投稿者:グッビオのオオカミさん
不健全図書の定義とは? 漫画家が危惧する拡大解釈と印象操作
https://realsound.jp/book/2023/10/post-1458098.html
旧Twitterを見ていると、漫画「はじめの一歩」で有名な森川ジョージ氏が東京都の「不健全図書制度」に関する問題を議論しているポストを時折見かけます。
ちょうど、ジャニーズ問題や松本人志氏のキャンセルカルチャーの話題がよく出て来ますが、
「不健全図書制度」もそれと地続きな気がして、手短かに調べて見ました。
『漫画に限らず、常識は時代によって大きく変化していく。明治時代には、洋画家の黒田清輝が描いた裸体画ですら、布で覆われて展示されたことがある。今では全裸の彫刻も裸体画も、公共施設に普通に置かれているが、誰も問題視する人はいない。その時々の印象論で、あれはだめ、これはだめと決めつけることがいかに問題であるか、よくわかるだろう』
なるほど、今なら教科書に載る様な、黒田清輝の絵画すらR指定扱いか。
確かにキスまでなら良いとか、着衣なら良いとか、基準が曖昧ではありますね。
その時代ごとの社会通念が大きく左右するのでしょう。
記事は更にこう言います。
『しかし、こうした議論はしばし拡大解釈される可能性がある。例えば、性的に卑猥だと審議されてしまえば男の裸を描くことも問題視される可能性もあるし、ボクシング漫画の血の描写ですら暴力的で野蛮だとみなされると、規制される可能性もある。このように、審議に関わる人の印象によって判定が左右される可能性が高いのが、問題なのである』
なるほど、森川ジョージ氏は性描写に限らず「健全かどうか」と言われるとボクシング漫画などでも「暴力的だ!」と規制される事を懸念するのでしょう。
確かに、性描写や暴力描写も「程度問題」であって、過剰に規制すれば、先日他界し国の内外問わず惜しまれた鳥山明氏の「ドラゴンボール」も、全く読めなくなります。
いや。そうなると、他にもキン肉マンや聖闘士星矢に北斗の拳やダイの大冒険なども全部"アウト"でしょう。
戦う系は「野蛮」の一言でバッサリ斬られる恐れがありますが少年漫画から戦う系を無くせば、大半は何も残ら無くなります。
森川ジョージ氏は不健全図書制度により表現の幅が狭くなり、漫画という文化の在り方に危機感を覚えたのでしょう。
【ボーイズラブは不健全図書か? 都から指定、ツイッターで「性犯罪者」と攻撃受ける 漫画家ら用語変更訴え:東京新聞 TOKYO Web】
https://www.tokyo-np.co.jp/article/242977
私は思います。
こんな事をいちいち行政が決めないといけない事でしょうか?
この本を読んでこの本は読まない。
それはまず家族で話し合えばどうでしょう?
また、子どもから"危ないもの"を隠したとて、どの道社会人になれば理不尽な世の中に直面するのです。
いや、そもそも自分自身の中にある制御の難しい"理不尽さ"…衝動、嫉妬、欲望、笑い、感動などが内なる理不尽さとして自分自身を苦しめる事すらあるでしょう。
危ないものを隠す事は、コロナ禍の過剰な感染対策とよく似ています。
免疫の免許更新、免疫の軍事訓練。
これは何も感染対策に限りません。
漫画など、表現と鑑賞も全く同じ原理だと、私は思います。
(管理人カレーせんべいのコメント)
そういえば『はじめの一歩』でも、原作でイジメっぽい所は、アニメ版ではカットされてました。
【台風が来ている海の砂浜で、一番弱い後輩を首だけ出した状態で生き埋めにして、「かまわん人柱だ」と言って去ろうとしているギャグシーン】でした。
このシーンを漫画で読んだとき、私は大笑いました。
でも令和の時代では難しい表現である気もします。
何が健全で、何が不健全かは、時代によっても変わります。
たとえば「女をカネで買うことが健全」だった時代だってあったのだから。
ただ、個人的には「漫画自体が不健全図書なのだ」という気概はいつまでも存在してて欲しいと願っています。
サブカルチャーの気概を。
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リカオン (土曜日, 16 3月 2024 22:30)
少年ジャンプに永井豪の「ハレンチ学園」が掲載されていて、母や伯母が眉間に皺を寄せているのを見聞きした。「トイレット博士」など親にとっては顰蹙のマンガだらけだったが平気で読んでいた。
少年漫画はエログロバイオレンスに溢れていて、小学生の私はいとこの家に行っては読んでいた。
少女漫画を読むようになったのは中学生の時だったか友人から借りた「ベルばら」とかボーイズラブの「イブの息子たち」「風と木の詩」とか。
もしかしてコンプラ違反ばっかり?
英二 (土曜日, 16 3月 2024 10:24)
何回か東京都の公報に指定された本の題名を見たことがありますが、結構凄い題名のものが指定されてましたね。お硬い公報に「お願い!◯◯せて!」とか載ってると結構赤面でした。
審査員もこれを読んでると思うと…ついニヤついてしまいました。
牛乳寒天 (金曜日, 15 3月 2024 09:41)
はだしのゲンの平和教材から削除された話も思い出しました。(はじめの一歩は読んだことないですが、この記事見て読みたくなりました)当時の価値観を受け入れる事なく、現在の価値観でキャンセルされるのが当たり前になっていく現状には違和感と怒りがあります。文化の衰退が益々進む警戒心マックスです。
過去をキャンセルするより、現在の幼子をモチーフにしたエロものを規制した方が余程健全です。そういうのを見て、そっちの気が芽生え行為(犯行)に及んだ犯罪者も多いという話もあります。取り締まるべきは幼子系エロではないか?!
カフェイン中道区 (金曜日, 15 3月 2024 09:29)
「不健全に健全」より「健全に不健全」
漫画は「不健全」なので「健全」な本より売れているワケですからね。
田舎のおっちゃん (木曜日, 14 3月 2024 23:31)
「健全図書」なんかわざわざ購って読んでいられる程、人生はヒマじゃないけどね。
地元のお役所の建物にぶら下がってるたれ幕とか、そこいらの新聞記者氏のお説教コラムとか、ニュースの解説委員氏のご高説等などでお腹いっぱいじゃないですか。
そこまで健全になりたいなら、寿命を縮めるらしい座る姿勢の読書なんか止めて、そこらへん走って来たらどうだい。
枯れ尾花 (木曜日, 14 3月 2024 22:30)
私がどれほど不健全と言われるような漫画に救われてきたことか。
矢吹丈や力石徹、煉獄杏寿郎の生き様にどれほど心震わせてきたか。
現実にいた人間でなくとも、それに負けずとも劣らない勇気や感動を存分に頂いてきたんです。
こういうことがわからない人はある意味、かわいそうだなあと思いますよ。
さらうどん (木曜日, 14 3月 2024 17:56)
私も申し訳ないのですが、森川先生の「はじめの一歩」は読んだことがありません(汗)。
でも、同じボクシング漫画の「あしたのジョー」では、
カレーさんが「はじめの一歩」の描写で指摘されている以上の描写が山ほど描写されていました。
それは、漫画連載から50年以上の月日が経った今でも(アニメも含め)、
言葉(いわゆる放送禁止用語など)の自主規制での言い換えはあるものの、
物語自体はキャンセルされていません。
「はじめの一歩」の方も、漫画版の話の方はキャンセルされていないということでしょう。
残酷に見えたり、えげつなく見えたりするような描写も、物語を作る上で必要だから描かれているということだと改めて思います。現実は残酷ですから。エグい人たくさんいますから。
コンプライアンスを遵守したおりこうさんだらけのキャラが作る物語なんて、クソつまらなくて見たくないです。
パワーホール (木曜日, 14 3月 2024 17:53)
名作と言われる作品にも過激な描写があります。私は三島由紀夫先生の「憂国」が好きですが、詳細な性描写や割腹シーンがあります。しかし、名作であることに変わりはありません。三島先生も生きていたら腹を立てていたでしょう。
それに、過激だとクレームをつけていたら漫画や文学、果ては芸能文化の衰退を招きかねません。
あしたのジョージ (木曜日, 14 3月 2024 17:31)
あしたのジョージなので、ちばてつや先生の「あしたのジョー」の事なら少しはわかりますが、森川ジョージ先生の「はじめの一歩」の事はよくわかりませんが、Xで呟いているところを見ました。
漫画家だから色々と表現の事で気になるのかもしれませんね。
健全と不健全の境界線がよくわかりません。
基準をはっきりして欲しいところですが、曖昧なんでしょうね。
表現の自由がどんどんと失われていって、みんな似たりよったりのつまらない世の中になってしまうのは嫌だなぁと思います。
大阪の一会社員 (木曜日, 14 3月 2024 12:32)
もし、その作品が「不健全で嫌だ!」「子供にその様な作品を見せたくない」というのなら、自分でその作品を選ばなければ良いだけの事。自ら、子供に説明すれば良いだけの事。
それを権力やマスコミに働きかけて、この世から抹殺しようとする事が、私はとにかく嫌です。
ある種の優生思想の様で、気味が悪い。
それと大してその作品を鑑賞しないまま、短絡的に、「この作品は、この場面は、不健全」と決めつける短絡的、かつ非常に薄い思考がとてつもなく嫌です。
その様な思考回路(思考と言えるほど深いものではないが)が、新型コロナ騒ぎで何年も騒いだ事に繋がっている気がします。
グッビオのオオカミ (木曜日, 14 3月 2024 07:40)
基本的に、キャンセルカルチャーも、コンプライアンスもそうですが、根っこの感情に人間への不信感や憎しみが原動力となっているのだと思います。それはかつてのフランス革命も、共産主義によるロシア革命も。
積極的に何かプラスなものを達成したくて、問題解決したい訳では無いのでしょう。
だからこそ「程度問題」を許せないし、それに耐えれないのだと、思います。
千本通り (木曜日, 14 3月 2024 02:39)
一応18歳未満というところで線引きすれば良いのでは? 反社会的な漫画でも個人で楽しむ分には良いのでは? 同人誌レベルなら全然問題ないと思う。しかし急速なAIの進化で3次元アニメでかなりエロい作品が作られている。図書の規制なんかどうでも良くなるかもしれない、本なんかますます読まないもん。
グッビオのオオカミ (木曜日, 14 3月 2024 01:50)
別のスレッドで論争にもなっていますが…
物事を100%か0%か、○か☓かにするには、明文化したルール、規則のみで良いのでしょう。
しかし、現実の運用には必ず「例外」や「グレーゾーン」が出て来ます。
例えば離婚はダメと言っても、国ごとに宗教観が違うし、性の感覚が違います。
まして、時代や世代まで変われば「これが常識」というものが違います。
「程度問題」という事をよく言いますが、その「程度問題」の感覚に、結構色々な要素が含まれている事に気付かされ、考えさせられるところがあります。
しかし、現実はマニュアル通りの事などおきません。ケース・バイ・ケースで個性的でもあり、ワン・パターンでもある事が起きます。
適切に「程度問題」を考えるのは、実は結構難しいものですね。