投稿者:グッビオのオオカミさん
「俳句は感情をまひさせる手段」 戦場の現実詠む防人、ウクライナ軍大尉の三行詩
https://www.chunichi.co.jp/article/670703
ウクライナ兵のセルヒイさんはウクライナ軍第二八機械化旅団の広報担当官。
従軍の合間に俳句…三行の詩を詠みます。
セルヒイさんは言います。
「誰かに会うたび、顔を見るのは最後かと思う。僕自身、死ぬのが怖い」と吐露する。一方で俳句作りに集中することで、現実から気持ちをそらせるといい「俳句は麻酔のようなもの。感情をまひさせる手段だ」
戦場では友人や仲間の死に直面し、自身の死にも向き合います。もちろん、祖国のために戦います。
しかし、その死の恐怖という極限状態の中、自身の使命と葛藤します。
セルヒイさんはその言葉にならない言葉を「詩」に込めるのでしょう。
セルヒイさんは戦争が終われば、
「建築学をしっかり学びたい。歴史学の研究や、美術の批評もしてみたい」と言います。
ウクライナがロシアに対し祖国防衛戦に勝利し、本来の日常生活が戻る日が来る事を願いたいと思いました。
(ねこだるまのコメント)
三行詩は和訳すると、五七五にできますね。
ゴメンなさい。
ちょっとジワッときました。
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リカオン (水曜日, 19 4月 2023 23:52)
極限状態の中で何か没頭できるものがある人は正常心を維持したまま生き残るというのを聞いた事があります。
アウシュビッツで収容されたユダヤ人で趣味(何の趣味か失念)がある人が理性を維持していたとか。
これは小説ですがカミュの「ペスト」で初老の下級役人のジョゼフ・グランが小説を書くシーンが何度も出てきます。最初なぜこんなシーンが何度も登場するのか分からず、主人公の医師もこの中々進まない一行文章の感想によく付き合ってるなぁと不思議でした。
ペストが猛威をふるい誰しも正常心の維持が困難な中、グランは小説の最初の一行を何度も何度も推敲し続け、ペストが去った後最後に完成したその一行が、シンプルで短いのですが美しい言葉だったので感動を覚えた記憶があります。
#4 枯れ尾花さんの
「人が人間として理性的であり続ける為〜
文化を含め心の糧が必要」で思い出したので書きました。
グッビオのオオカミ (水曜日, 19 4月 2023 20:22)
それは実は私も断念した本の一つです。
他にも「天皇の世紀」とか「収容所群島」とか長いものは何となく後回しにしてる内に、結局読まなくなりますね(笑)
「失われた時を求めて」もその一つです。
枯れ尾花 (水曜日, 19 4月 2023 20:00)
グッビオのオオカミさんへ
しかし、私自身は「失われた時を求めて」は長過ぎるからと読むのを断念しとります。
グッビオのオオカミ (水曜日, 19 4月 2023 16:51)
枯れ尾花さんへ
今ちょっと、これ初めて知りました!
プルーストの"失われた時を求めて"にはそんな隠れたエピソードがあったんですね。
そういう連続講義が本になったか。
なるほど…。思えば、そういう極限状態だからこそ描ける作品もありそうですね。
というより、旧約聖書あたりはバビロン捕囚前後の極限状態で書かれた箇所もあったりしますが、極限状態は人を変えるのかも知れません。
石原吉郎もシベリアに抑留された経験を元に詩や手記を書いてますが、あそこには「うめき声」や「怒り」、絶望を体験した者の、求道的なまでの"何か"が込められていると思います。
そういうのもまた、文学の動機の在り方なのでしょう。
枯れ尾花 (水曜日, 19 4月 2023 15:01)
1939年ソ連のポーランド侵攻の時、ソ連強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョセフ・チャブスキーさんは零下40度の極寒と厳しい監視のもと、作家プルースト の「失われた時を求めて」という長編小説の連続講義を行いました。それが、後に「収容所のプルースト」という本として記録され、たまたま読む機会がありました。収容所にいた方達はそこを出たあと多くが「カティンの森」で虐殺されています。その本の中で「人はパンのみでは生きていけない」と書かれていたことがとても印象に残っています。人が人間として理性的であり続ける為には食べ物だけでは駄目である、文化を含め心の糧が必要であると強く思わされましたね。
グッビオのオオカミ (水曜日, 19 4月 2023)
掲載ありがとうございます!
ウクライナ兵、ウクライナ国民、ロシア軍の侵略行為から祖国を守り抜く戦いに必死で、使命感に燃えている事でしょう。
しかし、自分自身の命や、親しい知人の命、これが明日には終わりになるかも知れない、ボロボロの焼け焦げた死体になるか、身体が引き裂かれて痛みにのた打ち回って死ぬのか、ロシア軍の捕虜になり、陰惨な拷問の後で処刑され人知れず死ぬのか。
いや、戦争とは言えロシア兵の命を奪う事にも、やはり葛藤を覚えるのでしょう。
たとえ、祖国のためとは言え、こんないつ終わるとも知れない極限状態にずっと身を置き戦い続けていて、正気を保つ事は難しいのでしょう。
私がセルヒイさんの詩の記事を読んで真っ先に思い出したのはゴーマニズム宣言「国防論」で紹介されていた「骨のうたう」でした。
セルヒイさん達ウクライナ兵にもその葛藤は常にあるのでしょう。
HISA_3rd (火曜日, 18 4月 2023 23:56)
更新お疲れ様です。ウクライナはバフムトで熾烈な攻防戦が続く一方、全体の戦況としてはほぼ膠着していますね�
ロシア側がバフムトをほぼ抑えた状態で「手打ち」を仕掛けてくる可能性もあるでしょう。
やなちゃん (火曜日, 18 4月 2023 23:29)
たまたま先日『ラーゲリから来た遺書』を読んでいたので、俳句を作る事が厳しすぎる環境を生き延びるための糧になる事が重なり、文化のもつ力をしみじみ感じました。どうか無事生き延びて、理想を実現してほしいです。私も頑張らねば。