朝ドラ・虎に翼『「女性に社会活動をさせたくない」という主旨で法律が作られたという明治時代』

 

投稿者:まいこさん

  

伊藤沙莉さんが日本で初めて女性弁護士、のちに裁判官となる人物を演じる朝ドラ「虎に翼」、戦前の法律の授業での「婚姻状態にある女性は無能力者」という台詞が気になったのでNHK「ステラ」のHPで明治大学法学部 村上一博教授の解説を読んでみました。

 

「虎に翼」の“はて?”を解決!「無能力者って何よ~!」

https://steranet.jp/articles/-/2990

 

 

「女性は無能力者」!? 詳しい意味が知りたい!

明治民法の解説まとめ

 

 

・「女性は無能力者」とは、権利はあるが法律行為ができない「行為無能力」

 

・未成年の女性は父権のもとに、成年すれば父権の支配から外れるが、結婚すると夫権のもとに入り、日常の家事を除き、既婚の女性が社会的活動を行う際には夫の許可が必要になる。

 

・明治政府が民法を作る時に参考にしたのは当時のフランス法やドイツ法

「女性に社会的活動をさせたくない」のは他の国でも同じだった。

 

・「女性は結婚すると夫の家の名字になる」と定められたのは1898(明治31)年

 

・民法がないときは、そのときどきの裁判官の判断で、進歩的な判決が出ており、女性側から夫の放蕩に対して堂々と離婚訴訟ができたり、夫婦別姓が許されていたりしたが明治民法という国の定めた法律ができたので、これを守らなければならなくなった。

 

 

***

 

「女性に社会活動をさせたくない」という主旨で法律が作られたという明治時代。

 

「安定的な皇位継承」の妨げになっている「明治になって初めて採用されたルール」のもとになる『男系の男子』が皇室典範に付された背景には、やはり「女性に社会活動をさせたくない」という政府の思惑があったのでしょう。

 

多くの方が視聴する朝ドラで、「明治になって初めて採用されたルール」が刷新される意義が伝わってゆくことに期待します。

 

 

投稿者:リカオンさん

  

 

NHKで新年度から始まった朝ドラ「虎に翼」ですが、女性法律家の先駆けをモデルにしており内容が固くなるのかなぁ‥と思っていたら、コミカルな表現が自然に滲み出てくる好きな女優の伊藤沙莉さんが主演。

 

差別を受けながらそれを乗り越えて行く姿を彼女なら、ヒステリックフェミとは異なる視点で男性も共感できるよう演じてくれるはず。

 

 

私は昭和から平成にかけて学生時代と社会人一年生を経験しましたが、その時自分が受けた女性差別とドラマの設定である昭和初期の女性差別があまり変わっていない。下手すると令和ともそんなに変わっていないのではと一緒に視聴した夫と話し合いました。

 

ドラマでは時々憲法の条文を紐解くので、改めて日本国憲法を読み返す方が増えれば良いなぁ、これは女性の地位向上や天皇制を考えるきっかけにもなれば良いと思いました。

 

報道では政権に偏る情報ばかり流すNHKですが、ドラマについては「光る君へ」といい今期の朝ドラといい、女性の地位向上、憲法、皇位継承に関連する事柄を楽しみながら学べ、見逃せません。

 

PS:虎に翼と聞いて最初に思い浮かべたのはタイガーマスクの虎の穴のシンボルの像ですが、元は韓非子の言葉から来ているのですね。

 

https://mainichigahakken.net/life/article/post-9848.php

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント) 

 

現代の価値観で過去を断罪するという愚考は犯しませんが・・・、

 

しかし「明治の常識」は令和の価値観にそぐわないのは当然のことですよね。

 

そして男系固執の正体も、まいこさんが仰る通り、「女性に社会活動をさせたくない」という思惑の残滓であると推察できると思いました!

 

明治民法の解説のまとめも、ありがとうございました!

 


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コメント: 3
  • #3

    パワーホール (日曜日, 07 4月 2024 17:09)

    男尊女卑は日本本来のものではなく外国の影響で作られたものなのですね。それにしても無能力者なんて酷い言い方ですね。

  • #2

    おおみや (日曜日, 07 4月 2024 12:50)

    職場の40代同僚(男性、小学生の二人娘の父)は朝ドラの大ファンです。大河も視ています。私は朝ドラは見ていないものの、別の話題で「娘さんが大きくなる頃には、確実に、女性が息苦しくない時代に寄っていく筈ですよ。」と。自分自身は…別の場面で女性社員が「ここは男尊女卑の会社だから」と漏らした本音を刻み、その本質となる男性陣女性陣のそれぞれの成り立ちを解析し、時々仕掛けに出る日常です。長年に渡り染み着いたモノですから、意固地になる事を防ぎ続けつつじっくりやる必要があります。ほんの一例で…掛ける言葉に工夫の跡を感じられない、工夫を凝らして言葉を掛けていると(「自由にやっている様に見えるんだよ」=オレの顔色を見て怯えながら仕事していろという本音がくっきり→冷静かつ丁寧に反論→後でこっそり謝罪してきた)なんて事もあり、様々な絡み合いとスパイラルを感じます。「思惑の残滓」、このワードも解凍に使えそうです。自分でもうちょっとわかりやすい言葉にして使ってみます。

  • #1

    ねこ派 (日曜日, 07 4月 2024 12:36)

    『女性差別はどう作られてきたか』(集英社)という本を出している、中村敏子さんという女性の学者がいます。
    その本は、まだ、読んではいないのですが、ネットを調べていたら、中村さんのインタービュー記事を見つけました。

    性別分業と「男性が上」の考え方が広まったのは明治時代
    https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00317/082000019/

    読むと、興味深い。
    女性を無能力者と扱い、未成年の女は父が、結婚後の妻は夫が、それぞれ管理下に置くという「家制度」は、明治民法によって作られた。
    ただ、中村さん曰く、明治時代につくられた「家制度」と、平安時代ぐらいから続いている「家」とは、違う。
    「家制度」は、曰く、中国的な考え方と西洋的な考え方を、「家」にかぶせてつくられたもの、とのこと。
    中国的な考え方とは、簡単に言うと、父親が偉い、というもの。家族が、父親から息子、そのまた息子、とつながっていくことを基本とする。
    いっぽう、西洋的な考え方とは、簡単に言うと、夫が偉い、というもの。キリスト教における「夫婦は一体である」という考え方に基づくも、物事の決定権は、専ら夫にある、とする。
    この二つの考え方を、従前からの「家」にかぶせて出来上がったのが「家制度」とのことです。
    これでは、女性は未成年の間は父に従い、結婚したら夫に従い、で明け暮らすばかりとなります。
    では、従前からの「家」とは? その「家」における、女性の地位や役割は、如何なるものだったのか?
    中村敏子さんの記事は、ネットで、他に幾つか、見つけました。
    お名前で、検索してみるといいでしょう。
    どれも興味深いです。
    『女性差別はどう作られてきたか』は、集英社新書で、3年ほど前に出版されています。本屋で見つけたら、買って、読んでみよう、と思いました。
    朝ドラ『虎に翼』を、今回の投稿で紹介して下さったおかげで、新しい知識を得る道が開け、世界が広がります。
    カレーせんべいさん、投稿者さん、ありがとうございました。