投稿者:まいこさん
いつもありがとうございます。
意見広告運動の際に、新聞の論調を変えることは、世の中を動かすことに繋がると教えていただいています。
そこで、新聞の論調の基軸となる社説において、「皇位の安定的継承」を五大全国紙と三大ブロック紙が、どのように伝えているか、「社説 皇位 新聞社名」で検索し、最新の日付の記事を読み比べ、22年上半期の発行部数と前年同期増減率も付記してみました。
ABC協会 新聞発行社レポート 2022年上半期平均部数 全国紙・地方紙の部数減続く
https://www.bunkanews.jp/article/285391/
◆朝日新聞 約430万部→9.5%減
2022年1月13日 (社説)皇位の報告書 これで理解得られるか
https://www.asahi.com/articles/DA3S15169845.html
透けて見えるのは「皇位は男系男子が継がねばならない」という考えだ。
継承ルールは議論しないといいながら、国民の間に一定の支持がある「女性・女系天皇」の芽を摘んでしまう仕掛けが講じられている。
◆毎日新聞 約193万部→3.9%減
2022年9月11日 社説 皇位継承の国会議論 先送りは政治の無責任だ
https://mainichi.jp/articles/20220911/ddm/005/070/076000c
皇位の安定には、女性皇族に継承資格を認めるかどうかの議論が避けて通れない。
だが、政府が1月に国会へ提出した有識者会議の報告書には盛り込まれなかった。
◆読売新聞 約686万部→4.3%減
2024年3月24日 社説 皇族数の減少 多様な公務を担う策考えよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20240323-OYT1T50197/
自民党は、女性宮家の創設に慎重だ。
女性宮家に子供が生まれた場合、皇位継承権を与えるのかどうかといった議論が生じ、皇位継承は父方が天皇の血を引く「男系男子」に限る、という制度が揺らぎかねない、との懸念からだ。
だが、女性宮家を認めずに皇族女子に皇室に残ってもらう、とはどのような仕組みになるのか、イメージが定まらない。自民党は具体的な案を示す責任がある。
◆産経新聞 約102万部→14.9%減
2023年10月28日 産経抄 ブレは許されない皇位継承策整備
https://www.sankei.com/article/20231028-KR3PQE4LJZPOJN3IZASJ7JFVOI/
▼皇室弱体化を狙った連合国軍総司令部(GHQ)の意向で、伏見宮など旧宮家の皇族方は昭和22年10月に皇籍を離脱した。
その旧宮家の男系男子の皇族復帰案を模索するというが当然だろう。
彼らは、もともと正統な皇位継承資格者だったのだから。
▼皇籍離脱時、宮内府次長だった加藤進氏は旧皇族方にこう要請もしていた。
「万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとのご自覚の下で身をお慎みになっていただきたい」。
皇室の伝統を断つことになる女系天皇擁立論より、よほど自然な流れである
◆日本経済新聞 約175万部→7.1%減
2024年1月2日[社説]皇室の将来見据えた継承策を
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK020R40S4A100C2000000/
自民党は総裁直属機関として「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」を立ち上げ、議論を進めている。
各党がそれぞれに検討を深め、試案を持ち寄って意見調整するプロセスは極めて重要だ。
同時に欠かせないのが開かれた議論である。皇室への国民の視線は時代とともに変化してきた。
近年のいくつかの世論調査で女性天皇の容認論が多数を占めていることも、多様性を重んじる現代社会の考え方の表れだろう。
一部の案を限定されたメンバーだけで話し合っても、幅広く支持される青写真は出てこまい。
政治は国民の率直な声を虚心坦懐(たんかい)に聞きながら検討を進めるべきである。
◆北海道新聞 約85万部→3.1%減
2024年2月25日 <社説>皇位継承の議論 「国民の総意」が前提だ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/979303/
自民党は昨年11月、この問題で麻生太郎副総裁をトップとする懇談会を立ち上げた。
旧皇族の男系男子の復帰案を軸に検討が進む見通しとされる。養子縁組した男系男子に皇位継承資格を認めるかどうかが焦点だ。
だが共同通信社の21年の世論調査では女性・女系天皇を容認する声が80%以上となった。
自民党の動向は国民世論と乖離(かいり)している。
民間人となり長い年月が経過した旧皇族を皇室に迎えるのが「国民の総意」とは到底言えまい。
歴史と伝統を持つ皇室の姿も、時代とともに変わってきた。
そのことを踏まえながら、責任ある熟議を尽くさねばならない。
◆中日新聞 約192万部→4.6%減
◆東京新聞 約39万部→3.3%減
2021年4月5日 皇位継承論議 新しい皇室像を視野に
https://www.chunichi.co.jp/article/230683
https://www.tokyo-np.co.jp/article/95877
最大の論点は皇位継承の資格を女性に認めるか、さらに女系天皇へと拡大することの是非であろう。
仮に天皇陛下の長女愛子さまが即位するならば、父が天皇だから女性天皇となる。
一般男性と結婚し、生まれた男子が天皇になれば、母親の血筋のみ天皇だから「女系の男性天皇」となる。
歴史上では推古天皇や持統天皇など八人の女性天皇がいたが、女系天皇はいない。
だから、女性、とりわけ女系の容認は「日本の伝統を破壊する」などとして保守派の強い反対論がある。
いわゆる男系男子主義である。
◆西日本新聞 約43万部→9.7%減
2022年1月15日 皇位継承の安定 政府案は現実に即するか
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/861725/
天皇制は日本の国柄の根幹をなし、その伝統を守るため、皇位継承者は「男系男子」に限るべきだとの意見がある。
一方、共同通信の昨春の世論調査では80%以上が女性・女系天皇を容認した。
男女平等の価値観が定着してきたこともあろうが、男系男子に固執するあまり皇位が途切れることへの懸念も拭えないのではないか。
***
ほぼ全ての新聞の社説が女性宮家、女性・女系天皇を是とし、男系男子固執に疑義を呈しており、「世論調査では80%以上が女性・女系天皇を容認」となるのは、新聞と、その新聞社と同系列の放送局の論調も影響を与えているように感じます。
ブレずに男系男子固執の産経新聞は、最も発行部数を減らしているところも興味深いです。
昨年11月に岸田首相の直属機関として新設された「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」に際し、日経新聞は今年1月、北海道新聞は今年2月、読売新聞は今年3月に社説を出しています。
現実的な方策を講じるために、各社は社説を更新し、世論を喚起していただきたいと思います。
(管理人カレーせんべいのコメント)
まいこさん、大変興味深い社説読み比べレポートを、ありがとうございます!!
皇位継承問題で男系男子に固執しているのは産経新聞だけということだ!
ぶっちぎりで部数を減らしているのも、さもありなん。
「コア読者層」に媚びるための男系固執なのか、産経新聞?
新聞の社説を並べても「90%以上が女系容認」と言えますね。
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パワーホール (木曜日, 28 3月 2024 18:03)
産経新聞も女性女系天皇を容認してほしい。男系固執なんて護憲派と変わらない頑迷固陋な考えだよ。
輝くような黄色 (木曜日, 28 3月 2024 10:30)
まいこさんのまとめ方と、部数に着目するセンスが本当に素晴らしいです。
産経新聞が最も部数を減らしていることが象徴的ですね。
まよせん (木曜日, 28 3月 2024 10:19)
産経はLGBTをテーマにした社説も書いていましたが、これまたしょーもない。
https://www.sankei.com/article/20240324-2PWOH4565RKCVKFLAV2GC5BQKQ/
これからの産経はごく一部の統一協会チルドレンなアナクロ自称保守向けに、先鋭化・カルト化していくのでしょうね。
牛乳寒天 (木曜日, 28 3月 2024 07:31)
まいこさんの丁寧なお仕事ぶり、本当に素晴らしいです。発行部数の考察も鋭いですね。信頼のバロメーターになっており、まだまだ新聞の存在感は絶大だと思いました。
千本通り (木曜日, 28 3月 2024 03:27)
まいこさんの発行部数の減少と社説との結びつけ、素晴らしいと思いました。もちろん皇統問題だけが大幅な部数減少の原因とは思いませんが、自分の頭で考えることを止めた新聞に未来はないということですね。
しかし新聞すら読まず、ネットとテレビでしか情報を得ないと、世の中、大谷のことしか考えていないと誤解されそう。
英二 (木曜日, 28 3月 2024 00:22)
こうであれば、頼りは新聞ですね
典範改「正」で、「男系の男子」を「者」に改めればできるのです、と社説に書いてくれるところがでれば、相当手応えが出てくるんじゃないかな~
リカオン (木曜日, 28 3月 2024 00:15)
この読み比べはすごいですね。
人口減少やネットニュースに取って代わられて減少している新聞ですが、それにしても産経新聞の減少はひどい。
誰が購読してるのか。ゴリゴリの男系御用達新聞ならば、さらに減って欲しい。
女性天皇に理解示すのであれば逆転も可能かも。