投稿者:まいこさん
「光る君へ」第16回、藤原詮子を演じる吉田羊さんのインタビューを読みました。
吉高由里子「大きな視野の広がりをくれたのが、たねだった」
https://steranet.jp/articles/-/3067
――詮子と定子の関係が、かなりギクシャクしています。
そうですね。詮子の気持ちを道長(柄本佑)以外に誰も理解してくれないし、周囲の対応がすごく冷たいので、詮子を演じるほどに私は寂しくなるんです。
それで一度、脚本家の大石静さんに相談したことがあるんですよ。
「(詮子を)やればやるほど、孤独を感じていくんですけど、どうしたらよいでしょうか?」って。
そのとき大石さんがおっしゃったんです。
「人間って相手によっていろんな顔があって、必ずしも一つの顔じゃない。相手によって言い方を変えたりトーンが変わったり、言葉選びも変わるのが人間で、それを隠さず相手にぶつけてしまう詮子の素直さこそが彼女の面白さであり、チャーミングなところだと思っている」と。
今はその言葉を信じてやっています。
台本には「詮子が登場すると場が冷める」みたいなト書きが結構あって(笑)。
でも、定子と一条天皇がワイワイしているところに詮子が現れると、シーンと静まり返るみたいなことって、現代の嫁姑関係でも当然あり得ること。
姑は嫁に小言を言うものだし、嫁は姑を煙たがるものなので(笑)。
遠い1000年以上も前の話だけれども、現在にも通じる普遍的な家族の物語として見ていただけるところかなという気がします。
***
「詮子が登場すると場が冷める」、まさにドラマでこういった場面が続いていて、今回も「伊周~あんまり彼女を貶めない方がいいのに~」とツッコミを入れながら鑑賞していました。
プロの役者さんであっても寂しくなるような情動を喚起する脚本を書いた上での大石静さんの言葉、取り繕えない有り様をチャーミングというところ、素晴らしいなと思います。
≪大河ドラマシリーズ≫
「光る君へ」心と体は裏腹(2024.04.16)
「光る君へ」藤原兼家の死がもたらすもの(2024.04.09)
「光る君へ」文字の階層(2024.04.03)
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madoka (木曜日, 25 4月 2024 09:47)
まいこさんのDOJOブログも拝読しまして、大変面白かったです�
残念ながら、「光る君へ」は観れないのでNHKのHPでダイジェスト版でチラ観しています。あさきゆめみしを、一巻だけ読んでいたので、光源氏の話は絵と共に想像でき、ドラマのリンクも文字で知る事ができて嬉しいです。
こちらの記事も併せて今後も楽しませて頂きまーす!
あしたのジョージ (水曜日, 24 4月 2024 23:16)
吉田羊さんはクールなイメージがありましたが、不適切にもほどがある!ではクールな中にも砕けた感じがありました。
光る君への役柄には孤独を感じているみたいですが、それだけ役に嵌まっているのではないのでしょうか。
はまり役なのかもしれません。
はまり役は中々ないと思うので、ぜひとも頑張って頂きたいところです。
牛乳寒天 (水曜日, 24 4月 2024 08:40)
ドラマはビデオに貯めてあり、現在までの話を追えていないのですが、DOJOブログのまいこさんの回が始まり、楽しく拝読しました。私は『あさきゆめみし』でサラリとしか粗筋を把握していないので、丁寧なご説明がありがたかったです。自分で意訳のお話も、読解力や洞察力などを鍛えるはじめの一歩になりうるかも…と前向きな気持ちで私もやってみようと思えました。これからもご投稿やブログを楽しみにしています。それを受け、私もチョボチョボと精進していきたいです。
リカオン (火曜日, 23 4月 2024 23:15)
俳優さんってお芝居が終わればケロッと自分に戻るのだと思っていたら、演じる役になりきって、役の通り孤独を感じたりするんですね。
この後、どんなふうに詮子が変わって行くのか。平安時代も結構政治のドロドロで、宮廷では女性が鍵を握っているんですね。