投稿者:まいこさん
名古屋を含む愛知県内の朝ドラ「虎に翼」のロケ地が話題になっています。
朝ドラ「虎に翼」のロケ地はどこ? あさイチでも話題「裁判所は…」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e065abf33aa2292da7aaadfdffe9829e3d8a6ef
元記事
https://mainichi.jp/articles/20240411/k00/00m/200/403000c
米津玄師さんが歌うドラマ主題歌が流れる際に表示されるテロップの撮影協力に「名古屋市」が入っているが、ロケ地の記載はない。市総務課に尋ねると「確かにドラマの大学校舎は市役所本庁舎が活用されています」とのこと。
ロケをコーディネートした名古屋市の外郭団体「なごや・ロケーション・ナビ」によると、昨年12月に2週間、今年2月に1週間、名古屋を含む愛知県内でロケを実施。
市政資料館は東京地裁、名古屋市昭和区の鶴舞公園は東京地裁前の日比谷公園として初回放送冒頭から登場した。やはり名古屋がロケ地になっていたのだ。
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横暴な夫から逃れた妻が、母の形見の着物の引き渡しを請求した裁判を、東京地裁で伊藤沙莉さん演じる猪爪寅子と明律大学女子部法科の学生総出で傍聴するシーンは圧巻。
「女性に社会的活動をさせたくない」という主旨の明治民法は夫に有利で、事前に明律大学で行われた議論でも、妻は着物を取り戻せないという意見が大半でしたが、裁判官の「自由なる心証」による判決で、形見の着物は妻に引き渡されることになります。
主文「被告は原告に対し、別紙目録記載の物品を引き渡すべし」
判決の主旨
「民法が夫をして妻の財産を管理させるのは、夫婦共同生活の平和を維持すると共に妻の財産の保護を目的とするものであること、疑いいれぬことである。だが、本件のように夫婦生活が破綻を生じた事情において、妻が形見の品かつ日常に必要な品々の返却などを請求することに対し、夫はそれを拒絶することは法に規定されている「権利の濫用」と言わねばならず、夫としての管理ばかり主張するのは、明らかに妻を苦しめる目的をもってのことに他ならない。」
判決の後、寅子たちが居並ぶ中央階段には「公正な裁判」を表す「天秤」、吹き抜けの天井には「公正明大」を表す「日輪」がステンドグラスに描かれています。
東京地裁は、ネオ・バロック様式の名古屋市政資料館(元名古屋高裁・地裁)や鶴舞公園、明律大学の校舎は、名古屋市役所や明治村(犬山市)の北里研究所本館がロケ地となっており、いずれも素晴らしく美しい場所。虎子のモデルとなった三淵嘉子さんは、実際に名古屋地裁で判事として勤務されていたそう。
名古屋ゴー宣DOJOに御参加の際は、「虎に翼」聖地巡礼もできますね。
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希蝶 (木曜日, 18 4月 2024 21:05)
>ねこ派さん
私はあの場面を(現代的な視点から描かれたドラマであることを承知で)感動してみていましたが、
確かに…大日本国憲法では「天皇」がないとおかしいわけですね。
先日放映の男性からの女子学生の法廷劇への野次の場面も…何だか昨今の国会議員みたいな話だとも思ったのですが…あくまでも朝ドラはフィクションなので、こういう展開もありなのかな、と感じました。どうしても、現代的な視点になってしまうのは、仕方はないように思います(大河ドラマについても…言えることなのかな?)。
話そのものは…男女同権を訴えており、価値のあるものだと思います。世の中には、「こいつの話など聞く耳持たず」みたいな対応をするやからが、かなり多くいたりしますから。
…話題が逸れますが、名古屋道場の件、本当に勝手なことで、申しわけないです。どうしてこんなミスをしたのか、そしてその場合でも…なんですが、疲れているのかも、としかいいわけができないです。
重ね重ねお詫びします。大阪もつづけて…は現在の情況では無理なのかも、です。
明治村、犬山城とともに、かなり前に華族旅行で行って以来なので、また機会があったら見てみたいです。
ねこ派 (月曜日, 15 4月 2024 01:07)
#4に、訂正があります。
妻は無権利者ではなく、無能力者です。
しかし、無能力者、とは、酷い言い様です。
妻を無能力者とする法令規定の起源は、我が国ではない。古来、我が国おいては、女も妻も、無能力者とは思われていなかった。
明治期、文明開化のため範とした当時の西洋において、妻を無能力者と規定していたのである。
また#4で紹介した本:『女性差別はどう作られてきたか』(中村敏子著 集英社新書)は、エッセイストの小島慶子氏がこれを推薦していますが、帯に掲載されているその推薦の一文、
ジェンダーの視点から思想史を読み解く、平易で明快な筆致に引き込まれます。
を、真に受けないほうがいい。
読んだ者として言いますが、恐らく小島氏は、その本を、読んでいないように思われます。
読まずして、本の推薦文を書く有名人は、幾らもいるようなので、別に、驚くにはあたりませんが。
それから、私は、家にテレビがないので、朝ドラ『虎に翼』を、視聴していません。もっとも、インターネット利用者だから、ネット配信されている、およそ2分余りのダイジェスト版は、視聴出来ています。
第1週のダイジェスト版を視聴するに、主人公の寅子が結婚について、はて?と疑問を抱く姿が、描かれていたようですね。
そこで、思うのです。寅子が疑問を抱いた結婚とは、明治民法に規定された結婚のことか? それとも明治以前の結婚に相当する、夫婦関係のことか?
どっちだろう。
全部を視聴していないので、当てずっぽうですが、疑問を抱いたのは、前者の結婚についてでは?
というのは、『女性差別はどう作られてきたか』によると、明治民法が出来たあとも、結婚に関しては、明治民法に定められた通りの届け出がなされない内縁婚が少なくなく、その傾向は、明治民法が成立してから、三十年を経た昭和に入っても、続いていたからです。
後者は、即ち明治以前の結婚に相当する夫婦関係は、古くからの慣習に基づくところ大です。
我が国の慣習に従えば、明治民法に規定された結婚には疑問を抱いて当然、それから妻を無能力者とする規定にも、同じく疑問を抱いて当然、ということになりそうです。
しかるに、朝ドラ『虎に翼』では、明治以前の我が国のことを評価するかな?
NHKのやっていることですから、多分、しないように思います。してくれると、いいのですが。
さらに、明治は、明治憲法が作られた時代であり、先の大戦の敗北まで、明治憲法が、天皇及び三権について規定していました。
司法権については、次の条文がありました。
『司法權ハ天皇ノ名ニ於テ法律ニ依リ裁判�所�之ヲ行フ』(大日本帝国憲法第57条)
天皇が出てきます。
ということは、朝ドラ『虎に翼』第2週のダイジェスト版で、ちょっとだけ視聴しましたが、今回の投稿で紹介して下さった裁判及び判決は、天皇の名において、なされていなければならない。
裁判官の「自由なる心証」による判決、とのことですが、しかし、裁判官の心の内では、天皇の名において、という意識が間違いなく、働いていたはずです。
さて、朝ドラ『虎に翼』は、かくの如き、大日本帝国憲法下の、司法権における天皇のことを、描いているのでしょうか?
当てずっぽうですが、恐らく、描いてはいないのではないか、と思います。
間違っていたら、ごめんなさい。
リカオン (日曜日, 14 4月 2024 22:21)
まいこさんありがとうございます。
名古屋のDOJOまで日が浅いのに美味しいものや聖地も教えていただき盛りだくさんになって迷ってしまいます〜。
「虎に翼」面白くて私も視聴しています。
当該事案に虎子が遭遇し「はて?」と違和感を感じる。書生の佐田優三に相談すると関連する法律の文面がピックアップされて、それをどう解釈し、適用するのか。視聴者にもそれは投げかけられて、ドラマのヒロインやその仲間たちと共に考えるという展開。
ドラマの作り方が面白いなあ、きっと男性も含む一般の方も出演する女性たちの立場に立って考えさせる作りだなぁと感じました。
すでに小林先生が天皇論や愛子天皇論で取り組まれている事ではありますが、このドラマと同じ様に皇位継承問題を取り上げる事ができないかなあと思いました。
「女性皇族はなぜ婚姻で民間に下るの?」
「女性は天皇になれないからだよ」
「はて?なぜなれないの?」
「皇室典範の第一条に皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承するとあるからだよ」
「はて?過去に女性天皇がいたのに?」
といった具合に‥。
このドラマの男尊女卑が明治を舞台にしている事、皇室典範が作られたのも明治時代で典範の内容が男尊女卑なのも偶然ではない事が伝わるといいなと思いました。
パワーホール (日曜日, 14 4月 2024 19:35)
明治村には北里研究所もあるとのことですが、ある意味「負の遺産」と言っても過言ではないです。しかしそのようなものでも文化として残そうというところに日本文化の懐の深さを感じます。
ねこ派 (日曜日, 14 4月 2024 17:46)
明治民法は、明治政府が我が国の文明開化を目指すため、習うべき当時の西洋から導入した「夫婦は一体である」と「妻は夫に従属すべし」という思想が、一応、反映されています。
一応、というのは、完全な反映、完コピーではなく、かなりの程度、明治以前から続いている日本の実情に、明治民法は配慮していたようなのです。
明治民法では、妻は無権利者とされてはいます。
しかし、その前提として、妻は夫に従属すべし、と規定する条文は、明治民法には、なかった。
対して、明治民法が大いに影響を受けた、当時のフランス民法においては、ちゃんと、第213条において「夫は妻を保護し、妻は夫に従わなければならない」との規定があり、これを受けて、妻は無権利者、としていました。
明治民法では、不意に、妻は無権利者、とする規定が、登場するのです。
また「夫婦は一体である」と「妻は夫に従属すべし」という思想が導入されたとはいえ、妻はひたすら、夫に付き従うべし、ということを、明治政府は推進しませんでした。
「良妻賢母」を求めたものの、明治以前のまま、「夫婦相和し」「夫婦仲良く」が、道徳的にやはり良いこととされました。
「夫婦相和し」「夫婦仲良く」という、古くから続く、我が国における夫婦のあり方は、大体江戸中期頃から、国内に広まるようになった儒学における夫婦のあり方とも、異なります。
儒学では「夫婦別あり」で、夫は対外的、妻は家内的、お互いに距離を置く、というものでした。
なお、「夫婦は一体である」と「女は男に従属すべし」という思想は、どちらも、キリスト教に由来します。
以上の私の見解は、昨日読了した、次の本に依拠しております。
『女性差別はどう作られてきたか』(中村敏子著 集英社新書)
これは、別スレッド:朝ドラ・虎に翼『「女性に社会活動をさせたくない」という主旨で法律が作られたという明治時代』において、私の寄せたコメントで紹介した本です。
そのコメントでは、ネットで見つけた、著者のインタビュー記事についても、書いています。
さて、『女性差別はどう作られてきたか』を読んだ者として、投稿文で紹介されている、朝ドラ『虎に翼』で描かれた裁判の判決を、分析してみます。
判決の主旨に、『夫婦共同生活の平和』という文言があるのに、目が留まりました。
『夫婦共同生活の平和』という文言を出したのは、裁判所が、明治以前から続く、我が国における夫婦のあり方を表す、「夫婦相和し」「夫婦仲良く」を踏まえているからでは?
裁判所の判決ですから、法律に基づいて、畢竟、当時通用していた明治民法に基づいて、裁判所は判断するのですが、しかるに『夫婦共同生活の平和』という文言を出すくらいですから、その判断は、明治民法を生み出すに至った、西洋から導入した思想、即ちキリスト教由来の思想に、立脚していないのでは?
また、夫に『権利の濫用』あり、としていますが、妻は無権利者といっても、上記のとおり、明治民法は妻は夫に従属すべし、とまで規定していなかったので、我が国の夫の権利は、妻に対して、当時の西洋人の夫ほどには、大きなものではない、とする見方が可能だったのでしょう。
もっとも、そもそも論ですが、判決は、対象となった事件のみの判断です。また、朝ドラですから、元となる実際の事件はあったでしょうが、フィクションですね。
そのうえで、かかる私の分析にお目通し頂ければ、幸いです。
『女性差別はどう作られてきたか』(中村敏子著 集英社新書)は、読んでみると、いいですよ。
あしたのジョージ (日曜日, 14 4月 2024 17:36)
虎に翼を見ていますが、あのシーンは名古屋がロケ地だったんですね。
色んなところが使われているものですね。
私の住んでいるところの駅付近もよくロケ地に使われているみたいです。
シン・ゴジラでも使われていました。
たこちゃん (日曜日, 14 4月 2024 17:15)
まいこさん、ファンサイト運営の皆さま、「聖地」の紹介ありがとうございます。
「虎に翼」では愛知県内のいろいろな施設でロケが行われておりますが、そのうち
名古屋市市政資料館、名古屋市公会堂は名古屋の都心で、駅近くにあって比較的
行きやすいです。
名古屋市公会堂がある鶴舞公園は、昨年秋に新しい商業施設が出来て、お買物や
グルメを楽しめるようになりました。
DOJOとともに、愛知県を楽しんでくださいね!
茶呑みじじい (日曜日, 14 4月 2024 11:12)
「虎に翼」観ております。
名古屋にもロケ地があったんですね。
ぜひ今度行ってみたいと思います!