≪議論≫ インボイス制度、「プロ」について

 

投稿者:たけし社長

  

戦友カレーさんとのガチ議論、すごく楽しかったー!! 

 

数か月前、意見広告に関しHPで、井上氏の言説についての誤りや危うさを説明し、

 

1.7万人に一斉メール送信したところ、

 

「井上先生の批判をするな!」「HPを削除しろ!」「ワクチン推進派に寝返った裏切者」「会社潰れろ!」「DSの工作員」「根拠なんて考えるな、感じろ!(これはウケました)」などなど、 夥しいほどの数のお叱りのメールを頂きました。

 

自分の考えを普通に書いただけで、こんなに怒る人がいるんだーと驚いたので、

 

「もしかして、今回も・・?」

 

と思っていたら、皆さまのコメントがとても質が高く、色々と学ばさせて頂き、さすが、カレーさんが創った「ゴー宣ファンサイト」は違うなーと感服しました。中でも、虫眼鏡さんと納税義務者さんのコメントは、とても勉強になりました。私は、これを読んで、個人事業主の実態も良く知らずに、一部の報道だけを見て「可哀そうな弱者」と勝手にイメージ付けて同情することは、事業主に対しとても失礼だと思いました。

 

 

虫眼鏡さん (Sunday, 01 October 2023 08:04)

 

私は税務署類が非常に苦手な免税事業者ですが、何カ月も前に、すべての取引先からインボイスについての簡略な説明と、登録に関するアンケートが届きました。ですから、「そんな制度知るわけない」というのは、一体どういった「取引先」のある事業者なのだろうかと思いました。 不親切な取引先なら、取引をやめて別の取引先を探す。あるいは、複数の収入源を確保して、自身を守る。これは、事業を続けていくために最低限考えておくべきことです。

 

 

小規模だろうと大規模だろうと個人だろうと、事業者というものは、事業立ち上げに際して、社会経済の循環に食いつこうと必死の形相で働くものです。なんの保証もない世界に博打を打って出て、大海で溺れそうになりながら、死に物狂いで存在をPRし、門前払いされ、踏みつけられ、バカにされ、騙され、自分自身を嘲笑い、ほとんどの人はそのまま敗者となります。

 

人には言えないようなアルバイトをしたり、日銭を集めたりして食いつなぎ、人を恨んだり、自暴自棄になったりして、世の中や家族・友人に背を向け、裏社会に迷い込む人もいます。それでも復活するために、再び身を粉にして、最終的には、多くの人、そこに連なる家族をも養うほどの事業に成長させる人もいれば、長い夢を見ていただけだったと気付き、何もなしえることのできないまま、誰にも知られることなくこの世を去る人もいます。

 

コメント欄を拝見していると、そういった「事業主に成る」という世界をご存じないために、町工場の方々をむやみやたらと弱者扱いし、まるで情報に疎い山里の村民であるかのような目で見てしまう方が多いのかもしれないと思いました。町工場で免税事業者=1000万円以下の売上という規模感をまっさきに想像すること自体に、大きな偏りがあるとも感じます。

 

免税事業者は、これまで現実の生活に配慮して、長らく優遇を受けていたのであり、今後も段階的な経過措置という、うっすらとした優遇を受けながら、通常通りに消費税を払っていくことに慣れるための「リハビリ期間」に入るわけです。消費税は生活保護受給者でも払っています。今後も納税を逃れられるように擁護してあげようというのは、あまりにも偏りが過ぎるのではないでしょうか。消費税や税率そのものに対する反対意思ならば、非常によくわかりますが…。

 

 

納税義務者さん (土曜日, 30 9月 2023 19:04)のコメント

 

インボイス導入は特に反対する理由がありません。カレーせんべいさんは父ちゃん母ちゃんの町工場を象徴的な例に挙げておられ、自分としてもそのような観点は非常に大切だと思っています。けれども、父ちゃん母ちゃんはそんなに弱い存在なのでしょうか?

 

機織りを営んでいる父ちゃんは、税務署への所得申告のようなややこしいことは今までできなかったのでしょうか?しなくていいのでしょうか?野菜の仕入れと小売りで生活している母ちゃんは、食品衛生法について勉強し、先代から教わった客引きの手法を自分なりにアレンジし、PAYPAY支払にも対応できるよう加盟店審査を申し込む・・・といった事業改善のためのあれこれを、日々の生業で忙しいからという理由で何も着手しないものなのでしょうか?

 

お上の気まぐれ又はイジワルでインボイス導入などというややこしい制度変更が起きてしまったと怒りたくなる気持ちは、同情だけならできますが、別に税制に限らず、消費者のニーズや流通環境の変化など、事業に関する事柄は万古不変ではありません。

 

我々は、そうした競争に淘汰された事業者に涙を流しつつ、競争に勝ち残ってより良いサービスを提供できている事業者の恩恵をちゃっかり享受しているわけです。その結果、だいたいどのお店に入っても、現金以外の支払方法もあったりしますし、謎のケンカ腰で接客するガンコ店主にはほとんどまみえることはありませんし、商品も見やすい陳列になっています。

 

商品やサービスを購入するための店舗やネットサイトを自分自身が厳しく選別しておきながら、商業の弱者への同情を声高に叫ぶことは、ワタシはとっても優しい人間ですと主張する以外の効果は無いと思います。

 

 

以上、 虫眼鏡さんと納税義務者さんのコメントを紹介させていただきました。

 

どおちらかというと、事業主の実態をご存じの方の方が、私の感覚に近い気がしました。

 

それにしても、カレーさんとの初議論、すごく楽しかったです!!

 

こうして、気兼ねなく意見と意見をぶつけ合って、

 

みんなで成長できる場って、ほんとに貴重ですよね。

 

お手合わせ、ありがとうございました!!

 

 

 

 

 

さて、まったく話しは変わりますが、今回の件で「プロ」について考えました。私は、大学生の時に「脱正義論」中の「プロになれ!」を読んで、「プロの商売人」を目指す気持ちがさらに強まったことを、今でもはっきりと覚えています。その時は、その道で生計を立てられれば「プロ」だと思っていましたが、「プロ」には、もう一つ意味があったことに、改めて気が付かされました。

 

たとえば、 大工さんは良い家を建てるのが仕事で、それで生計を立てていても、いつの間にか、本来の仕事よりも「お金儲け」を優先させて、手抜き工事をしてしまう人もいて、そんな人は「プロ」ではありません。

 

ワクチン騒動の最中に、患者さんの健康よりも、お金儲けや、地位や名声を優先させたり、自分で何も調べもせずに、世間の空気に従ってワクチンを打ちまくった医者は、そもそも全員が「プロ」ではありませんでした。専門家も、その肩書とは裏腹に「プロ」ではありませんでした。

 

事業主に限らず、会社員でも、アルバイトでも、自らが選んだ道を究めて「仕事の使命」を果たしながら生計を立てていくのが「プロ」だと思いますが、これは意外に難しいことだと思います。

 

会社の経理マンは「経営管理のプロ」で、喫茶店マスターは、美味しいコーヒーとフードで、居心地の良い時間と空間を提供するプロだと思います。

 

皆様、真のプロを目指して、共にがんばっていきましょう!

 

 


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コメント: 12
  • #12

    さとがえる (火曜日, 03 10月 2023 22:50)

    たけし社長とカレーせんべいさんのインボイス制度の議論、非常に勉強になりました。
    両論読ませていただき、建設関係(工事発注者側)の感想をお送りします。

    1.免税事業者のリハビリについて
    建設業界では、2024年度より労働基準法が厳格に適用されるため、週休二日・残業時間抑制が積極的に展開されております。
    直接の事業者ではありませんが、当初は週休一日・残業当たり前の意識が、トンネル工事等24時間作業を実施し、交代施工前提の工事でもどのように実施できるのか検討されるなど、変わっている認識を持っております。
    インボイスの免税事業者も、段階的に改善されるのでは、と期待しております。

    2.プロになることについて
    たけし社長の言われる通り、プロはお金儲けだけでなく、自らが選んだ道を究めて「仕事の使命」を果たしながら生計を立てていくのが「プロ」だとのご意見、非常に納得しました。
    しかしながら、建設業のいわゆる一人親方などは、現場施工のプロでありながら、元請け会社から雇用できないために独立せざる負えない事例もあると聞いております。
    それは施工のプロを目指しながら、結果的に経営方面も担当せざる負えない状況になってしまったのであり、そういう方々には納税等煩雑な事務手続きを行う能力ではなく、プロとして納めるべき職務に専念いただいた方がいいと思っております。
    独立せざる負えない人もこの制度に巻き込まれているのでは、と思っております。

    自分も引き続きインボイス制度は勉強したいと思います。失礼いたします。

  • #11

    takesi (火曜日, 03 10月 2023 07:45)

    納税義務者さんは、スタンスあやふやではないと思います。現時点において、最も現実的で有効な徴収手段と考えるからこそ、私は「インボイス制度」に賛成していますが、最初にも書いた通り、それは、あくまでも「有効に機能するなら」です。税制改正後に様々な問題が生じるのは「付き物」でして、これは実際に制度を走らせてみないと、どのような問題が生じるのかは分かりません。現状の問題を解決するために、まずはやってみて、ダメな点が出てきたら修正し、それでもだめなら抜本的に制度を変更することは必要だと考えます。

    ただ、「いつの間にかインボイス制度に対応可能!」という会計管理ソフトを販売しているLayerX(レイヤーエックス)の試算の記事は、突っ込みどころ満載で、そのまま鵜呑みにはできませんでした。が、しかし、さすが商売上手だなーと感心しました(笑)

    「零細事業主への同情論だけで制度改正の是非を考察することには賛同できないなーって認識でした」これについては、まったくもって同感です。

    「国家の運営において、とりわけ生存権や教育権という分野で弱者保護は大切な視点だと考えます。一方で商業や科学技術といった分野では公平性・効率性・透明性といった要素を担保することのほうが重要だと思っています。したがって弱肉強食・優勝劣敗として現象するのは避けられません。」これは、考えを整理するのに大変勉強になりました。ありがとうございました!

  • #10

    たっちゃん (月曜日, 02 10月 2023 14:48)

    >>たけしさん

    ありがとうございます!
    日々やれる事を粛々とやっていきます。

    ただ、会社員時代に比べたら遥かに楽しいので、なんとかなるんちゃうかな〜って思ってます!

  • #9

    納税義務者 (月曜日, 02 10月 2023 13:17)

    皆さんの議論でインボイス制の是非についてある程度理解ができたと共に事業のありようについても考えさせられたことに感謝します。
    その上で、記事本文でご紹介いただいておきながらアレですが、効率性を吟味した結果として、インボイスを否定するという立論はアリだと考えています。

    もとより自分は、税額又は税率をすべての課税客体で一律とするような公平性は必要ないと思っています。
    典型的なのは所得税や住民税で、低所得だと非課税で、所得が多くなるごとに税率も累進されます。
    所得が低めの場合に税率を下げ、所得がごく僅少な場合に非課税とする現行制度は、所得の再分配という観点からも首肯されていますが、それとは別に徴税コストという観点から自分としては激しく同意しています。
    率直に言って、ごく少額の税をひとりひとりから収入するのは、莫大なコストが官民双方に生じてしまいます。このため、嫌な言い方ですがハシタ金を切り捨てて、非課税ラインを設けることは合理的な判断となります。

    以上を踏まえた上で、別記事でも紹介されているように、インボイス導入でも税収に比べてコストの方が大きいから悪手なのではないか、という議論は大いに注視するべきだと思います。

    自分としては、零細事業主への同情論だけで制度改正の是非を考察することには賛同できないなーって認識でしたので、それとは別に新制度の甚大な非効率性が確認できれば、インボイス反対の立場に転向することになります。スタンスあやふやですみません。

  • #8

    たけし (月曜日, 02 10月 2023 09:49)

    喫茶ヲワカの社長たっちゃん
    頑張ればなんとかなるけど、なるようにしかならん時もあります。結果がどうなるか分からんけど、日々やれることを最大限やるしかないです。社長はつらいこともあるけど、楽しいよ!

  • #7

    小夜侘助 (日曜日, 01 10月 2023 22:22)

    最終、たけし社長から、まさかのさわやかな一撃をいただいた思いです(*^_^*)

    お金を稼ぐイコールプロではなく、プロとは心掛けのこと。情熱を注ぐことだと思い出させていただきました。

    また、mantokunさんがコメントされてる通り、わたしも世の中の様子から勝手に悲観し絶望して、ビンボー神を引っ張って来てたわ!と気付かせていただきました。

    まるで、青い空の下、広い野原の公園で、皆でワイワイあれこれ、話をしていたようでした。

  • #6

    牛乳寒天 (日曜日, 01 10月 2023 21:18)

    難しい話が続いていましたが、お二人を中心とする様々なご意見が飛び交う議論の知的な清々しさは強く感じられました。

    こういう真逆の立場同士の議論が成立すること自体が、とても難しい事ですよね。お互いを尊重し、理解に努めた上で穏やかに主張をする姿勢から大きな学びをいただきました。

    最後、たけし社長のバイトでも自分の道を究めプロを目指せるといった激励がとても嬉しかったです。子育てや家事、バイトやPTAなど身近な事で頑張ってはいるものの、どれも中途半端…。目標持って頑張ろうと奮起しつつも、やっぱり中途半端でダラダラしがちな私ですが、それでも目指せるものがあるのではないかと、新たな視点をいただいたようでした。

    きっちりとプロとして生業を立てている方を尊敬しつつ、私もやれる事は頑張り、胸を張って高みを目指していきたいです。

    このサイトは頑張る私の大きな励みです。これからもカレーさんに感謝しつつ、多くの学びをいただきます。
    いつも本当にありがとうございます。

  • #5

    グッビオのオオカミ (日曜日, 01 10月 2023 19:42)

    追記
    たけし社長のプロ論には全面的に賛成します。

  • #4

    グッビオのオオカミ (日曜日, 01 10月 2023 19:36)

    なるほどなあ。
    ここの所、書き込みが出来ずに大変申し訳無いのですが、たけし社長とカレーせんべいさんのやり取り勉強になります。
    私は独立開業、個人事業という発想で普段仕事をしてないから、そちらのジャンルは疎かったかも知れません。
    今までインボイス制度を単純に批判していましたが、今回改めてインボイス制度を調べ直して見ようと思います。

    以下、余談になります。
    小林よしのり先生が何もコメントをしていないテーマで、小林先生の主張抜きで議論をするのは貴重な経験かも知れませんね。
    コロナ禍でもジャニーズ問題でも、小林先生の問題提起が読者を引っ張った部分は大きいし、少なくとも私は小林先生抜きで今の考えに至っていたか?疑問も残ります。
    ちょっとイヤな言い方になるかも知れませんが、
    古希を迎えた小林先生が今後病気か何かで、言論活動が出来なくなった時に、ゴー宣読者同士で真っ当に討論が出来るかどうかは結構大切な事だと思います。

  • #3

    ひとかけら (日曜日, 01 10月 2023 17:18)

    只の給料を貰う人ではなくプロの仕事をして生計を立てるのが大事ですね。考えさせられました。

  • #2

    さらうどん (日曜日, 01 10月 2023 16:48)

    たけし社長や虫眼鏡さんや納税義務者さんの書き込みコメントを読んで、改めて考えさせられたり、勉強になりました。
    そう言えば、たまに行く居酒屋さんは、コロナ騒動の間はアルバイトで食いつないでいたと言っていました。
    芸人が売れるまでアルバイトで食いつないできたというエピソードを、ブレイクした芸人が売れなかった頃のことを振り返って話すのをよくTVで見ますが、
    市井の個人事業主の方々も、そうやって必死に食いつないでいる方々がたくさんいるということですよね。
    政府が決める制度の問題点を指摘したり、弱者に目を向ける人達の存在はとても必要だと思いますが、
    資本主義の社会である以上、競争の勝ち負けが出るのは受け入れなきゃならないということですね。

  • #1

    mantokun (日曜日, 01 10月 2023 16:26)

    週末の間にカレーせんべいさんとたけし社長のガチ議論と、それにまつわる皆様からのコメントを拝見して、何も知らず理解の取っ掛かりもなかったインボイス制度にようやく食いついていける感覚が生まれました。皆様、本当にありがとうございました。何回か皆様の投稿やコメントを読み返してみます。

    今回読んでいて思ったのは、インボイス制度がこれほど個人事業主の方々から警戒され、嘆かれているのは、「日本は30年間、給与も上がらないのに物価と税金はどんどん上昇していて、それなのに今後も少子高齢化がさらに進行して経済成長の見込みがない」という悲観的予測をする国民が多数であることが、一番の理由ではないかということです。

    もし今、日本が経済成長が見込める状況なら、「税金の支払いは増えるけど、これから本業でたくさん稼げるよう頑張っていこう」という希望を糧にできるかもしれません。
    しかし、ニュースを見ていると今後の日本に悲観的にならざるを得ない要素ばかりなので、「今でさえ苦しく、まともな働き先も少ない中、これ以上取られるのか」という絶望感を強く煽られます。

    そして、個人事業主でない勤め人や学生、子供たちはそうしたインボイス制度の導入にまつわる嫌な雰囲気や空気を感じ取ることで、社会全体の閉塞感がさらに強まりかねないことが一番の問題のような気がします。

    …と思っていたら、ウルルンさんがライジングコメント欄で事業主ならではの鋭い観点から、非常に専門的なコメントをなさっていました。
    「自民党の悪政が続いて、みんな困ってるからインボイス制度で大騒ぎする」のではないか、私が言いたかったのはまさにこれです。

    格差拡大にともなう不公平感が増大していることが、秋篠宮ご一家への苛烈な誹謗中傷や芸能人の不倫ニュースへの異常とも言えるバッシング、さらには今般のジャニーズキャンセル騒ぎには通底しており、インボイス制度導入でそれがさらに加速するのではないかと懸念しています。