ロシア・アフリカ首脳会議

 

投稿者:リカオンさん

  

北日本新聞にロシアのサンクトペテルブルグで行われている「ロシア・アフリカ首脳会議」の記事が掲載されました。

 

 

<参加は17国のみ?>

しかしこのアフリカの首脳が集まるはずの会議に、アフリカ54か国のうち17か国しか参加しませんでした。

昨年は40か国が参加していたのに少ないのは「アメリカやフランスなどの無礼な勧奨があったのは明らか」とペスコフ大統領報道官は主張。

 

→しかしそれはウクライナ侵攻しているロシアにアフリカ諸国も距離を取っているのではないでしょうか?

 

 

また、プーチンのエチオピアの首相との握手が長い事をロシア国内やベラルーシの反体制派がSNS上で揶揄しています。

 

→いつもクールを装っているプーチンが参加が少ない中で出席した首脳に歓迎の感情を露わにしていると。

 

 

<6か国に穀物無償提供>

そして、プーチン大統領はアフリカ6か国に穀物無償提供と表明

黒海で穀物を人質にして世界に食糧危機をもたらしておいて、アフリカの関係の深い国のみ提供を提案するなんてマッチ&ポンプもいいとこ。

 

→その6か国とはマリ、ソマリア、中央アフリカ、ブルキナファソ、ジンバブエ、エリトリア。

内戦や地域紛争にロシアが介入したり協力している国々やその見返りに鉱山の利権を得ている国もある。

これらの国の中にはワグネルとの関係も深く、プリゴジンがこの会議の代表と握手している写真がSNSにアップされている。

(久しぶりのプリゴジン。乱からの大甘の扱いはまだまだロシアにとって利用価値の高い人間だからなのですね。)

 

 

<アフリカからロシアへ平和共存の呼びかけ>

アフリカ連合(AU)議長国コモロのアザリ大統領は演説し、「ロシアとウクライナの平和共存を呼びかける」と述べました。

ウクライナ危機が食糧供給に深刻な影響を及ぼしているとも訴えたそうです。

 

→コモロという国ははじめて聞く国名でしたので、調べたところ、マダガスカルの北側の島国で人口は85万人。

大国ロシアにどうどうと意見をする議長国のアザリ大統領はとても心が洗われました。

 

 

<ニジェールのクーデター>

この記事の下の方に「ニジェールでクーデター」という小さな記事があり、これも気になりました。

軍の将校がクーデターを起こし、旧宗主国のフランスやアメリカと良好な関係だったバズム大統領が追放されたというものです。

既に隣国のマリもブルキナファソもクーデターで発足した軍事政権がロシアに接近。

 

→マリもブルキナファソも今回の穀物無償提供の6か国に入っています。

 

ロシアはアフリカの国々との関係を重視しているのがこれでわかりましたが、露骨な飴と鞭の使い分けをロシアがしているのが見えて来ました。

アフリカにとってはウクライナ侵攻は食糧危機を招き、はた迷惑です。

ロシアはアフリカ諸国との関係を重視しているようですが、アフリカの国々は必ずしもロシアの思惑には乗ってないようです。

しかし、軍事政権への肩入れを通じて徐々に影響力を増している過程にあることが見えます。

 

親ロの人たちは、世界でロシアを非難しているのは欧米だけで、むしろ親ロシア国の方が多いと言っていますが、こんな軍事政権に加担するようなやり口で親ロを増やしているのはいけ好かないです。

昔、欧米や日本がやっていたことをロシアや中国はやっているのだという意見もありますが、時代は変わったのでは?

このままでは世界は退行していくと言いたいです。

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

 

どこの国も「国益」で動いている。

 

それが「リアル」ということは重々承知しています。

 

ただ「リアル」と「理想」が重なって欲しいと願い、努力することは必要だと思います。

 

それが「公」だと信じています。


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コメント: 6
  • #6

    グッビオのオオカミ (水曜日, 02 8月 2023 20:36)

    リカオンさん、分析すごいなあ!
    こうして見るとアフリカ諸国の政情不安の背景に、ロシアのワグネルの関与が相当数あるのでしょうね。
    レアメタルもアフリカ諸国ではよく採れるから、その利権もあると言います。
    そう言えば、デニ・ムクウェゲ医師も利権と紛争の中でレイプされた女性を治療していたと言います。ロシアのアフリカ利権は、意外とデニ・ムクウェゲ医師の真の敵なのかも知れません。
    ちょっと脱線しました。

  • #5

    リカオン (火曜日, 01 8月 2023 01:37)

    #3 牛乳寒天さん、お役に立てたならば嬉しいです。いつか旅行したいなぁと思っていた国々が、クーデターでロシアに飲み込まれて行くのが悔しくて、つい気になってしまいます。
    一方で元宗主国への恨みもあってのクーデターだとしたら、欧米にも責任があるのかなとやりきれないものを感じます。

  • #4

    リカオン (火曜日, 01 8月 2023 01:20)

    続報ですが、ウランを産出することニジェールは、フランスやEUのエネルギー政策に影響を及ぼしそうな雲行きに‥。ロシアや中国がアフリカを狙うのがボディブローのように効きそうです。

    https://www.sankei.com/article/20230731-VZHWBDJATZLKLOPMWKZ7O3ISJY/

  • #3

    牛乳寒天 (月曜日, 31 7月 2023 17:06)

    リカオンさん、わかりやすくアフリカ事情をまとめていただきありがとうございました。アフリカは遠く複雑な社会情勢の印象が強く、関連する新聞の記事読んでも眠くなるので大変助かりました。

    ロシアと軍事政権は仲良しになりやすいですね。やり方が汚すぎて、プーチン ロシアとは距離おきたくなります。

    コモロという国、興味がわきました。

  • #2

    ひとかけら (月曜日, 31 7月 2023 12:42)

    自国優先主義なら国際分業体制の現在なら孤立する可能性が有ります。大国を振りかざし協力しない国には酷い事をするぞという姿勢のロシアは孤立しますね。

  • #1

    リカオン (月曜日, 31 7月 2023 09:39)

    ロシア前大統領のメドベージェフ氏が、ウクライナの反転攻勢が成功すれば、核兵器を使わざるをえないとSNSに投稿。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/5be409f75d19c59afef917fdfc6f9d3f05434f0f

    アホなことすんなよ。核戦争になったらどうするんだ。人類への反逆だろう。