「夫婦の絆」第7話の感想

 

投稿者:まいこさん

  

『夫婦の絆』第7話、時空と生死を超える壮大な展開に圧倒されました。

 

第6話から続く絶体絶命の危機は、失敗パターンとしての頭の中でのシュミレーションではないかとも想像していたのですが、先生が描かれたのは、ヒロインがさらにパワーアップするための契機としての臨死体験。

 

幽体離脱をした蜜子が、すでに彼岸にある未来の沙耶を召還できたのは、父親にも母親にも、なつくことができず、愛を知り得ない幼いときに、異母姉妹という守るべき存在を得たことで、生きる意味を見出していたから?

 

再び生を受けたヒロインは、母親に引導を渡す氷の冷徹さと、父親に制裁を下す炎の情念でミッションを敢行。

 

特に悪行を重ね続けてきた父親を滅ぼすための完全犯罪の描写は、大画面で観る映画のごとくの血沸き肉躍る臨場感、アドレナリンが噴出する蜜子の鼓動や呼吸が聞こえ、紙面までも脈打つさまが見えるようです。

 

「よしりん独演会」でも語られた「父親殺し」が、象徴的ではない形で行われた『夫婦の絆』。息子が父親を乗り越えるためのイニシエーションとしての「父親殺し」が手弱女であるはずの娘によって、これほどまでにパワフルに断行されたことが、リアルでもフィクションでも、かつてあったでしょうか。

 

「私は愛を知りたい!」最大の敵を守るべき者のために滅ぼし、もはやヒーローと呼びたいヒロインが叫ぶ愛とは何なのか、第8話以降の蜜子の活躍も、心待ちにしています。

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

運命を切り拓く為の殺人。

 

もちろん「違法」。

 

しかしこれを「悪」と呼べるのかどうかは難しい。

 

 

「さあ沙耶!脱出よ!!」

 

「わあああああ~~」

「脱出~~~~~~うううう・・・」

 

 

私は痛快でした。痛快!!!

 

 

 

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コメント: 5
  • #5

    まいこ (火曜日, 17 10月 2023 11:24)

    投稿採用とコメントいただきありがとうございます。
    いまも先生が精魂込めて『夫婦の絆』の創造に力を尽くしておられる御様子がブログからも伝わってきます。20年間待ち続けていた作品が先生の進化と共にさらに面白くなっていることに驚嘆です。昨今の状況に照らして悪と正義についても、蜜子の言動を通して深く考えられる作品、多くの方に読んでいただきたいです。

  • #4

    おおみや (日曜日, 15 10月 2023 14:36)

    私は…オープニングの(頭を)(頭を守る)で、「これ、これだよ!」と。あの状況で動転せず最善を探るのは動物的本能と人間的高度な思考を両立した状態で、まさに生存本能が覚醒した状態。社会に適応する生活が長くなると高度な思考に寄って行き原始的な動きさえ選択出来なくなりがちなところを…その続きの頁を読み進めると大いに納得しました。(思念なのかもしれないが)の部分でも「おお~、なるほど」でした。

  • #3

    リカオン (金曜日, 13 10月 2023 23:52)

    蜜子があまりに強すぎて、ここ最近引いてしまっていた。
    しかし、この圧倒的に不利な姉妹が救われるには、悪辣な親族や暴力を加えてくる輩を倒すしかない。知恵と己の能力で難局を切り抜ける蜜子は魅力的だ。
    この強さも非現実的に見えるが、彼女の持つ能力と読み替えれば、あり得るシチュエーションに見えてくる。女性が差別や不利な環境を跳ね返すには、能力や資格は役にたつ。

    「決着をつけようか、ケダモノ親父」
    これはこの回1番の痺れる台詞。DVのために娘を守る事をしない実の母親を見限り、テキパキと指示を出す。この呪われた島を脱出するために吹っ切れたのだろう。彼女の判断や一挙手一投足が清々しい。

    不同意性交罪がようやく成立した日本。過去の父親から娘への性被害の事例を読むたび、なぜこの事案が高裁では逆転したが、一時的に無罪判決が出たのも納得いかない。また、散々娘を犯した父親が娘に殺された事件も過去にあった。殺されて当然だと思う。蜜子と沙耶の行いに誰が罪を問えるというのだろうか。

    「私は愛を知りたい」
    殺伐とした物語、いや殺伐としているからこそ愛を求める蜜子を愛おしく思う。
    振り返って蜜子の選んだいっちゃんと、果たして愛を獲得できるのか。
    複数の女性と暮らす事を提案し、チャラ男にしか見えないいっちゃん。記憶喪失のいっちゃん。謎が多すぎる。

    蜜子が最終的に愛を得る事を望む。今後も蜜子から目を離す事ができない。

  • #2

    枯れ尾花 (金曜日, 13 10月 2023 15:52)

    蜜子の人間離れした強さは、あのフランケンシュタインと同じ雷のパワーだったわけですな。

    先が益々読めなくなってきた…

  • #1

    ひとかけら (金曜日, 13 10月 2023 08:40)

    悪を倒すために悪をなすのが悪いことなのか思想が必要ですね。