良いじゃないか』と思われる方がいるかも知れません。
そのように考えるのも、分からなくはありません。実際のところ、行政や従来の支援団体が提供するプログラムや支援が何も効果を上げず、今では利権維持のために"あえて引きこもらせている"のが日本の引きこもり支援の実態です。
それゆえ、引き出し屋への需要が高まっているという側面があります。
ですが、だからと言って法律や人間の尊厳を無視した搾取が許されることにはなりません。また、行政や支援団体が効果的かつ必要なプログラムを提供すれば暴力団くずれのような引き出し屋に家族が頼り、高額な金銭を搾取されることもありません。
それに、引きこもりになる可能性は誰にでもあります。自分、両親、子ども、友人・・・誰もが病気や失業などで人生の歯車が狂い、これまで通りの生活が出来なくなることは十分に考えられます。
例えば、統合失調症(精神分裂病)は100人に一人がなると言われている精神疾患です。本人に病気という自覚が無く、また両親が精神疾患に対する知識に乏しく、適切な医療に繋げず、その為に10年20年と引きこもりになってしまっているということもあります。
統合失調症は、およそ100人に1人がなる、とても身近な病気
https://www.nhk.or.jp/heart-net/kokoro/ts/
自分や自分の子どもが100人中の一人にならないと断言出来るでしょうか?
また、日本では年収200万円前後の労働者が約1,000万人います。シフトが減ったり、病気を患ったり、失業することになればどうなるでしょう?いや、それ以前に年収200万円という生活保護基準未満の生活で心身の健康を保つことが出来るでしょうか?貯蓄が出来るのか?適応障害と診断され、実家に戻り、引きこもりになる可能性もあるのでは?
時としてコロナや金融パニックにより突然、失業することだってありえます。ある日、脳梗塞で倒れて、一命は取り留めたが自分の身の上が大きく変わり、うつ病になる可能性だってある。交通事故に合い、足を切断することになり、そのショックからうつ病になってしまったスポーツ選手の話もありますね。
話が長くなってしまいましたが、今の日本社会は平気な顔をして悪を行う強者が弱者を食い物にしている社会です。この流れが反転するとは思えません。私は更に悪化していくと思っています。
だからこそ、誰もが被害に合う可能性が高まっています。身近な大切な人や自分が被害に合わないためにも、ご紹介させて頂いた記事、話題にも目を向けて頂ければと思いました。
(ねこだるまのコメント)
亜門さん、興味深い記事の投稿ありがとうございます。
確かにゴー宣が扱っている話題ではありませんが、現代的な、複雑な問題を投げかけていますのでお知らせいただいて感謝です。
記事を読んで闇金融のような悪徳業者と感じました。
暴力団が背後に控えていても不思議でないような。
この手の業者は弱者からさらにむしり取り、破産か自殺まで追い込もうとしてきます。
(例えば闇金融であれば、金を返しても「返してない」と言い張りさらに取り立てようとする、など)
暴力団新法以来、暴力団はステルス化され、ヤクザは社会から見かけだけ消毒されましたが、このような悪どく、立ちの悪い業者は存在し続け、人生の暗い穴に落とし込もうとしてきます。
引きこもりは自分の意志で職についてない、という人々が差別しても構わないような思いを持ちやすい。
なんらかの被害を受けても捨て置かれやすい、というところが悪徳業者が金づるとして目をつけたというところでしょうね。
「引きこもりの自立支援」なんて聞いた人は、人道支援の企業か、と思っちゃいますよ。
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リカオン (金曜日, 31 3月 2023 06:16)
引きこもりの方は大人も子どもも散見される。あまり人付き合いの多くない私でも3人ぐらい実例を知っているのだから、当たり前に大勢の方が引きこもっているのは想像がつく。
不況も長引いているし、引きこもりに対する風当たりも強く、社会的な支えも進んでいない。亜門さんの言われるように悪化していくように思えます。
福祉後進国を挽回するには政治的にも主導して欲しいのですが、国民の意識も変わらないものか。
グッビオのオオカミ (木曜日, 30 3月 2023 01:19)
ときどき聞きますね。貧困ビジネス。
例えば生活保護受給者に安い部屋と安いごはんだけ出して、その金をそっくり中抜きする悪徳業者。何かそれに似た悪質さを感じます。
引きこもりは家庭のよくある問題ですし、どこの家庭で起きてもおかしくない問題でしょう。
しかし「引きこもりの自立支援」とはまた美名とは裏腹に、何ともブラックな話ですね。
匿名希望 (水曜日, 29 3月 2023 15:58)
貴重な投稿ありがとうございます。また、コメント欄も非常に共感すると同時に、同じように偏見と戦う人がいること、仕事を頑張っている人がいることに非常に勇気づけられます。
仰る通り、統合失調症系や重度うつなどの妄想・幻聴の陽性症状は早く初期治療を受けられれば一過性のもので済みます。受診して服薬治療を早く受けることができれば、重度になることを防ぐことができる。しかし、統合失調症を勉強していくとわかったのは、日本には実は喘息患者と同じくらい統合失調症患者がいると言われているということ。つまり、ご指摘の通り未受診のまま放置されている人が沢山いるということ。そういう方は当然、数字上は患者としてデータに上がってきません。亜門さんや輝くような黄色さんが仰るとおり、本当は周囲からの手助けで病院にかかることが必要なのに「引きこもらせ」られて、状況を悪化させてしまっているはずです。ですので単に患者数だけみても、本当の精神疾患の患者数は把握できないと考えています。
そして、こちらの投稿の通り、表に出てこないからこそ、つけ込むような業者や人間がいるでしょうね。私も腹が立ちます。
本当に福祉後進国、日本です。
亜門 (火曜日, 28 3月 2023 20:14)
投稿を取り上げて頂き、また複数のコメントを寄せて頂きありがとうございます。
「引きこもり」と言うと一昔前までは若者の問題とされていましたが、今では8050問題と呼ばれるようになり、中高年や高齢者の問題と呼ばれるようになりました。結果的にではありますが、就職氷河期世代が必要な医療や福祉に繋がれず、放置されて来たということだと思います。
私も引きこもり経験があります。その経験上の話ですが、好きで引きこもって居る人はいないと思います。何とかしたいと考えていても、具体的に何をすれば良いのか分からない。また、行動すること自体に恐怖を感じていました。私の場合は病識のある幻聴や妄想が出始め、このままだと本当に死ぬと思い、精神科クリニックを受診しました。それが切っ掛けとなり、服薬を通じて体調が回復し、少しずつ働くことも出来ました。
当時は両親に精神科クリニックへの受診を相談しましたが、激しく反対されました。クリニックに通院している事を非難されたこともあります。一時期は親子関係がかなり悪くなり、その原因が精神科クリニックにあると言われたこともありました。
家族に精神疾患や発達障害の知識などが欠如し、古い世間体や価値観に囚われていると子どもは苦労します。全てを親の責任にすることはもちろん出来ないのですが、やはり親に放置されてしまった、「引きこもらせ」て来た問題という側面があると思います。
長文失礼しました。
ももこ (火曜日, 28 3月 2023 17:58)
なんか、戸塚ヨットスクールを思い出した。
こっちは非行少年が対象だけれど、家族が困って変な業者に家族の公正を頼んだが、死人が出た、という話だった。
行政が解決できない家族問題につけ込んだビジネス。
引きこもりの方は、労働者搾取までセットになっているところが、社会情勢の悪化を感じる。
やなちゃん (火曜日, 28 3月 2023 16:03)
大人の引きこもり、老いた親ではどうすることもできずに業者に依頼するしかないのだろうと思いますが、まさかこんな仕打ちされるとは。二度地獄に突き落とされるような苦しみですね。
人付き合いをはじめとする挫折で引きこもりになるのは誰でもありうる事なので怖くなりました。コロナ禍でますます対人が苦手になってい人が多くなっているでしょうから、どんどんつけこまれそうです。
貴重な問題提起、ありがとうございました。
輝くような黄色 (火曜日, 28 3月 2023 11:04)
貴重な問題提起、ありがとうございます。
引き出し屋は長年の問題ですね。以前、引きこもりの息子を親が殺した事件がありましたが、その時に親に同情的な意見が少なくなかったことに、「ああ、まだこんなものか…」となんとも言えない気分になったのを思い出しました。
亜門さんが仰るように、いわゆる「引きこもり」という状況にある方々には、統合失調症の陰性症状や双極性障害のうつ状態などの内因性精神障害を罹患されていることが少なくありません。8割がそうだ、という説まであるようです。だから、本当はこんな業者ではなく、保健所などの公的医療機関にSOSを発する必要があるのです。
引き出し屋がのさばり続けているのは、精神科治療に対する過剰な悪印象が一因にあると思ってます。それを喧伝することを芸風にして一定の支持を得ている内科医までいますから。もちろん、精神科医側の問題もあるのでしょう。しかし、その内科医も含めて、医師が玉石混淆なのはどこの科でも同じです。
私は精神科医ではありませんが、精神科治療により明らかに生活の質が上がることが予想されるのに、家族が世間の目を気にして受診に繋がらないケースが多いです。仕方がないので、私のような素人が手探りで治療を提供せざるを得ないことが多いです。その経験は自身の糧にはなっているのですが、果たして患者さんにとって最善の医療を提供できているのか、いつもモヤモヤしています。
精神疾患の加療は、処方さえしておけばいい訳ではないのです。診察時の対応や話の聞き方、必要な福祉といかに連携するかなど、あまりにも多様すぎてマニュアルに落としこむことができない。ゆえに、経験知が極めて重要なのです。多分、精神科だけではなく、そもそも医療とはそういうものです。
…話が逸れました、すみません。
最後に、私も高校卒業後に、2年間社会的引きこもりを経験しました。幸い私は引き出し屋にカモられることなく、何とか出ることができました。その後、いろいろあって双極性障害2型と診断され、今は少量の内服と気分の変動がなるべく激しくならないように注意しながら働き続けています。
なので、こういう引き出し屋の存在と、「世間体」を重んじるあまりに当事者を排除することで解決することを黙認している社会に、本当に腹が立ちます。いつまでこういうのを続けるつもりなんだよ、と。