「トランスジェンダーは存在しない」と活動を続けているウォルト・へイヤー氏のインタビュー動画です。
男性であるへイヤー氏は、自身が性同一障害だと思い、手術をしたものの結局また男に戻りました。
その経験を基に性同一障害で悩む人達を助ける活動をしているそうです。
性同一障害と診断されると、その次の選択肢としてホルモン治療、性転換手術という流れになりますが、へイヤー氏はこれを「史上最大の医療詐欺」と断罪しています。
氏の主張は、トランスジェンダーは精神疾患を抱えているということです。
自身の経験、世界中の同様の悩みを抱えている多くの人達の相談を通して見えてきたことがありました。
性同一障害の人達は、それぞれの人生で過去に虐待(性的にも)をうけていたことで、どこかの段階で「自分を許せなくなった」ことがあったということです。
一部文字起こしします。
・・・
「彼らが本当にしているのは逃避です。彼らは傷や痛みから逃れようと、人生で起きた何かから逃避しようとしているのです。
相談にのり一緒に時間を過ごすと100%の確率で、その人に実際に起きた何かを知る事になる。
自分ではない別の誰かになろうとしている多くの人々は、性的虐待を受けたり精神的虐待を受けたり肉体的な虐待を受けたりしている。
家族に捨てられたケースもあります。
隣人に危害を加えられたけど、誰もそのことを知らなかったとか。
彼らの人生を振り返り時間を共に過ごし、いろんな事が判った時にあの質問をします。
『なぜ自分が好きではないのですか?』
『性的に虐待されたから』と答えた女の子たちが過去にいました。
常にそこには自分を嫌いになる原因があるのです。
そうでなければ自分を変えようとは思わないでしょう。」
「心理的・感情的・性的にも満たされていると感じる人は、自分を変えたいとは思わないでしょう。
自分を変えたいと思う人々は、自殺を試みる確率が非常に高いことが判っています。
自殺を試みた人の約90%は、何らかの精神疾患を持っていても、治療を受けていなかったことが判っています。
自殺という行為は、何らかの大きな精神的な問題があるというサインです。
自分を好きになれない、何か理由があるということを物語っているのです。
だから自分を取り除こうとする。
私が思うに、トランスジェンダーとは、生きたまま自殺を図る行為です。
自身に新しいアイデンティティを与えたり、ホルモン療法や外科的処置を通して自殺しているのです。」
・・・ここまで
なかなか興味深い話でした。
まだ全然こういう問題に詳しくはない私ですが、観終わった感想としましては、トランスジェンダーというのは氏が言うように過去の虐待や、何か満たされない状態があったことで、自分を変えたいと思う場合があるのかもと思いました。(個人的には先天的な場合もあるのでは?とは思う)
確かに自分を変えたい!と思う人(特に未成年や若い世代)が、いきなり性転換手術やホルモン剤投与をするのは、取り返しがつかない事態を招くことがありそうです。
医療業界だけが儲かるだけです。
氏の言うように、この問題で悩む人は、まず相談できる人、場所が必要だなと思いました。
(管理人カレーせんべいのコメント)
そのインタビューの全てを否定するわけではありませんが、私には引っかかる部分もありました。
ウォルト・へイヤー氏は「トランスジェンダーは、精神的な問題」という主張になりますね。
私の認識ではトランスジェンダーは、まず先に「肉体的な特徴」があり、それが「精神的な問題にも発展しやすい」と理解しています。
原因は、社会的に少数派であるがための生きづらさ。
またはホルモン系物質が精神に与える影響そのものだと推察します。
・・・
「トランスジェンダーとは、生きたまま自殺を図る行為」という言葉に一面の真実があったとしても、素直に頷くことができないのは、それが『自己責任』に繋がり、そして『差別』に繋がると懸念するからです。
トランスジェンダー当事者には様々なケースがあって一概には言えませんが、「決断した行為」までも「自殺」と断じることがあれば、いささか無礼にも感じます。
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わさび (火曜日, 31 10月 2023 23:04)
くれはさん、カレーさん、問題提起ありがとうございます。
私は、子どもへの「LGBT教育」が来年度から学校に入ってくるので大いに懸念しています。我那覇氏の活動は割とチェックしていますがこの動画は知りませんでした。少し長い動画でしたがいま全部見たところです。
ちょうど、ダグラス・マレー「大衆の狂気」という本を読み始めていて、被る部分があったので理解しやすかったです。
ヘイヤー氏の主張はよく分かりました。
・性自認に悩む方のほとんどが、過去に何らかの形で(精神的・肉体的に)傷つけられた経験があり、その自分から逃避したい・自分を変えたいという願望がある。
・その解決策として「性別を変える」という手段を選ぼうとしている。
・ところが現実には「性別を変える」ことなどは不可能なのに、あたかも医療によってそれが可能であるかのように思わされている。
・「性別を変える」ことを選択する前に、自分に何が起きたか向き合ってほしい。
・(安易な性転換手術によって)後悔してほしくない。
インタビューを通し、私は、差別的な要素は全く感じませんでした。とはいえ、「トランスジェンダーは存在しない」というのは言い過ぎだと思います。おそらく、訳の問題というか言語の違いによるニュアンスの違いで、「トランスジェンダーという認識は錯覚に過ぎない(ケースが多い)」ということを言いたいのではないでしょうか。
そしてやはり、子どもたちへの影響を強く懸念していましたね。エリン・フライデー氏へのインタビューでも語られていました。(https://www.youtube.com/watch?v=x0dCJDB0lDE)
日本でも、「自分は男か女か考えてみよう」「人間は男と女の2種類ではなく、グラデーションがある」なんていう教育が始まるわけです。大人でも知らないような「ヘテロセクシュアル、シスジェンダー、トランスジェンダー、クエスチョニング、アセクシャル」などという用語まで小学生に教えることに違和感があります。
だいたい小学生の頃なんて、同姓と遊ぶ方が好きだし性も揺らぎがあると言われているのに、その時期に「異性を好きになるとは限らない」なんて教えたら、錯覚する子が多発し、かえって混乱すると思います。教育ではふんわりと触れるに留め、くれはさんの言う通り、相談先の充実が大事だと思います。
トミキョウ (月曜日, 30 10月 2023 18:12)
昔からそのような方々はいたのでしょうが、医療技術の進歩がそうした方々を苦しめているようにも思えています。
自分のことは自分が一番知っているようで、一番知らないのかもしれません。
そして、医師も本当のところは分からないのではないでしょうか?
精神科医、脳科学者、心理学者は、いずれも物理科学・自然科学ではなく、統計学だからだと思っています。
あしたのジョージ (月曜日, 30 10月 2023 07:21)
付け足しですが、虐待とか精神的な強いショックがあったりして、自分自身からの逃避の為に性転換手術をしたいと思っている人は、後から後悔するかもしれません。
性自認は先天的なものや後から現れてくる後天的なものもあると思います。
基本的には病気とは思いませんが、性転換手術をしたいと思っている人の中には精神疾患の人も混ざっているのかもしれません。
カウンセリングなどで精神的な治療が出来るなら、その方が救われる人もいると思います。
どっちにしても本人と医師がしっかりと話して本当にいい方法を見つけていく事が大事じゃないかなぁと思いました。
枯れ尾花 (日曜日, 29 10月 2023 12:37)
和ナビィさんの仰っている「ビョーキって何なのだ!?」
私も病気とは何ぞや?と常々考えさせられております。
ウォルト・へイヤー氏のトランスジェンダーに対する認識の仕方は恐らく力動精神医学的な考え方に重きを置いておられるもののようですね。この件について私はあくまでもトランスジェンダーに対する一つの理解の仕方としてそういうものもあるんだ位に認識していれば良いじゃない、としか思いませんでした。
さて、それよりかは病気とは?と考える時、私の判断基準の主となるのは当人がその心身の変容により、当人や周りの人達が少なくとも悩んだり苦しんでいたり、困っていたりして生活しづらい状況に陥っていることです。(無症状のガンなどでまだその存在に気付いていない場合はそうは捉えられないかもしれませんが)。ですから、誰も悩んだり苦しんだり困ってもいないのに、誰ぞが興味本位などで病気だとレッテル貼ることには抵抗を感じますね。
昨今、その風潮は強まって来ているように思いますが…( それで得するのは医者か、それとも…?)。
和ナビィ (日曜日, 29 10月 2023 10:47)
ウォルト・へイヤー氏の論にもインタビュアーの訊き方にも受け答えの仕方にも、何度も違和感・疑問を感じつつ視聴しました。≪長年の『当事者』としての経験を通して得た確信から、物事を述べる・他者に教示する≫という自信に満ちた人の言動に接する時、どこかで警戒する気持ちが動きます。
「トランスジェンダーは精神疾患を抱えている」「トランスジェンダーとは、生きたまま自殺を図る行為」----氏はこうとらえており、生まれついての傾向やグラデーションのある性認識という幅を認めてはいません。「患っている」ということになります。果たしてそう言い切れるのでしょうか。
この世に生まれてから様々な目に遭い、苦い経験もし、また嬉しい出会いや感謝に満ちた経験もあることでしょう。自信たっぷりで生きる事なんかホントは有り得ない、「あやかり」や「見下し」で自己確認したつもりになる事はあってもそれは欺瞞にすぎません。やわらかい感受性のままでバランス棒携えて綱渡りしていくのが(大変だけれど;)「顔面蒼白の面白さ」、カッコいいです☆。
深い傷や痛みがあっても、それを承知の上で潰されない個を以てエネルギッシュに人生を切り拓く人も多くいる。トランジェンダーであることが稀有な才能を開花させる事と不可分で、多くの人を感動させる・元気づけることもある。---ビョーキって何なのだ?!。
亜門 (土曜日, 28 10月 2023 17:45)
あえて言うと「性転換手術」や「ホルモン剤投与」も広義の意味では精神疾患の治療に該当する気がしました。
個人的にはどのような治療(語弊があるかも知れませんね)を受けるかはセカンドオピニオンなども含め、専門家の意見も踏まえた上で本人の意志で行うのなら特に問題は無いように思えます。
話はそれますが「精神」という言葉はいい加減な言葉です。精霊の精、神仏の神なんて文字を使っていると何かスピリチュアルな気持ちの問題のように思えますが、これは酷い日本語です。
例えば「うつ病」の原因は脳の神経伝達物質に関する機能に問題があるからだと言われています。
また、脳機能に何らかの問題があるという点では他の精神疾患に分類される「神経発達症」や「統合失調症」「認知症」「PTSD」なども同様です。脳の機能に何らかの障害が発生しているため、症状が出ていると考えられます。
先天的にせよ後天的にせよ、薬物治療や心理療法などを用いて脳機能の障害を改善する。極端な言い方をすれば「脳を変化させる」のですから、これは「肉体的な特徴」を「治療により変える」とも言えます。
「うつ病」や「神経発達症」など、精神疾患に分類されるモノには未だ解明されていない部分もあり、脳機能だけでなくその他の臓器やホルモンバランスによる影響もあると指摘している論文もあります。つまり分かっていることもあれば、分かってないことも沢山あります。
その事実を踏まえた上で考えると「トランスジェンダー」が「精神疾患」なのかどうか?という事は、あまり重要では無いと思います。
先天的にせよ後天的にせよ、その人が生きる上で抱えている苦しみやハンディがあるのは事実です。それを改善できるなら、カウンセリングでも性転換手術でも、選択肢が複数用意されていることは良いことだと思います。
平井 智也 (土曜日, 28 10月 2023 16:32)
くれはさんからの動画紹介、それを受けたカレーせんべいさんの分析、リカオンさんをはじめとした方々のコメント、深く考えさせられました。おべっかでも何でもなく、ここで本当に深い議論を目の当たりにでき、参考になります。
リカオンさんの仰る通り、社会が変わり続け少しでも多くの人々がより良い社会を実感できるようになる事は大切である、改めてそう思いました。それが、最高裁の判断が数年後の今に現れたのだと思います。皇位継承問題にも通ずると思いますが、肝は因習を排し歴史の節目節目で柔軟に変化し続ける事なのだと。
あしたのジョージ (土曜日, 28 10月 2023 12:14)
ウォルト氏の言っている事は理解出来ました。
自分自身の経験から言っているので、彼の言っている事で救われる人達もいると思いました。
性同一性障害で性転換手術を受ける前にカウンセリングがあると思いますが、その段階で性転換手術を辞める人達がどのくらいいるのか気になりました。
本当に精神疾患を患っているならそちらを治療する事が第一だと思います。
充分なカウンセリングをした上で、どうしても性転換手術をしたいのであればすればいいと思います。
金儲けで簡単にあなたは性同一性障害なので性転換手術をした方がいいという医者がいるのなら、トンデモない話です。
本当の悩みを解決に導くのが医者の役目だと思います。
その人自身が悩みを解決する事の手伝いをするのが医者の役目だと思います。
性転換手術して救われる人も沢山いると思います。
性転換手術までしなくてもホルモン治療などで救われる人もいると思います。
何にもしなくてもその人の存在をそのまま受け入れてやれる事が出来る世の中が理想ですが、中々難しいのが現実だと思います。
私も性的虐待は受けていませんが、自分から自然に女性になりたい願望がある事に気づいてしまいました。
ですが、女性も現実には大変です。
いいところばかりだけを見ていてはいけないと思いました。
今は割りと何もしないで普通っぽい感じで落ちついていると思います。
私の場合は、趣味の範囲ぐらいの感じなのかもしれませんし、より問題があるのかもしれませんし、よくわかりません。
もうここまでこれで生きてしまったから、このまま行くつもりです。
上手くまとまらなくてすいません。
ひとりひとり悩みは違うし、やはり難しい問題だなぁと思いました。
叶丸 (土曜日, 28 10月 2023 12:09)
リカオンさんのコメントもそうですが、世の中には性同一性障害に類似しているがそうでは無い事例が色々ありそうな気がします。
いずれにしても、深い悩みがあってトランスジェンダーと言う生き方を選択した人を差別しても良いのかと言う問題はあります。
それから、ウォルト・ヘイヤー氏のような考えは性同一性障害の存在を否定する者には都合が良いのだと思います。
おそらく、似非保守はトランスジェンダーにグラデーションがある事を認めないでしょう。
リカオン (土曜日, 28 10月 2023 11:07)
トランスジェンダーの中には、社会が押し付けるジェンダーの枠組みに窮屈を感じて、自分の属する性である事が嫌になった人も多くいるのではと想像できる。
例えば私も女性であるが、①化粧をしろ、②男をたてろ、③お茶をくめ、④コピーとりしろ、⑤結婚したら家事に専念しろ、⑥子供が産まれたら仕事をやめろなどなど強制されたら女性である事を呪い、男性になりたいと思う人が出てきても不思議ではないと考える。
そうすると性別役割社会からの逃避になってしまうので、社会の方を変える行動をするべきだと私は考える。
つまり、私の回答は①化粧はしない。②男性に属すると思われている仕事は先に男性にしてもらい、男性をたてる。しかし彼らが苦手でてこずり、私ができる事については手を出していると女性を認めるようになる。③たまに自分もお茶をだすが後輩の男性にもくんでもらう。④自分の分は自分でコピーしろと言う。⑤家事は夫婦分担する。⑥子供ができても職場復帰をするというもの。
そのうち日本社会も男女雇用機会均等法、妊娠出産後の職場復帰の社会保障制度などが充実してきたので、残るは同僚や上司、親戚、近所の無理解との闘いになる。
これらに対してある時は戦い、ある時は説得しながら対処すれば、女性であり続けても昔感じた時ほど嫌な思いは無くなった。
性別役割社会はこのように時代や構成員の意識でオーダーメイドできるのではないか。
もしもトランスジェンダーの中に性別役割社会からの逃避の人が混じっているならば、社会を変える事で、体を人工的にいじらなくても済む人も増えるのではと思いました。