タッチ&ゴー宣
このコーナーでは『ゴーマニズム宣言』の最新話を読み終えた読者が、間髪入れずの「タッチ&ゴー」で感想を語り合います☆
《参加者》
まいこ
えみりん
リカオン
和ナビィ
カレーせんべい
日本人論 第9章
芸能とは何なのか?(前編)
まいこ: 今回の作品を読んで思ったのは、芸能界に入るには、人を惹きつけて止まない魅力を持っているのが大前提ということです。現代でもアイドルに性的魅力を感じて恋愛感覚を楽しむ庶民が多いのは、アメノウズメノミコトから続く「芸能」が、正しく踏襲されているということになると思いました。
えみりん: 今回のタイトルは「芸能とは何なのか?」でしたけど、芸能と男色文化は絶対切り離せないものだということをより理解することができました。そして芸能も日本神話から脈々と受け継がれているもので、日本神話自体にワイセツな内容のものが多いので、芸能の世界もそうなって当たり前だと感じました。
まいこ: ギリシャ神話にも、放埓といえるほどの性的場面が度々登場します。だけどキリスト教文化になって以降は鳴りを潜めてしまい、欧米人は自分たちのルーツが、かつては「大らかな性文化」を持っていた歴史までキャンセルしてしまっているのではないかと思います。
カレーせんべい: それこそまさに「キャンセルカルチャー」ですね。自分たちのルーツや歴史の全否定するのは左翼の発想です。そもそも、文化や芸能がデオドラント化されたら面白くなくなるじゃないですか?
えみりん: むしろ「ワイセツなものであるからこそ芸能」と言えるのだと思います。
カレーせんべい: わぉ!そこまで言い切りますか。
えみりん: 過激かな?(笑)
カレーせんべい: でもそのように考えると、ジャニー喜多川を死後さらに殺したり、笑いのカリスマである松本人志をワイセツな女遊びを理由に抹殺してしまうのはバカげてます。芸能を、社会通念の下に「組み敷く」方に違和感を覚えます。
えみりん: さきほどの神話の話ですが、ワイセツに表現することで、何か神聖で、特別なもの・・・、けれども身近に感じることもできる画期的な表現の仕方なのではと思いました。そして身近に感じることで、農民の人たちにも芸能が広まったのではないかと思いました。
カレーせんべい: なるほど。神聖という感覚自体は「非日常性」なのだけど、どこか身近に感じるという「日常性」もあるわけか。
まいこ: そういえば先日、大河ドラマを観ていましたら、散楽という奈良時代に日本に伝わった大道芸のような芸能を披露する場面があって、男女間のもつれや出産シーンまでも面白おかしく見せて、庶民が楽しそうにしていましたよ。
カレーせんべい: 大河ドラマって「光る君へ」ですか? NHKすごいじゃないですか。
まいこ: はい、そうなんです。NHKさん、ちゃんと歴史を描けるじゃないですか、と意外でした。
リカオン: 旅芸人で少年が美しい女形になって妖艶な日本舞踊を披露するのは、元々日本の芸能が性に大らかだった名残なのですね。
カレーせんべい: 正直私は「日本人は性に大らか」をあまり重視していませんでした。だけど「芸能」と「日本人の感覚」って密接に関わって、育つものなのですね。それが「文化」だったと、ようやく理解できました。
まいこ: だけど、今、日本人が自ら「大らかな性文化」の歴史をキャンセルしようとしているところだと先生は見通されていて、かつて『戦争論』で「祖父の世代の感覚と戦後世代の感覚を連結」されたように、「『天皇制』を持続させている日本人」が「古代から歴史が連綿とつながっていること」を、鮮やかに見せてくださっている。
カレーせんべい: 小林よしのり先生の慧眼もすごいけど、様々なゴー宣作品がまるで計算された一つの流れになっている展開もすごすぎですよね!!
まいこ: はい、そうですね。『愛子天皇論』で明治に決められた法律に固執して歴史を分断しようとする者たちと闘い、『日本人論』で分断されようとする歴史を繋ぎ、「死者も参加する民主主義」によって「愛子さまを皇太子に」。悠久の歴史が小林先生の偉業を見つめているように感じました。
カレーせんべい: どわー。まいこさんのその感想、すげー!
(座談会後半)
カレーせんべい: さてここからは「今週のゴー宣・気になる名言」を伺いたいです。年末のゴー宣流行語のノミネートとしてメモしておきたいから(笑)
まいこ: 「死者も参加する民主主義」という御言葉が気になっています。初出ならば、名言のノミネート候補として挙げさせてください。
カレーせんべい: お。いいですね!保守の神髄ともいえる名言ですよね。
まいこ: また「そもそも古代から現代までの歴史を意識すべきなのは、「天皇制」を持続させている日本人なら、当然ではないか!」「日本の性文化にほとんどタブーはない。世界でも珍しい大らかな性文化の実態」という御言葉も気になりました。
カレーせんべい: 天皇を戴く日本人ならば、歴史を重んじることは前提ですよね。
和ナビィ: 「死者も参加する民主主義」という言葉を聞いて、思い出したエピソードがあります。ある公民館で講演された女性が、その会場のぐるりに戦死した若者の遺影が掲げられていたのを見て、区長さんに訊ねたんです。すると「国・故郷の人々を救おうと身を挺して死んでいったこの地区の若者達も区民です、感謝して写真を掲げています。」という主旨の答えだったそうです。
カレーせんべい: へぇ~~、まさに死者も参加していたわけですね!
和ナビィ: 18歳で戦死した伯父の戦友から伺った話です。「死者も参加する民主主義」は【戦争論】のコアなところに通じますね。
カレーせんべい: ごく最近私が感じた「死者も参加する民主主義」は、「能登半島地震で津波警報が大袈裟すぎる。コロナ煽りと同じだ。」という意見を聞いた時です。先人たちが『津波てんでんこ』という教えを我々子孫に残してくれたわけじゃないですか? 一方のコロナ禍は、歴史と断絶したインフォデミックなわけです。この2つは全く違うのに、同列視する人がいてビックリしました。
リカオン: 我が家の近くに忠魂碑という戦死者や消防士、警察官で殉職した方の慰霊塔があって毎年8月15日に慰霊祭をしていました。石碑を読むと古いものは日露戦争の戦死者名もあり、大東亜戦争の死者や町内の火事で殉職した消防士さんの名前もありました。全て町内の方のようでした。
カレーせんべい: 尊い犠牲を無駄にしない気持ちの表れですね。
リカオン: その石碑を読めば国を守った兵隊さんや火事から町を守ってくれた消防士さんの事を偲び、若い人も町や国の事を考える時に死者の思いも考えに入れるのではないか思ってました。しかし長年海風にさらされて風化し、子どもが触ったり登ったりすると倒壊の危険があるのでチェーンを張って立ち入り禁止になり、とうとう昨年、お祓いをして離れた神社に移設されたそうです。
カレーせんべい: ありゃ、そうですかぁ。でも倒壊の危険があるなら仕方がないですね。どこか良い場所に移して「思い」が継承されたらいいですね。
リカオン: 石碑がどこに移動したのか今度確認しようと思います。若い世代の目に留まる所に移動していれば良いのですが。
ゴー宣を読んだ感想をコメント欄に書いてください♪
簡単でも短くても全然よかです(^^)
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ねこ派 (日曜日, 21 1月 2024 13:14)
昨日、遅ればせながら購入したSPA!最新号掲載の「ゴーマニズム宣言~日本人論第9章:芸能とは何なのか?(前編)」を読みました。
そして、先ほど、座談会≪タッチ&ゴー宣≫を読みました。
座談会では、今回のゴー宣で、私が一番気になった言葉を、取り上げてくれていました。
それは、
「そもそも古代から現代までの歴史を意識すべきなのは、「天皇制」を持続させている日本人なら、当然ではないか!」
です。
本当に、そうです。ストンと、腑に落ちる言葉でした。
今回のゴー宣は「日本の性文化にほとんどタブーはない。世界でも珍しい大らかな性文化の実態」を歴史的に描く前編です。
次回のゴー宣で発表されるであろう、その後編が、楽しみです。
パワーホール (土曜日, 20 1月 2024 21:37)
座談会で日本神話について触れていましたが、小林先生が「古事記」、それに「遠野物語」を「よしりん御伽草子」みたいにアレンジしたらどうなるかと思いました。12/31にコミケに行きましたが、外国人の方も参加していました。やはり外国の方も日本の芸能文化に魅力を感じているのでしょう。
思えば、昨年からゴー宣はエンタメ色を打ち出していましたね。「よしりん御伽草子」、コスプレによる男野系子登場、小林先生とチェブリンさんの音楽番組等。今年もさらなる飛躍やサプライズを期待しています。
牛乳寒天 (土曜日, 20 1月 2024 18:28)
会話されている皆さんの丁寧さや教養の深さが伝わり、興味深く拝見しました。自分の考えを細かな言葉にするのは意外と難しいものですが、それぞれがご自分の言葉や考えをしっかりお持ちで話に臨んでらっしゃるのが素晴らしいです。
政治を司る方々も、このくらいの教養を持ち合わせていてほしいですし、私もそうなりたいです。
「死者も参加する民主主義」とても響きますし、自分の背筋もピンっとさせられます。自分の地元の、先の戦争や災害などで活躍された方々の碑などの存在をよくわかっていないので(地元の会館で夏に戦争の展示があるくらいです)、調べてみようと思いました。まずは身近なところから思い馳せてみます。
ツム (土曜日, 20 1月 2024 13:59)
面白かったです!
千本通り (土曜日, 20 1月 2024 12:54)
英国の性犯罪法は1967年にイングランドとウェールズで、21歳以上の男性同士の同性愛行為を合法化した。 しかしスコットランドでは1980年、北アイルランドでは1982年になるまで、同性愛は違法だった。もちろん合法化したからといってTVに出るなんてとんでもないことで、長らく白眼視されていた。
日本はどうかというと1967年に佐良直美さんが紅白歌合戦に初出場し、1969年にピーターこと池畑慎之介さんがレコード大賞最優秀新人賞を受賞している。カルーセル麻紀さんも1968年にはテレビの「11PM」にレギュラーのように出演している。もちろん同性愛を禁じる法律なんか元々ない。
知らない人も多いと思うので簡単に紹介すると佐良直美さんはいつも短髪、ジャケット、パンタロンという格好で、今から思えば明らかに女性同性愛者の格好ですが、当時はそういう意識はあまりなく紅白歌合戦の紅組司会をやったりしてた。カルーセル麻紀さんは女性の格好、話し方をされていて最後は性転換手術をされた。ピーターは当時から中性的な雰囲気を持つ美少年で、ちなみに美輪明宏さんは1950年代から活躍されていたが、TVにはあまり出てなかった。日本の芸能界は同性愛には元々ゆるかったことがわかる。
トマト (土曜日, 20 1月 2024 12:50)
日本人論 第9章は読んでいないのですが・・・
(日本人論の単行本が発売されたら絶対に買います!楽しみ)
まいこさんの大河ドラマについてのコメントを読んでの感想です。
「光る君へ」の第二話の大道芸の場面は「散楽」というものだったのですね。
「散楽」という言葉初めて知りました。
あのシーン、面白かったですよね。庶民がああいったものを楽しめるのなら、宮中で生活するよりよほどいいな~と思ってしまいました。
その場面、もし見たいと思われた方がいましたら・・・NHKプラスで明日(1月21日)の午後8時44分まで配信されています。22分10秒あたり~です。
NHKプラス 光る君へ(2)めぐりあい
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024011430859
ひなた (土曜日, 20 1月 2024 11:29)
日本の神話について
天岩戸の神話は、女性の出産を意識して創られた物語だと感じます。
男性神・スサノオの天地自然の摂理と天地自然への畏敬・畏怖の信仰に対する暴虐によって、女性神・アマテラスが天岩戸の内に籠ったという。
生命を生み出す役目を担う女性に対する敬意を失った時、この世界は闇に包まれるのだろう。
日本の神事とは、生命を生み出す天地自然の摂理に対し畏敬・畏怖の念を抱き、大切にすることを教えるものだろう。
現在のように個人的な煩悩・欲望の成就を祈願するような私利私欲・私心にまみれた人々によって繁盛する神社は、日本古来の神道ではない。
天岩戸の前での神事は、生命を生み出す「性」を「聖」なるものとして表現し、生命の誕生を願い、「性(聖なる出産)」の悦びによって国中の人々が大いに笑い、この世界の未来が光り輝くものとなるという象徴として行われる。
ここで現代において考えなければならないことは、少子化の問題です。
女性の社会進出は、必ずしも社会の発展に寄与するものではない。
日本社会の発展には、出産適齢期の女性に安心して出産と子育てができる社会制度を整備するべきです。
これは、男尊女卑でも女性差別でもありません。
もちろん、「女性は皆子供を産むべき」というような極端な思想を主張していません。
このようなことを女性に強制してはならないことは常識です。
ある程度「専業主婦の復活」の方向性は認めるべきです。
20代から50代の女性は、女性の選択により出産と子育てに専念することのできる制度にする。
「無償」ではなく「平均的に子育てに必要な金額を支給」する制度にする。
つまり、子供を出産し育てる役目を担う女性に敬意を示す国造りこそ、日本の伝統なのではないでしょうか。
「性」を「聖」なるものとする日本の神事・芸能・文化は、生命の誕生を大切にする感性を養う上で重要なもので、守り続けていかなければならないものです。
ピエール (土曜日, 20 1月 2024 11:17)
あの伝説の企画、タッチ&ゴー宣復活おめでとうございます!一人のゴー宣ファンサイトファンとして嬉しく思います。
芸能と性の文化、今まではぼんやりとしか理解していなかったものでした。よしりん先生が漫画で表現してくださったことで、ストンと腹のなかにおさまったような気がしています。
そう考えると、やっぱりジャニーズのタレントたちって、やっぱ色気あるよなあとしみじみ思います。
ひとかけら (金曜日, 19 1月 2024 22:03)
古代から連綿と続きエンタメとワイセツが満載なのが日本文化の特徴だと思います。エンタメとワイセツによって世界に太陽が戻ったということは芸能によって世界を変える事が出来るということですね。
美少年が綺麗に着飾り女性のような美しさを持って世間の注目を浴びたのを見ると、日本は性に関係なく活躍出来る下地が有ったのだと思い世界でも珍しい男女平等の文化を担ったのだと感じます。